第二編 罪    第一章 削除-------------------------------------------------

第七十三条  削除

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第七十四条  削除

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第七十五条  削除

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第七十六条  削除

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   第二章 内乱に関する罪

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第七十七条 (内乱)

 国の統治機構を  破壊 し、又はその領土において  国権 を排除して  権力 を行使し、その  他憲法 の定める統治の  基本秩序 を壊乱することを  目的 として暴動をした者は、  内乱 の罪とし、次の区別に  従っ て処断する。

一  首謀者は、死刑又は  無期禁錮 に処する。

二  謀議に参与し、又は  群衆 を指揮した者は  無期 又は三年以上の  禁錮 に処し、その他諸般の  職務 に従事した者は  一年以上十年以下 の禁錮に処する。

三  付和随行し、その他単に  暴動 に参加した者は、  三年以下 の禁錮に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。ただし、  同項第三号 に規定する者については、この限りでない。

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第七十八条 (予備及び陰謀)

 内乱の予備又は  陰謀 をした者は、一年以上十年以下の  禁錮 に処する。

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第七十九条 (内乱等幇助)

 兵器、資金若しくは  食糧 を供給し、又はその他の  行為 により、前二条の罪を  幇助 した者は、七年以下の  禁錮 に処する。

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第八十条 (自首による刑の免除)

 前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に  自首 したときは、その刑を免除する。

   第三章 外患に関する罪

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第八十一条 (外患誘致)

 外国と通謀して  日本国 に対し武力を  行使 させた者は、死刑に処する。

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第八十二条 (外患援助)

 日本国に対して外国から  武力 の行使があったときに、これに  加担 して、その軍務に服し、その他これに  軍事上 の利益を与えた者は、  死刑 又は無期若しくは  二年以上 の懲役に処する。

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第八十三条  削除

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第八十四条  削除

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第八十五条  削除

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第八十六条  削除

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第八十七条 (未遂罪)

 第八十一条及び第八十二条の罪の  未遂 は、罰する。

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第八十八条 (予備及び陰謀)

 第八十一条又は第八十二条の罪の  予備 又は陰謀をした者は、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

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第八十九条  削除

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   第四章 国交に関する罪

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第九十条  削除

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第九十一条  削除

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第九十二条 (外国国章損壊等)

 外国に対して侮辱を加える  目的 で、その国の国旗その他の  国章 を損壊し、  除去 し、又は汚損した者は、  二年以下 の懲役又は  二十万円以下 の罰金に処する。

2  前項の罪は、外国政府の  請求 がなければ公訴を  提起 することができない。

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第九十三条 (私戦予備及び陰謀)

 外国に対して私的に  戦闘行為 をする目的で、その  予備 又は陰謀をした者は、  三月以上五年以下 の禁錮に処する。ただし、  自首 した者は、その刑を免除する。

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第九十四条 (中立命令違反)

 外国が交戦している際に、  局外中立 に関する命令に  違反 した者は、三年以下の  禁錮 又は五十万円以下の  罰金 に処する。

   第五章 公務の執行を妨害する罪

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第九十五条 (公務執行妨害及び職務強要)

 公務員が職務を  執行 するに当たり、これに対して暴行又は  脅迫 を加えた者は、三年以下の  懲役 若しくは禁錮又は  五十万円以下 の罰金に処する。

2  公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、  暴行 又は脅迫を加えた者も、  前項 と同様とする。

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第九十六条 (封印等破棄)

 公務員が施した封印若しくは  差押 えの表示を  損壊 し、又はその他の方法で  無効 にした者は、二年以下の  懲役 又は二十万円以下の  罰金 に処する。

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第九十六条の二 (強制執行妨害)

 強制執行を免れる目的で、  財産 を隠匿し、  損壊 し、若しくは仮装譲渡し、又は  仮装 の債務を  負担 した者は、二年以下の  懲役 又は五十万円以下の  罰金 に処する。

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第九十六条の三 (競売等妨害)

 偽計又は威力を用いて、公の  競売 又は入札の  公正 を害すべき行為をした者は、  二年以下 の懲役又は  二百五十万円以下 の罰金に処する。

2  公正な価格を害し又は  不正 な利益を得る  目的 で、談合した者も、  前項 と同様とする。

   第六章 逃走の罪

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第九十七条 (逃走)

 裁判の執行により  拘禁 された既決又は  未決 の者が逃走したときは、  一年以下 の懲役に処する。

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第九十八条 (加重逃走)

 前条に規定する者又は  勾引状 の執行を受けた者が  拘禁場 若しくは拘束のための  器具 を損壊し、  暴行 若しくは脅迫をし、又は  二人以上通謀 して、逃走したときは、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

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第九十九条 (被拘禁者奪取)

 法令により拘禁された者を  奪取 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

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第百条 (逃走援助)

 法令により拘禁された者を  逃走 させる目的で、  器具 を提供し、その  他逃走 を容易にすべき  行為 をした者は、三年以下の  懲役 に処する。

2  前項の目的で、  暴行 又は脅迫をした者は、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

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第百一条 (看守者等による逃走援助)

 法令により拘禁された者を  看守 し又は護送する者がその  拘禁 された者を逃走させたときは、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

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第百二条 (未遂罪)

 この章の罪の未遂は、罰する。

   第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪

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第百三条 (犯人蔵匿等)

 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に  逃走 した者を蔵匿し、又は  隠避 させた者は、二年以下の  懲役 又は二十万円以下の  罰金 に処する。

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第百四条 (証拠隠滅等)

 他人の刑事事件に関する  証拠 を隠滅し、  偽造 し、若しくは変造し、又は  偽造 若しくは変造の  証拠 を使用した者は、  二年以下 の懲役又は  二十万円以下 の罰金に処する。

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第百五条 (親族による犯罪に関する特例)

 前二条の罪については、犯人又は  逃走 した者の親族がこれらの者の  利益 のために犯したときは、その刑を免除することができる。

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第百五条の二 (証人等威迫)

 自己若しくは他人の  刑事事件 の捜査若しくは  審判 に必要な  知識 を有すると認められる者又はその親族に対し、  当該事件 に関して、正当な  理由 がないのに面会を  強請 し、又は強談威迫の  行為 をした者は、一年以下の  懲役 又は二十万円以下の  罰金 に処する。

   第八章 騒乱の罪

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第百六条 (騒乱)

 多衆で集合して  暴行 又は脅迫をした者は、  騒乱 の罪とし、次の区別に  従っ て処断する。

一  首謀者は、一年以上十年以下の  懲役 又は禁錮に処する。

二  他人を指揮し、又は  他人 に率先して勢いを助けた者は、  六月以上七年以下 の懲役又は  禁錮 に処する。

三  付和随行した者は、十万円以下の  罰金 に処する。

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第百七条 (多衆不解散)

 暴行又は脅迫をするため  多衆 が集合した  場合 において、権限のある  公務員 から解散の  命令 を三回以上受けたにもかかわらず、なお  解散 しなかったときは、首謀者は  三年以下 の懲役又は  禁錮 に処し、その他の者は十万円以下の  罰金 に処する。

   第九章 放火及び失火の罪

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第百八条 (現住建造物等放火)

 放火して、現に人が住居に  使用 し又は現に人がいる建造物、  汽車 、電車、  艦船 又は鉱坑を  焼損 した者は、死刑又は  無期 若しくは五年以上の  懲役 に処する。

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第百九条 (非現住建造物等放火)

 放火して、現に人が住居に  使用 せず、かつ、現に人がいない建造物、  艦船 又は鉱坑を  焼損 した者は、二年以上の  有期懲役 に処する。

2  前項の物が自己の  所有 に係るときは、六月以上七年以下の  懲役 に処する。ただし、公共の  危険 を生じなかったときは、罰しない。

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第百十条 (建造物等以外放火)

 放火して、前二条に  規定 する物以外の物を  焼損 し、よって公共の  危険 を生じさせた者は、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

2  前項の物が自己の  所有 に係るときは、一年以下の  懲役 又は十万円以下の  罰金 に処する。

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第百十一条 (延焼)

 第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって  第百八条 又は第百九条第一項に  規定 する物に延焼させたときは、  三月以上十年以下 の懲役に処する。

2  前条第二項の罪を犯し、よって同条第一項に  規定 する物に延焼させたときは、  三年以下 の懲役に処する。

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第百十二条 (未遂罪)

 第百八条及び第百九条第一項の罪の  未遂 は、罰する。

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第百十三条 (予備)

 第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す  目的 で、その予備をした者は、  二年以下 の懲役に処する。ただし、  情状 により、その刑を免除することができる。

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第百十四条 (消火妨害)

 火災の際に、消火用の物を  隠匿 し、若しくは損壊し、又はその他の  方法 により、消火を  妨害 した者は、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

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第百十五条 (差押え等に係る自己の物に関する特例)

 第百九条第一項及び第百十条第一項に  規定 する物が自己の  所有 に係るものであっても、差押えを受け、  物権 を負担し、  賃貸 し、又は保険に付したものである  場合 において、これを焼損したときは、  他人 の物を焼損した者の例による。

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第百十六条 (失火)

 失火により、第百八条に  規定 する物又は他人の  所有 に係る第百九条に  規定 する物を焼損した者は、  五十万円以下 の罰金に処する。

2  失火により、第百九条に  規定 する物であって自己の  所有 に係るもの又は第百十条に  規定 する物を焼損し、よって  公共 の危険を生じさせた者も、  前項 と同様とする。

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第百十七条 (激発物破裂)

 火薬、ボイラーその他の激発すべき物を  破裂 させて、第百八条に  規定 する物又は他人の  所有 に係る第百九条に  規定 する物を損壊した者は、  放火 の例による。第百九条に  規定 する物であって自己の  所有 に係るもの又は第百十条に  規定 する物を損壊し、よって  公共 の危険を生じさせた者も、  同様 とする。

2  前項の行為が  過失 によるときは、失火の例による。

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第百十七条の二 (業務上失火等)

 第百十六条又は前条第一項の  行為 が業務上必要な  注意 を怠ったことによるとき、又は  重大 な過失によるときは、  三年以下 の禁錮又は  百五十万円以下 の罰金に処する。

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第百十八条 (ガス漏出等及び同致死傷)

 ガス、電気又は  蒸気 を漏出させ、  流出 させ、又は遮断し、よって人の  生命 、身体又は  財産 に危険を生じさせた者は、  三年以下 の懲役又は  十万円以下 の罰金に処する。

2  ガス、電気又は  蒸気 を漏出させ、  流出 させ、又は遮断し、よって人を  死傷 させた者は、傷害の罪と  比較 して、重い刑により処断する。

   第十章 出水及び水利に関する罪

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第百十九条 (現住建造物等浸害)

 出水させて、現に人が住居に  使用 し又は現に人がいる建造物、  汽車 、電車又は  鉱坑 を浸害した者は、  死刑 又は無期若しくは  三年以上 の懲役に処する。

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第百二十条 (非現住建造物等浸害)

 出水させて、前条に  規定 する物以外の物を  浸害 し、よって公共の  危険 を生じさせた者は、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

2  浸害した物が自己の  所有 に係るときは、その物が差押えを受け、  物権 を負担し、  賃貸 し、又は保険に付したものである  場合 に限り、前項の例による。

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第百二十一条 (水防妨害)

 水害の際に、水防用の物を  隠匿 し、若しくは損壊し、又はその他の  方法 により、水防を  妨害 した者は、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

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第百二十二条 (過失建造物等浸害)

 過失により出水させて、  第百十九条 に規定する物を  浸害 した者又は第百二十条に  規定 する物を浸害し、よって  公共 の危険を生じさせた者は、  二十万円以下 の罰金に処する。

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第百二十三条 (水利妨害及び出水危険)

 堤防を決壊させ、  水門 を破壊し、その  他水利 の妨害となるべき  行為 又は出水させるべき  行為 をした者は、二年以下の  懲役 若しくは禁錮又は  二十万円以下 の罰金に処する。

   第十一章 往来を妨害する罪

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第百二十四条 (往来妨害及び同致死傷)

 陸路、水路又は橋を  損壊 し、又は閉塞して  往来 の妨害を生じさせた者は、  二年以下 の懲役又は  二十万円以下 の罰金に処する。

2  前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、  傷害 の罪と比較して、重い刑により  処断 する。

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第百二十五条 (往来危険)

 鉄道若しくはその標識を  損壊 し、又はその他の方法により、  汽車 又は電車の  往来 の危険を生じさせた者は、  二年以上 の有期懲役に処する。

2  灯台若しくは浮標を  損壊 し、又はその他の方法により、  艦船 の往来の  危険 を生じさせた者も、前項と  同様 とする。

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第百二十六条 (汽車転覆等及び同致死)

 現に人がいる汽車又は  電車 を転覆させ、又は  破壊 した者は、無期又は  三年以上 の懲役に処する。

2  現に人がいる艦船を  転覆 させ、沈没させ、又は  破壊 した者も、前項と  同様 とする。

3  前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、  死刑 又は無期懲役に処する。

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第百二十七条 (往来危険による汽車転覆等)

 第百二十五条の罪を犯し、よって汽車若しくは  電車 を転覆させ、若しくは  破壊 し、又は艦船を  転覆 させ、沈没させ、若しくは  破壊 した者も、前条の例による。

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第百二十八条 (未遂罪)

 第百二十四条第一項、第百二十五条並びに  第百二十六条第一項 及び第二項の罪の  未遂 は、罰する。

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第百二十九条 (過失往来危険)

 過失により、汽車、  電車 若しくは艦船の  往来 の危険を生じさせ、又は  汽車 若しくは電車を  転覆 させ、若しくは破壊し、若しくは  艦船 を転覆させ、  沈没 させ、若しくは破壊した者は、  三十万円以下 の罰金に処する。

2  その業務に  従事 する者が前項の罪を犯したときは、  三年以下 の禁錮又は  五十万円以下 の罰金に処する。

   第十二章 住居を侵す罪

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第百三十条 (住居侵入等)

 正当な理由がないのに、人の  住居 若しくは人の看守する  邸宅 、建造物若しくは  艦船 に侵入し、又は  要求 を受けたにもかかわらずこれらの場所から  退去 しなかった者は、三年以下の  懲役 又は十万円以下の  罰金 に処する。

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第百三十一条  削除

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第百三十二条 (未遂罪)

 第百三十条の罪の未遂は、罰する。

   第十三章 秘密を侵す罪

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第百三十三条 (信書開封)

 正当な理由がないのに、封をしてある  信書 を開けた者は、一年以下の  懲役 又は二十万円以下の  罰金 に処する。

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第百三十四条 (秘密漏示)

 医師、薬剤師、  医薬品販売業者 、助産師、  弁護士 、弁護人、  公証人 又はこれらの職にあった者が、正当な  理由 がないのに、その業務上取り  扱っ たことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、  六月以下 の懲役又は  十万円以下 の罰金に処する。

2  宗教、祈祷若しくは  祭祀 の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な  理由 がないのに、その業務上取り  扱っ たことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、  前項 と同様とする。

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第百三十五条 (親告罪)

 この章の罪は、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。

   第十四章 あへん煙に関する罪

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第百三十六条 (あへん煙輸入等)

 あへん煙を輸入し、  製造 し、販売し、又は  販売 の目的で  所持 した者は、六月以上七年以下の  懲役 に処する。

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第百三十七条 (あへん煙吸食器具輸入等)

 あへん煙を吸食する  器具 を輸入し、  製造 し、販売し、又は  販売 の目的で  所持 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

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第百三十八条 (税関職員によるあへん煙輸入等)

 税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための  器具 を輸入し、又はこれらの  輸入 を許したときは、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

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第百三十九条 (あへん煙吸食及び場所提供)

 あへん煙を吸食した者は、  三年以下 の懲役に処する。

2  あへん煙の吸食のため  建物 又は室を提供して  利益 を図った者は、  六月以上七年以下 の懲役に処する。

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第百四十条 (あへん煙等所持)

 あへん煙又はあへん煙を吸食するための  器具 を所持した者は、  一年以下 の懲役に処する。

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第百四十一条 (未遂罪)

 この章の罪の未遂は、罰する。

   第十五章 飲料水に関する罪

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第百四十二条 (浄水汚染)

 人の飲料に供する  浄水 を汚染し、よって  使用 することができないようにした者は、六月以下の  懲役 又は十万円以下の  罰金 に処する。

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第百四十三条 (水道汚染)

 水道により公衆に  供給 する飲料の  浄水 又はその水源を  汚染 し、よって使用することができないようにした者は、  六月以上七年以下 の懲役に処する。

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第百四十四条 (浄水毒物等混入)

 人の飲料に供する  浄水 に毒物その  他人 の健康を害すべき物を  混入 した者は、三年以下の  懲役 に処する。

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第百四十五条 (浄水汚染等致死傷)

 前三条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、  傷害 の罪と比較して、重い刑により  処断 する。

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第百四十六条 (水道毒物等混入及び同致死)

 水道により公衆に  供給 する飲料の  浄水 又はその水源に  毒物 その他人の  健康 を害すべき物を混入した者は、  二年以上 の有期懲役に処する。よって人を  死亡 させた者は、死刑又は  無期 若しくは五年以上の  懲役 に処する。

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第百四十七条 (水道損壊及び閉塞)

 公衆の飲料に供する  浄水 の水道を  損壊 し、又は閉塞した者は、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

   第十六章 通貨偽造の罪

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第百四十八条 (通貨偽造及び行使等)

 行使の目的で、  通用 する貨幣、  紙幣 又は銀行券を  偽造 し、又は変造した者は、  無期 又は三年以上の  懲役 に処する。

2  偽造又は変造の  貨幣 、紙幣又は  銀行券 を行使し、又は  行使 の目的で人に  交付 し、若しくは輸入した者も、  前項 と同様とする。

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第百四十九条 (外国通貨偽造及び行使等)

 行使の目的で、  日本国内 に流通している  外国 の貨幣、  紙幣 又は銀行券を  偽造 し、又は変造した者は、  二年以上 の有期懲役に処する。

2  偽造又は変造の  外国 の貨幣、  紙幣 又は銀行券を  行使 し、又は行使の  目的 で人に交付し、若しくは  輸入 した者も、前項と  同様 とする。

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第百五十条 (偽造通貨等収得)

 行使の目的で、  偽造 又は変造の  貨幣 、紙幣又は  銀行券 を収得した者は、  三年以下 の懲役に処する。

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第百五十一条 (未遂罪)

 前三条の罪の未遂は、罰する。

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第百五十二条 (収得後知情行使等)

 貨幣、紙幣又は  銀行券 を収得した後に、それが  偽造 又は変造のものであることを  知っ て、これを行使し、又は  行使 の目的で人に  交付 した者は、その額面価格の  三倍以下 の罰金又は  科料 に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。

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第百五十三条 (通貨偽造等準備)

 貨幣、紙幣又は  銀行券 の偽造又は  変造 の用に供する目的で、  器械 又は原料を  準備 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

   第十七章 文書偽造の罪

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第百五十四条 (詔書偽造等)

 行使の目的で、  御璽 、国璽若しくは  御名 を使用して  詔書 その他の文書を  偽造 し、又は偽造した  御璽 、国璽若しくは  御名 を使用して  詔書 その他の文書を  偽造 した者は、無期又は  三年以上 の懲役に処する。

2  御璽若しくは国璽を押し又は  御名 を署した詔書その他の  文書 を変造した者も、  前項 と同様とする。

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第百五十五条 (公文書偽造等)

 行使の目的で、  公務所 若しくは公務員の  印章 若しくは署名を  使用 して公務所若しくは  公務員 の作成すべき  文書 若しくは図画を  偽造 し、又は偽造した  公務所 若しくは公務員の  印章 若しくは署名を  使用 して公務所若しくは  公務員 の作成すべき  文書 若しくは図画を  偽造 した者は、一年以上十年以下の  懲役 に処する。

2  公務所又は公務員が  押印 し又は署名した  文書 又は図画を  変造 した者も、前項と  同様 とする。

3  前二項に規定するもののほか、  公務所 若しくは公務員の  作成 すべき文書若しくは  図画 を偽造し、又は  公務所 若しくは公務員が  作成 した文書若しくは  図画 を変造した者は、  三年以下 の懲役又は  二十万円以下 の罰金に処する。

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第百五十六条 (虚偽公文書作成等)

 公務員が、その職務に関し、  行使 の目的で、  虚偽 の文書若しくは  図画 を作成し、又は  文書 若しくは図画を  変造 したときは、印章又は  署名 の有無により  区別 して、前二条の例による。

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第百五十七条 (公正証書原本不実記載等)

 公務員に対し虚偽の  申立 てをして、登記簿、  戸籍簿 その他の権利若しくは  義務 に関する公正証書の  原本 に不実の  記載 をさせ、又は権利若しくは  義務 に関する公正証書の  原本 として用いられる電磁的記録に  不実 の記録をさせた者は、  五年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

2  公務員に対し虚偽の  申立 てをして、免状、  鑑札 又は旅券に  不実 の記載をさせた者は、  一年以下 の懲役又は  二十万円以下 の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

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第百五十八条 (偽造公文書行使等)

 第百五十四条から前条までの  文書 若しくは図画を  行使 し、又は前条第一項の  電磁的記録 を公正証書の  原本 としての用に供した者は、その文書若しくは  図画 を偽造し、若しくは  変造 し、虚偽の  文書 若しくは図画を  作成 し、又は不実の  記載 若しくは記録をさせた者と  同一 の刑に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

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第百五十九条 (私文書偽造等)

 行使の目的で、  他人 の印章若しくは  署名 を使用して  権利 、義務若しくは  事実証明 に関する文書若しくは  図画 を偽造し、又は  偽造 した他人の  印章 若しくは署名を  使用 して権利、  義務 若しくは事実証明に関する  文書 若しくは図画を  偽造 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

2  他人が押印し又は  署名 した権利、  義務 又は事実証明に関する  文書 又は図画を  変造 した者も、前項と  同様 とする。

3  前二項に規定するもののほか、  権利 、義務又は  事実証明 に関する文書又は  図画 を偽造し、又は  変造 した者は、一年以下の  懲役 又は十万円以下の  罰金 に処する。

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第百六十条 (虚偽診断書等作成)

 医師が公務所に  提出 すべき診断書、  検案書 又は死亡証書に  虚偽 の記載をしたときは、  三年以下 の禁錮又は  三十万円以下 の罰金に処する。

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第百六十一条 (偽造私文書等行使)

 前二条の文書又は  図画 を行使した者は、その  文書 若しくは図画を  偽造 し、若しくは変造し、又は  虚偽 の記載をした者と  同一 の刑に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

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第百六十一条の二 (電磁的記録不正作出及び供用)

 人の事務処理を誤らせる  目的 で、その事務処理の用に供する  権利 、義務又は  事実証明 に関する電磁的記録を  不正 に作った者は、  五年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

2  前項の罪が公務所又は  公務員 により作られるべき電磁的記録に係るときは、  十年以下 の懲役又は  百万円以下 の罰金に処する。

3  不正に作られた権利、  義務 又は事実証明に関する  電磁的記録 を、第一項の  目的 で、人の事務処理の用に供した者は、その  電磁的記録 を不正に  作っ た者と同一の刑に処する。

4  前項の罪の未遂は、罰する。

   第十八章 有価証券偽造の罪

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第百六十二条 (有価証券偽造等)

 行使の目的で、  公債証書 、官庁の  証券 、会社の  株券 その他の有価証券を  偽造 し、又は変造した者は、  三月以上十年以下 の懲役に処する。

2  行使の目的で、  有価証券 に虚偽の  記入 をした者も、前項と  同様 とする。

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第百六十三条 (偽造有価証券行使等)

 偽造若しくは変造の  有価証券 又は虚偽の  記入 がある有価証券を  行使 し、又は行使の  目的 で人に交付し、若しくは  輸入 した者は、三月以上十年以下の  懲役 に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

   第十八章の二 支払用カード電磁的記録に関する罪

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第百六十三条の二 (支払用カード電磁的記録不正作出等)

 人の財産上の  事務処理 を誤らせる目的で、その  事務処理 の用に供する電磁的記録であって、クレ  ジッ トカードその他の  代金 又は料金の  支払用 のカードを  構成 するものを不正に  作っ た者は、十年以下の  懲役 又は百万円以下の  罰金 に処する。預貯金の  引出用 のカードを  構成 する電磁的記録を  不正 に作った者も、  同様 とする。

2  不正に作られた前項の  電磁的記録 を、同項の  目的 で、人の財産上の  事務処理 の用に供した者も、同項と  同様 とする。

3  不正に作られた第一項の  電磁的記録 をその構成部分とするカ  ード を、同項の  目的 で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、  同項 と同様とする。

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第百六十三条の三 (不正電磁的記録カード所持)

 前条第一項の目的で、  同条第三項 のカードを  所持 した者は、五年以下の  懲役 又は五十万円以下の  罰金 に処する。

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第百六十三条の四 (支払用カード電磁的記録不正作出準備)

 第百六十三条の二第一項の  犯罪行為 の用に供する目的で、  同項 の電磁的記録の  情報 を取得した者は、  三年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。情を  知っ て、その情報を  提供 した者も、同様とする。

2  不正に取得された  第百六十三条 の二第一項の  電磁的記録 の情報を、  前項 の目的で  保管 した者も、同項と  同様 とする。

3  第一項の目的で、  器械 又は原料を  準備 した者も、同項と  同様 とする。

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第百六十三条の五 (未遂罪)

 第百六十三条の二及び前条第一項の罪の  未遂 は、罰する。

   第十九章 印章偽造の罪

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第百六十四条 (御璽偽造及び不正使用等)

 行使の目的で、  御璽 、国璽又は  御名 を偽造した者は、  二年以上 の有期懲役に処する。

2  御璽、国璽若しくは  御名 を不正に  使用 し、又は偽造した  御璽 、国璽若しくは  御名 を使用した者も、  前項 と同様とする。

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第百六十五条 (公印偽造及び不正使用等)

 行使の目的で、  公務所 又は公務員の  印章 又は署名を  偽造 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

2  公務所若しくは公務員の  印章 若しくは署名を  不正 に使用し、又は  偽造 した公務所若しくは  公務員 の印章若しくは  署名 を使用した者も、  前項 と同様とする。

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第百六十六条 (公記号偽造及び不正使用等)

 行使の目的で、  公務所 の記号を  偽造 した者は、三年以下の  懲役 に処する。

2  公務所の記号を  不正 に使用し、又は  偽造 した公務所の  記号 を使用した者も、  前項 と同様とする。

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第百六十七条 (私印偽造及び不正使用等)

 行使の目的で、  他人 の印章又は  署名 を偽造した者は、  三年以下 の懲役に処する。

2  他人の印章若しくは  署名 を不正に  使用 し、又は偽造した  印章 若しくは署名を  使用 した者も、前項と  同様 とする。

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第百六十八条 (未遂罪)

 第百六十四条第二項、第百六十五条第二項、  第百六十六条第二項 及び前条第二項の罪の  未遂 は、罰する。

   第二十章 偽証の罪

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第百六十九条 (偽証)

 法律により宣誓した  証人 が虚偽の  陳述 をしたときは、三月以上十年以下の  懲役 に処する。

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第百七十条 (自白による刑の減免)

 前条の罪を犯した者が、その証言をした  事件 について、その裁判が  確定 する前又は懲戒処分が行われる前に  自白 したときは、その刑を減軽し、又は  免除 することができる。

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第百七十一条 (虚偽鑑定等)

 法律により宣誓した  鑑定人 、通訳人又は  翻訳人 が虚偽の  鑑定 、通訳又は  翻訳 をしたときは、前二条の例による。

   第二十一章 虚偽告訴の罪

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第百七十二条 (虚偽告訴等)

 人に刑事又は  懲戒 の処分を受けさせる  目的 で、虚偽の  告訴 、告発その他の  申告 をした者は、三月以上十年以下の  懲役 に処する。

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第百七十三条 (自白による刑の減免)

 前条の罪を犯した者が、その申告をした  事件 について、その裁判が  確定 する前又は懲戒処分が行われる前に  自白 したときは、その刑を減軽し、又は  免除 することができる。

   第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪

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第百七十四条 (公然わいせつ)

 公然とわいせつな行為をした者は、  六月以下 の懲役若しくは  三十万円以下 の罰金又は  拘留 若しくは科料に処する。

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第百七十五条 (わいせつ物頒布等)

 わいせつな文書、  図画 その他の物を頒布し、  販売 し、又は公然と  陳列 した者は、二年以下の  懲役 又は二百五十万円以下の  罰金 若しくは科料に処する。  販売 の目的でこれらの物を  所持 した者も、同様とする。

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第百七十六条 (強制わいせつ)

 十三歳以上の男女に対し、  暴行 又は脅迫を用いてわいせつな  行為 をした者は、六月以上十年以下の  懲役 に処する。十三歳未満の  男女 に対し、わいせつな行為をした者も、  同様 とする。

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第百七十七条 (強姦)

 暴行又は脅迫を用いて  十三歳以上 の女子を  姦淫 した者は、強姦の罪とし、  三年以上 の有期懲役に処する。  十三歳未満 の女子を  姦淫 した者も、同様とする。

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第百七十八条 (準強制わいせつ及び準強姦)

 人の心神喪失若しくは  抗拒不能 に乗じ、又は心神を  喪失 させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな  行為 をした者は、第百七十六条の例による。

2  女子の心神喪失若しくは  抗拒不能 に乗じ、又は心神を  喪失 させ、若しくは抗拒不能にさせて、  姦淫 した者は、前条の例による。

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第百七十八条の二 (集団強姦等)

 二人以上の者が現場において  共同 して第百七十七条又は  前条第二項 の罪を犯したときは、四年以上の  有期懲役 に処する。

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第百七十九条 (未遂罪)

 第百七十六条から前条までの罪の  未遂 は、罰する。

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第百八十条 (親告罪)

 第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の  未遂罪 は、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。

2  前項の規定は、  二人以上 の者が現場において  共同 して犯した第百七十六条若しくは  第百七十八条第一項 の罪又はこれらの罪の未遂罪については、  適用 しない。

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第百八十一条 (強制わいせつ等致死傷)

 第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の  未遂罪 を犯し、よって人を死傷させた者は、  無期 又は三年以上の  懲役 に処する。

2  第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の  未遂罪 を犯し、よって女子を  死傷 させた者は、無期又は  五年以上 の懲役に処する。

3  第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって  女子 を死傷させた者は、  無期 又は六年以上の  懲役 に処する。

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第百八十二条 (淫行勧誘)

 営利の目的で、  淫行 の常習のない  女子 を勧誘して  姦淫 させた者は、三年以下の  懲役 又は三十万円以下の  罰金 に処する。

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第百八十三条  削除

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第百八十四条 (重婚)

 配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、  二年以下 の懲役に処する。その  相手方 となって婚姻をした者も、  同様 とする。

   第二十三章 賭博及び富くじに関する罪

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第百八十五条 (賭博)

 賭博をした者は、五十万円以下の  罰金 又は科料に処する。ただし、  一時 の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

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第百八十六条 (常習賭博及び賭博場開張等図利)

 常習として賭博をした者は、  三年以下 の懲役に処する。

2  賭博場を開張し、又は  博徒 を結合して  利益 を図った者は、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

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第百八十七条 (富くじ発売等)

 富くじを発売した者は、  二年以下 の懲役又は  百五十万円以下 の罰金に処する。

2  富くじ発売の  取次 ぎをした者は、一年以下の  懲役 又は百万円以下の  罰金 に処する。

3  前二項に規定するもののほか、富くじを  授受 した者は、二十万円以下の  罰金 又は科料に処する。

   第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪

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第百八十八条 (礼拝所不敬及び説教等妨害)

 神祠、仏堂、  墓所 その他の礼拝所に対し、  公然 と不敬な  行為 をした者は、六月以下の  懲役 若しくは禁錮又は  十万円以下 の罰金に処する。

2  説教、礼拝又は  葬式 を妨害した者は、  一年以下 の懲役若しくは  禁錮 又は十万円以下の  罰金 に処する。

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第百八十九条 (墳墓発掘)

 墳墓を発掘した者は、  二年以下 の懲役に処する。

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第百九十条 (死体損壊等)

 死体、遺骨、  遺髪 又は棺に納めてある物を損壊し、  遺棄 し、又は領得した者は、  三年以下 の懲役に処する。

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第百九十一条 (墳墓発掘死体損壊等)

 第百八十九条の罪を犯して、死体、  遺骨 、遺髪又は棺に納めてある物を  損壊 し、遺棄し、又は  領得 した者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

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第百九十二条 (変死者密葬)

 検視を経ないで変死者を  葬っ た者は、十万円以下の  罰金 又は科料に処する。

   第二十五章 汚職の罪

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第百九十三条 (公務員職権濫用)

 公務員がその職権を  濫用 して、人に義務のないことを行わせ、又は  権利 の行使を  妨害 したときは、二年以下の  懲役 又は禁錮に処する。

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第百九十四条 (特別公務員職権濫用)

 裁判、検察若しくは  警察 の職務を行う者又はこれらの  職務 を補助する者がその  職権 を濫用して、人を  逮捕 し、又は監禁したときは、  六月以上十年以下 の懲役又は  禁錮 に処する。

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第百九十五条 (特別公務員暴行陵虐)

 裁判、検察若しくは  警察 の職務を行う者又はこれらの  職務 を補助する者が、その  職務 を行うに当たり、被告人、  被疑者 その他の者に対して暴行又は  陵辱 若しくは加虐の  行為 をしたときは、七年以下の  懲役 又は禁錮に処する。

2  法令により拘禁された者を  看守 し又は護送する者がその  拘禁 された者に対して暴行又は  陵辱 若しくは加虐の  行為 をしたときも、前項と  同様 とする。

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第百九十六条 (特別公務員職権濫用等致死傷)

 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、  傷害 の罪と比較して、重い刑により  処断 する。

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第百九十七条 (収賄、受託収賄及び事前収賄)

 公務員が、その職務に関し、  賄賂 を収受し、又はその  要求 若しくは約束をしたときは、  五年以下 の懲役に処する。この  場合 において、請託を受けたときは、  七年以下 の懲役に処する。

2  公務員になろうとする者が、その担当すべき  職務 に関し、請託を受けて、  賄賂 を収受し、又はその  要求 若しくは約束をしたときは、  公務員 となった場合において、  五年以下 の懲役に処する。

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第百九十七条の二 (第三者供賄)

 公務員が、その職務に関し、  請託 を受けて、第三者に  賄賂 を供与させ、又はその  供与 の要求若しくは  約束 をしたときは、五年以下の  懲役 に処する。

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第百九十七条の三 (加重収賄及び事後収賄)

 公務員が前二条の罪を犯し、よって  不正 な行為をし、又は  相当 の行為をしなかったときは、  一年以上 の有期懲役に処する。

2  公務員が、その職務上不正な  行為 をしたこと又は相当の  行為 をしなかったことに関し、賄賂を  収受 し、若しくはその要求若しくは  約束 をし、又は第三者にこれを  供与 させ、若しくはその供与の  要求 若しくは約束をしたときも、  前項 と同様とする。

3  公務員であった者が、その在職中に  請託 を受けて職務上不正な  行為 をしたこと又は相当の  行為 をしなかったことに関し、賄賂を  収受 し、又はその要求若しくは  約束 をしたときは、五年以下の  懲役 に処する。

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第百九十七条の四 (あっせん収賄)

 公務員が請託を受け、他の  公務員 に職務上不正な  行為 をさせるように、又は相当の  行為 をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、  賄賂 を収受し、又はその  要求 若しくは約束をしたときは、  五年以下 の懲役に処する。

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第百九十七条の五 (没収及び追徴)

 犯人又は情を知った  第三者 が収受した  賄賂 は、没収する。その  全部 又は一部を  没収 することができないときは、その価額を  追徴 する。

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第百九十八条 (贈賄)

 第百九十七条から第百九十七条の四までに  規定 する賄賂を  供与 し、又はその申込み若しくは  約束 をした者は、三年以下の  懲役 又は二百五十万円以下の  罰金 に処する。

   第二十六章 殺人の罪

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第百九十九条 (殺人)

 人を殺した者は、死刑又は  無期 若しくは五年以上の  懲役 に処する。

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第二百条  削除

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第二百一条 (予備)

 第百九十九条の罪を犯す目的で、その  予備 をした者は、二年以下の  懲役 に処する。ただし、情状により、その刑を  免除 することができる。

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第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)

 人を教唆し若しくは  幇助 して自殺させ、又は人をその  嘱託 を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、  六月以上七年以下 の懲役又は  禁錮 に処する。

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第二百三条 (未遂罪)

 第百九十九条及び前条の罪の  未遂 は、罰する。

   第二十七章 傷害の罪

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第二百四条 (傷害)

 人の身体を  傷害 した者は、十五年以下の  懲役 又は五十万円以下の  罰金 に処する。

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第二百五条 (傷害致死)

 身体を傷害し、よって人を  死亡 させた者は、三年以上の  有期懲役 に処する。

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第二百六条 (現場助勢)

 前二条の犯罪が行われるに当たり、  現場 において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、  一年以下 の懲役又は  十万円以下 の罰金若しくは  科料 に処する。

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第二百七条 (同時傷害の特例)

 二人以上で暴行を加えて人を  傷害 した場合において、それぞれの  暴行 による傷害の  軽重 を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、  共同 して実行した者でなくても、  共犯 の例による。

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第二百八条 (暴行)

 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、  二年以下 の懲役若しくは  三十万円以下 の罰金又は  拘留 若しくは科料に処する。

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第二百八条の二 (危険運転致死傷)

 アルコール又は薬物の  影響 により正常な  運転 が困難な  状態 で四輪以上の  自動車 を走行させ、よって、人を  負傷 させた者は十五年以下の  懲役 に処し、人を死亡させた者は  一年以上 の有期懲役に処する。その  進行 を制御することが  困難 な高速度で、又はその  進行 を制御する  技能 を有しないで四輪以上の  自動車 を走行させ、よって人を  死傷 させた者も、同様とする。

2  人又は車の通行を  妨害 する目的で、  走行中 の自動車の  直前 に進入し、その  他通行中 の人又は車に著しく接近し、かつ、  重大 な交通の  危険 を生じさせる速度で  四輪以上 の自動車を  運転 し、よって人を死傷させた者も、  前項 と同様とする。  赤色信号 又はこれに相当する  信号 を殊更に  無視 し、かつ、重大な  交通 の危険を生じさせる  速度 で四輪以上の  自動車 を運転し、よって人を  死傷 させた者も、同様とする。

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第二百八条の三 (凶器準備集合及び結集)

 二人以上の者が他人の  生命 、身体又は  財産 に対し共同して害を加える  目的 で集合した  場合 において、凶器を  準備 して又はその準備があることを  知っ て集合した者は、  二年以下 の懲役又は  三十万円以下 の罰金に処する。

2  前項の場合において、  凶器 を準備して又はその  準備 があることを知って人を  集合 させた者は、三年以下の  懲役 に処する。

   第二十八章 過失傷害の罪

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第二百九条 (過失傷害)

 過失により人を傷害した者は、  三十万円以下 の罰金又は  科料 に処する。

2  前項の罪は、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。

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第二百十条 (過失致死)

 過失により人を死亡させた者は、  五十万円以下 の罰金に処する。

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第二百十一条 (業務上過失致死傷等)

 業務上必要な注意を怠り、よって人を  死傷 させた者は、五年以下の  懲役 若しくは禁錮又は  百万円以下 の罰金に処する。  重大 な過失により人を  死傷 させた者も、同様とする。

2  自動車を運転して  前項前段 の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、  情状 により、その刑を免除することができる。

   第二十九章 堕胎の罪

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第二百十二条 (堕胎)

 妊娠中の女子が  薬物 を用い、又はその他の方法により、  堕胎 したときは、一年以下の  懲役 に処する。

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第二百十三条 (同意堕胎及び同致死傷)

 女子の嘱託を受け、又はその  承諾 を得て堕胎させた者は、  二年以下 の懲役に処する。よって  女子 を死傷させた者は、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

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第二百十四条 (業務上堕胎及び同致死傷)

 医師、助産師、  薬剤師 又は医薬品販売業者が  女子 の嘱託を受け、又はその  承諾 を得て堕胎させたときは、  三月以上五年以下 の懲役に処する。よって  女子 を死傷させたときは、  六月以上七年以下 の懲役に処する。

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第二百十五条 (不同意堕胎)

 女子の嘱託を受けないで、又はその  承諾 を得ないで堕胎させた者は、  六月以上七年以下 の懲役に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

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第二百十六条 (不同意堕胎致死傷)

 前条の罪を犯し、よって女子を  死傷 させた者は、傷害の罪と  比較 して、重い刑により処断する。

   第三十章 遺棄の罪

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第二百十七条 (遺棄)

 老年、幼年、  身体障害 又は疾病のために  扶助 を必要とする者を  遺棄 した者は、一年以下の  懲役 に処する。

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第二百十八条 (保護責任者遺棄等)

 老年者、幼年者、  身体障害者 又は病者を  保護 する責任のある者がこれらの者を  遺棄 し、又はその生存に  必要 な保護をしなかったときは、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

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第二百十九条 (遺棄等致死傷)

 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、  傷害 の罪と比較して、重い刑により  処断 する。

   第三十一章 逮捕及び監禁の罪

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第二百二十条 (逮捕及び監禁)

 不法に人を逮捕し、又は  監禁 した者は、三月以上七年以下の  懲役 に処する。

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第二百二十一条 (逮捕等致死傷)

 前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、  傷害 の罪と比較して、重い刑により  処断 する。

   第三十二章 脅迫の罪

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第二百二十二条 (脅迫)

 生命、身体、  自由 、名誉又は  財産 に対し害を加える旨を告知して人を  脅迫 した者は、二年以下の  懲役 又は三十万円以下の  罰金 に処する。

2  親族の生命、  身体 、自由、  名誉 又は財産に対し害を加える旨を  告知 して人を脅迫した者も、  前項 と同様とする。

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第二百二十三条 (強要)

 生命、身体、  自由 、名誉若しくは  財産 に対し害を加える旨を告知して  脅迫 し、又は暴行を用いて、人に  義務 のないことを行わせ、又は権利の  行使 を妨害した者は、  三年以下 の懲役に処する。

2  親族の生命、  身体 、自由、  名誉 又は財産に対し害を加える旨を  告知 して脅迫し、人に  義務 のないことを行わせ、又は権利の  行使 を妨害した者も、  前項 と同様とする。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

   第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪

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第二百二十四条 (未成年者略取及び誘拐)

 未成年者を略取し、又は  誘拐 した者は、三月以上七年以下の  懲役 に処する。

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第二百二十五条 (営利目的等略取及び誘拐)

 営利、わいせつ、結婚又は  生命 若しくは身体に対する  加害 の目的で、人を  略取 し、又は誘拐した者は、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

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第二百二十五条の二 (身の代金目的略取等)

 近親者その他略取され又は  誘拐 された者の安否を  憂慮 する者の憂慮に乗じてその  財物 を交付させる  目的 で、人を略取し、又は  誘拐 した者は、無期又は  三年以上 の懲役に処する。

2  人を略取し又は  誘拐 した者が近親者その  他略取 され又は誘拐された者の  安否 を憂慮する者の  憂慮 に乗じて、その財物を  交付 させ、又はこれを要求する  行為 をしたときも、前項と  同様 とする。

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第二百二十六条 (所在国外移送目的略取及び誘拐)

 所在国外に移送する  目的 で、人を略取し、又は  誘拐 した者は、二年以上の  有期懲役 に処する。

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第二百二十六条の二 (人身売買)

 人を買い受けた者は、三月以上五年以下の  懲役 に処する。

2  未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の  懲役 に処する。

3  営利、わいせつ、結婚又は  生命 若しくは身体に対する  加害 の目的で、人を買い受けた者は、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

4  人を売り渡した者も、前項と  同様 とする。

5  所在国外に移送する  目的 で、人を売買した者は、  二年以上 の有期懲役に処する。

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第二百二十六条の三 (被略取者等所在国外移送)

 略取され、誘拐され、又は  売買 された者を所在国外に  移送 した者は、二年以上の  有期懲役 に処する。

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第二百二十七条 (被略取者引渡し等)

 第二百二十四条、第二百二十五条又は  前三条 の罪を犯した者を幇助する  目的 で、略取され、  誘拐 され、又は売買された者を引き渡し、  収受 し、輸送し、  蔵匿 し、又は隠避させた者は、  三月以上五年以下 の懲役に処する。

2  第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を  幇助 する目的で、  略取 され又は誘拐された者を引き渡し、  収受 し、輸送し、  蔵匿 し、又は隠避させた者は、  一年以上十年以下 の懲役に処する。

3  営利、わいせつ又は生命若しくは  身体 に対する加害の  目的 で、略取され、  誘拐 され、又は売買された者を引き渡し、  収受 し、輸送し、又は  蔵匿 した者は、六月以上七年以下の  懲役 に処する。

4  第二百二十五条の二第一項の  目的 で、略取され又は  誘拐 された者を収受した者は、  二年以上 の有期懲役に処する。  略取 され又は誘拐された者を  収受 した者が近親者その  他略取 され又は誘拐された者の  安否 を憂慮する者の  憂慮 に乗じて、その財物を  交付 させ、又はこれを要求する  行為 をしたときも、同様とする。

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第二百二十八条 (未遂罪)

 第二百二十四条、第二百二十五条、  第二百二十五条 の二第一項、  第二百二十六条 から第二百二十六条の三まで並びに  前条第一項 から第三項まで及び  第四項前段 の罪の未遂は、罰する。

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第二百二十八条の二 (解放による刑の減軽)

 第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは  第四項 の罪を犯した者が、公訴が  提起 される前に、略取され又は  誘拐 された者を安全な  場所 に解放したときは、その刑を  減軽 する。

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第二百二十八条の三 (身の代金目的略取等予備)

 第二百二十五条の二第一項の罪を犯す  目的 で、その予備をした者は、  二年以下 の懲役に処する。ただし、  実行 に着手する前に  自首 した者は、その刑を減軽し、又は  免除 する。

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第二百二十九条 (親告罪)

 第二百二十四条の罪、第二百二十五条の罪及びこれらの罪を  幇助 する目的で犯した  第二百二十七条第一項 の罪並びに  同条第三項 の罪並びにこれらの罪の  未遂罪 は、営利又は  生命 若しくは身体に対する  加害 の目的による  場合 を除き、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。ただし、  略取 され、誘拐され、又は  売買 された者が犯人と  婚姻 をしたときは、婚姻の  無効 又は取消しの  裁判 が確定した後でなければ、  告訴 の効力がない。

   第三十四章 名誉に対する罪

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第二百三十条 (名誉毀損)

 公然と事実を  摘示 し、人の名誉を  毀損 した者は、その事実の  有無 にかかわらず、三年以下の  懲役 若しくは禁錮又は  五十万円以下 の罰金に処する。

2  死者の名誉を  毀損 した者は、虚偽の  事実 を摘示することによってした  場合 でなければ、罰しない。

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第二百三十条の二 (公共の利害に関する場合の特例)

 前条第一項の行為が  公共 の利害に関する  事実 に係り、かつ、その目的が専ら  公益 を図ることにあったと認める場合には、  事実 の真否を  判断 し、真実であることの  証明 があったときは、これを罰しない。

2  前項の規定の  適用 については、公訴が  提起 されるに至っていない人の  犯罪行為 に関する事実は、  公共 の利害に関する  事実 とみなす。

3  前条第一項の行為が  公務員 又は公選による  公務員 の候補者に関する  事実 に係る場合には、  事実 の真否を  判断 し、真実であることの  証明 があったときは、これを罰しない。

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第二百三十一条 (侮辱)

 事実を摘示しなくても、  公然 と人を侮辱した者は、  拘留 又は科料に処する。

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第二百三十二条 (親告罪)

 この章の罪は、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。

2  告訴をすることができる者が天皇、  皇后 、太皇太后、  皇太后 又は皇嗣であるときは  内閣総理大臣 が、外国の  君主 又は大統領であるときはその国の  代表者 がそれぞれ代わって告訴を行う。

   第三十五章 信用及び業務に対する罪

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第二百三十三条 (信用毀損及び業務妨害)

 虚偽の風説を  流布 し、又は偽計を用いて、人の  信用 を毀損し、又はその  業務 を妨害した者は、  三年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

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第二百三十四条 (威力業務妨害)

 威力を用いて人の業務を  妨害 した者も、前条の例による。

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第二百三十四条の二 (電子計算機損壊等業務妨害)

 人の業務に  使用 する電子計算機若しくはその用に供する  電磁的記録 を損壊し、若しくは人の  業務 に使用する  電子計算機 に虚偽の  情報 若しくは不正な  指令 を与え、又はその他の方法により、  電子計算機 に使用目的に沿うべき  動作 をさせず、又は使用目的に反する  動作 をさせて、人の業務を  妨害 した者は、五年以下の  懲役 又は百万円以下の  罰金 に処する。

   第三十六章 窃盗及び強盗の罪

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第二百三十五条 (窃盗)

 他人の財物を  窃取 した者は、窃盗の罪とし、  十年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

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第二百三十五条の二 (不動産侵奪)

 他人の不動産を  侵奪 した者は、十年以下の  懲役 に処する。

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第二百三十六条 (強盗)

 暴行又は脅迫を用いて  他人 の財物を  強取 した者は、強盗の罪とし、  五年以上 の有期懲役に処する。

2  前項の方法により、  財産上不法 の利益を得、又は  他人 にこれを得させた者も、同項と  同様 とする。

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第二百三十七条 (強盗予備)

 強盗の罪を犯す目的で、その  予備 をした者は、二年以下の  懲役 に処する。

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第二百三十八条 (事後強盗)

 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、  逮捕 を免れ、又は罪跡を  隠滅 するために、暴行又は  脅迫 をしたときは、強盗として論ずる。

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第二百三十九条 (昏酔強盗)

 人を昏酔させてその  財物 を盗取した者は、  強盗 として論ずる。

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第二百四十条 (強盗致死傷)

 強盗が、人を負傷させたときは  無期 又は六年以上の  懲役 に処し、死亡させたときは  死刑 又は無期懲役に処する。

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第二百四十一条 (強盗強姦及び同致死)

 強盗が女子を  強姦 したときは、無期又は  七年以上 の懲役に処する。よって  女子 を死亡させたときは、  死刑 又は無期懲役に処する。

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第二百四十二条 (他人の占有等に係る自己の財物)

 自己の財物であっても、  他人 が占有し、又は  公務所 の命令により  他人 が看守するものであるときは、この章の罪については、  他人 の財物とみなす。

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第二百四十三条 (未遂罪)

 第二百三十五条から第二百三十六条まで及び  第二百三十八条 から第二百四十一条までの罪の  未遂 は、罰する。

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第二百四十四条 (親族間の犯罪に関する特例)

 配偶者、直系血族又は  同居 の親族との間で  第二百三十五条 の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の  未遂罪 を犯した者は、その刑を免除する。

2  前項に規定する  親族以外 の親族との間で犯した  同項 に規定する罪は、  告訴 がなければ公訴を  提起 することができない。

3  前二項の規定は、  親族 でない共犯については、  適用 しない。

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第二百四十五条 (電気)

 この章の罪については、電気は、  財物 とみなす。

   第三十七章 詐欺及び恐喝の罪

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第二百四十六条 (詐欺)

 人を欺いて財物を  交付 させた者は、十年以下の  懲役 に処する。

2  前項の方法により、  財産上不法 の利益を得、又は  他人 にこれを得させた者も、同項と  同様 とする。

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第二百四十六条の二 (電子計算機使用詐欺)

 前条に規定するもののほか、人の  事務処理 に使用する  電子計算機 に虚偽の  情報 若しくは不正な  指令 を与えて財産権の  得喪 若しくは変更に係る  不実 の電磁的記録を作り、又は  財産権 の得喪若しくは  変更 に係る虚偽の  電磁的記録 を人の事務処理の用に供して、  財産上不法 の利益を得、又は  他人 にこれを得させた者は、十年以下の  懲役 に処する。

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第二百四十七条 (背任)

 他人のためにその事務を  処理 する者が、自己若しくは  第三者 の利益を図り又は  本人 に損害を加える  目的 で、その任務に背く  行為 をし、本人に  財産上 の損害を加えたときは、  五年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

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第二百四十八条 (準詐欺)

 未成年者の知慮浅薄又は人の  心神耗弱 に乗じて、その財物を  交付 させ、又は財産上不法の  利益 を得、若しくは他人にこれを得させた者は、  十年以下 の懲役に処する。

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第二百四十九条 (恐喝)

 人を恐喝して  財物 を交付させた者は、  十年以下 の懲役に処する。

2  前項の方法により、  財産上不法 の利益を得、又は  他人 にこれを得させた者も、同項と  同様 とする。

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第二百五十条 (未遂罪)

 この章の罪の未遂は、罰する。

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第二百五十一条 (準用)

 第二百四十二条、第二百四十四条及び  第二百四十五条 の規定は、この章の罪について  準用 する。

   第三十八章 横領の罪

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第二百五十二条 (横領)

 自己の占有する  他人 の物を横領した者は、  五年以下 の懲役に処する。

2  自己の物であっても、公務所から  保管 を命ぜられた場合において、これを  横領 した者も、前項と  同様 とする。

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第二百五十三条 (業務上横領)

 業務上自己の占有する  他人 の物を横領した者は、  十年以下 の懲役に処する。

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第二百五十四条 (遺失物等横領)

 遺失物、漂流物その  他占有 を離れた他人の物を  横領 した者は、一年以下の  懲役 又は十万円以下の  罰金 若しくは科料に処する。

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第二百五十五条 (準用)

 第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。   第三十九章 盗品等に関する罪 -------------------------------------------------

第二百五十六条 (盗品譲受け等)

 盗品その他財産に対する罪に当たる  行為 によって領得された物を  無償 で譲り受けた者は、三年以下の  懲役 に処する。

2  前項に規定する物を  運搬 し、保管し、若しくは  有償 で譲り受け、又はその有償の  処分 のあっせんをした者は、十年以下の  懲役 及び五十万円以下の  罰金 に処する。

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第二百五十七条 (親族等の間の犯罪に関する特例)

 配偶者との間又は直系血族、  同居 の親族若しくはこれらの者の  配偶者 との間で前条の罪を犯した者は、その刑を  免除 する。

2  前項の規定は、  親族 でない共犯については、  適用 しない。

   第四十章 毀棄及び隠匿の罪

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第二百五十八条 (公用文書等毀棄)

 公務所の用に供する文書又は  電磁的記録 を毀棄した者は、  三月以上七年以下 の懲役に処する。

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第二百五十九条 (私用文書等毀棄)

 権利又は義務に関する  他人 の文書又は  電磁的記録 を毀棄した者は、  五年以下 の懲役に処する。

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第二百六十条 (建造物等損壊及び同致死傷)

 他人の建造物又は  艦船 を損壊した者は、  五年以下 の懲役に処する。よって人を  死傷 させた者は、傷害の罪と  比較 して、重い刑により処断する。

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第二百六十一条 (器物損壊等)

 前三条に規定するもののほか、  他人 の物を損壊し、又は  傷害 した者は、三年以下の  懲役 又は三十万円以下の  罰金 若しくは科料に処する。

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第二百六十二条 (自己の物の損壊等)

 自己の物であっても、差押えを受け、  物権 を負担し、又は  賃貸 したものを損壊し、又は  傷害 したときは、前三条の例による。

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第二百六十二条の二 (境界損壊)

 境界標を損壊し、  移動 し、若しくは除去し、又はその他の  方法 により、土地の  境界 を認識することができないようにした者は、  五年以下 の懲役又は  五十万円以下 の罰金に処する。

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第二百六十三条 (信書隠匿)

 他人の信書を  隠匿 した者は、六月以下の  懲役 若しくは禁錮又は  十万円以下 の罰金若しくは  科料 に処する。

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第二百六十四条 (親告罪)

 第二百五十九条、第二百六十一条及び  前条 の罪は、告訴がなければ  公訴 を提起することができない。

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