第一章 総則 -------------------------------------------------

第一条 (目的)

    この法律は、  国税 の滞納処分その他の  徴収 に関する手続の  執行 について必要な  事項 を定め、私法秩序との  調整 を図りつつ、国民の  納税義務 の適正な  実現 を通じて国税収入を  確保 することを目的とする。

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第二条 (定義)

    この法律において、次の  各号 に掲げる用語の  意義 は、当該各号に定めるところによる。

    国税 国 が課する税のうち関税、とん税及び  特別 とん税以外のものをいう。

    地方税 地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)  第一条第一項第十四号 (用語)に  規定 する地方団体の  徴収金 (都、特別区及び  全部事務組合 のこれに相当する  徴収金 を含む。)をいう。

    消費税等 消費税 、酒税、たばこ税、  揮発油税 、地方道路税、  石油ガ ス税及び石油石炭税をいう。

    附帯税 国税 のうち延滞税、  利子税 、過少申告加算税、  無申告加算税 、不納付加算税及び  重加算税 をいう。

    公課 滞納処分 の例により徴収することができる  債権 のうち国税(その  滞納処分費 を含む。以下同じ。)及び  地方税以外 のものをいう。

    納税者 国税 に関する法律の  規定 により国税(  国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)  第二条第二号 (定義)に  規定 する源泉徴収による  国税 を除く。)を納める義務がある者及び  当該源泉徴収 による国税を  徴収 して国に納付しなければならない者をいう。

    第二次納税義務者 第三十三条 から第三十九条まで(  無限責任社員等 の第二次納税義務)又は  第四十一条 (人格のない  社団等 に係る第二次納税義務)の  規定 により納税者の  国税 を納付する  義務 を負う者をいう。

    保証人 国税 に関する法律の  規定 により納税者の  国税 の納付について  保証 をした者をいう。

    滞納者 納税者 でその納付すべき  国税 をその納付の  期限 (国税通則法第四十七条第一項 (  納税 の猶予)に  規定 する納税の  猶予 又は徴収若しくは  滞納処分 に関する猶予に係る  期限 を除く。)までに納付しないものをいう。

    法定納期限 国税 に関する法律の  規定 により国税を  納付 すべき期限(次に掲げる  国税 については、それぞれ次に定める期限又は日)をいう。この  場合 において、国税通則法第三十八条第二項 (  繰上請求 )に規定する  繰上 げに係る期限及び  所得税法 (昭和四十年法律第三十三号)若しくは  相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)の  規定 による延納、  国税通則法第四十七条第一項 に規定する  納税 の猶予又は  徴収 若しくは滞納処分に関する  猶予 に係る期限は、  当該国税 を納付すべき  期限 に含まれないものとする。

   国税通則法第三十五条第二項 (期限後申告等による  納付 )の規定により  納付 すべき国税 その  国税 の額をその国税に係る  同法第十七条第二項 (期限内申告書)に  規定 する期限内申告書に  記載 された納付すべき  税額 とみなして国税に関する  法律 の規定を  適用 した場合におけるその  国税 を納付すべき期限

   国税 に関する法律の  規定 により国税を  納付 すべき期限とされている  日後 に納税の  告知 がされた国税(ハ又はニに掲げる  国税 に該当するものを除く。) 当該期限

   国税 に関する法律の  規定 により一定の  事実 が生じた場合に直ちに  徴収 するものとされている賦課課税方式による  国税当該事実 が生じた日

   附帯税 又は滞納処分費 その  納付 又は徴収の  基因 となる国税を  納付 すべき期限(  当該国税 がイからハまでに掲げる国税に  該当 する場合には、それぞれ  当該国税 に係るイからハまでに掲げる期限(  地価税 に係る過少申告加算税、  無申告加算税 及び国税通則法第三十五条第三項 (  過少申告加算税等 の納付)に  規定 する重加算税については、先に  到来 する期限)又は日)

十一    徴収職員 税務署長 その他国税の  徴収 に関する事務に  従事 する職員をいう。

十二    強制換価手続 滞納処分 (その例による処分を含む。  以下同 じ。)、強制執行、  担保権 の実行としての  競売 、企業担保権の  実行手続 及び破産手続をいう。

十三    執行機関 滞納処分 を執行する  行政機関 その他の者(以下「  行政機関等 」という。)、裁判所(  民事執行法 (昭和五十四年法律第四号)  第百六十七条 の二第二項 (  少額訴訟債権執行 の開始)に  規定 する少額訴訟債権執行にあつては、  裁判所書記官 )、執行官及び  破産管財人 をいう。

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第三条 (人格のない社団等に対するこの法律の適用)

   法人 でない社団又は  財団 で代表者又は  管理人 の定めがあるもの(以下「  人格 のない社団等」という。)は、  法人 とみなして、この法律の  規定 を適用する。

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第四条  削除

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第五条  削除

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第六条  削除

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第七条  削除

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   第二章 国税と他の債権との調整

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    第一節 一般的優先の原則

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第八条 (国税優先の原則)

   国税 は、納税者の  総財産 について、この章に別段の定がある  場合 を除き、すべての公課その他の  債権 に先だつて徴収する。

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第九条 (強制換価手続の費用の優先)

   納税者 の財産につき  強制換価手続 が行われた場合において、  国税 の交付要求をしたときは、その  国税 は、その手続により  配当 すべき金銭(  以下 この章において「換価代金」という。)につき、その  手続 に係る費用に次いで  徴収 する。

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第十条 (直接の滞納処分費の優先)

   納税者 の財産を  国税 の滞納処分により  換価 したときは、その滞納処分に係る  滞納処分費 は、次条、  第十四条 から第十七条まで(  担保 を徴した国税の  優先等 )、第十九条から  第二十一条 まで(先取特権等の  優先 )及び第二十三条(  法定納期限等以前 にされた仮登記により  担保 される債権の  優先等 )の規定にかかわらず、その  換価代金 につき、他の国税、  地方税 その他の債権に  先立 つて徴収する。

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第十一条  国税通則法第三十九条 第十一条 (強制換価の場合の消費税等の優先)

  強制換価 の場合の  消費税等 の徴収の  特例 )又は輸入品に対する  内国消費税 の徴収等に関する  法律 (昭和三十年法律第三十七号)  第八条第一項第二号 若しくは第六号 (  公売 又は売却等の  場合 における内国消費税の  徴収 )の規定により  徴収 する消費税等(その  滞納処分費 を含む。)は、次条から  第十七条 まで(差押先着手による  国税 の優先等)及び  第十九条 から第二十一条まで(  先取特権等 の優先)の  規定 にかかわらず、その徴収の  基因 となつた移出又は  公売 若しくは売却に係る  物品 の換価代金につき、他の  国税 、地方税その他の  債権 に先だつて徴収する。

    第二節 国税及び地方税の調整

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第十二条 (差押先着手による国税の優先)

   納税者 の財産につき  国税 の滞納処分による  差押 をした場合において、他の  国税 又は地方税の  交付要求 があつたときは、その差押に係る  国税 は、その換価代金につき、その  交付要求 に係る他の国税又は  地方税 に先だつて徴収する。

    納税者 の財産につき  国税 又は地方税の  滞納処分 による差押があつた  場合 において、国税の  交付要求 をしたときは、その交付要求に係る  国税 は、その換価代金につき、その  差押 に係る国税又は  地方税 (第九条(  強制換価手続 の費用の  優先 )の規定の  適用 を受ける費用を除く。)に次いで  徴収 する。

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第十三条 (交付要求先着手による国税の優先)

   納税者 の財産につき  強制換価手続 (破産手続を除く。)が行われた  場合 において、国税及び  地方税 の交付要求があつたときは、その  換価代金 につき、先にされた交付要求に係る  国税 は、後にされた交付要求に係る  国税 又は地方税に先だつて  徴収 し、後にされた交付要求に係る  国税 は、先にされた交付要求に係る  国税 又は地方税に次いで  徴収 する。

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第十四条 (担保を徴した国税の優先)

   国税 につき徴した担保財産があるときは、  前二条 の規定にかかわらず、その  国税 は、その換価代金につき他の  国税 及び地方税に先だつて  徴収 する。

    第三節 国税と被担保債権との調整

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第十五条 (法定納期限等以前に設定された質権の優先)

   納税者 がその財産上に  質権 を設定している  場合 において、その質権が  国税 の法定納期限(次の  各号 に掲げる国税については、  当該各号 に定める日とし、当該国税に係る  附帯税 及び滞納処分費については、その  徴収 の基因となつた  国税 に係る当該各号に定める日とする。  以下 「法定納期限等」という。)  以前 に設定されているものであるときは、その  国税 は、その換価代金につき、その  質権 により担保される  債権 に次いで徴収する。

    法定納期限後 にその納付すべき額が  確定 した国税(  過怠税 を含む。) その更正通知書若しくは  決定通知書 又は納税告知書を発した日(  申告納税方式 による国税で  申告 により確定したものについては、その  申告 があつた日)

    法定納期限前 に国税通則法第三十八条第一項 (  繰上請求 )の規定による  請求 (以下「  繰上請求 」という。)がされた国税 当該請求に係る期限

    第二期分 の所得税(  所得税法第百四条第一項 (予定納税額の  納付 )(同法第百六十六条 (  非居住者 に対する準用)において  準用 する場合を含む。  以下 この号において同じ。)の規定により  同項 に規定する  第二期 において納付すべき  所得税 をいい、同法第百十五条 (  出国 をする場合の  予定納税額 の納期限の  特例 )(同法第百六十六条 において  準用 する場合を含む。)の  規定 により納付すべき  所得税 で同法第百四条第一項 に  規定 する第一期において  納付 すべき所得税の  納期限後 に納付すべきものを含む。)   当該第一期 において納付すべき  所得税 の納期限

    相続税法第三十五条第二項 (申告書の  提出期限前 の決定等)の  規定 による更正又は  決定 により納付すべき  税額 が確定した  相続税 又は贈与税 その  更正通知書 又は決定通知書を発した日

四の  二  地価税 (国税通則法第二条第七号 (  定義 )に規定する  法定申告期限 (以下この号において「  法定申告期限 」という。)までに納付するもの及び  第一号 に掲げるものを除く。) その更正通知書又は  決定通知書 を発した日(申告により  確定 したものについては、その申告があつた日(その日が  当該地価税 の法定申告期限前である  場合 には、当該法定申告期限))

    再評価税 で確定した  税額 を二以上の  納期 において納付するもののうち  最初 の納期後の  納期 において納付する  再評価税  その再評価税の  最初 の納期限

五の  二  国税通則法第十五条第三項第二号 、第三号及び  第五号 (源泉徴収による  国税等 )に掲げる国税(  法定納期限以前 に納付されたものを除く。) その  納税告知書 を発した日(納税の  告知 を受けることなく法定納期限後に  納付 された国税については、その  納付 があつた日)

    第二十四条第二項 (譲渡担保権者の  物的納税責任 )又は第百五十九条第三項(  保全差押 の金額の  通知 )(国税通則法第三十八条第四項 (  繰上保全差押 )において準用する  場合 を含む。)の規定により  告知 し、又は通知した  金額 の国税 これらの  規定 による告知書又は  通知書 を発した日

    相続人 (包括受遺者を含む。  以下同 じ。)の固有の  財産 から徴収する  被相続人 (包括遺贈者を含む。  以下同 じ。)の国税及び  相続財産 から徴収する  相続人 の固有の  国税 (相続(  包括遺贈 を含む。以下同じ。)があつた  日前 にその納付すべき  税額 が確定したもの(  国税通則法第十五条第三項第二号 、第三号及び  第五号 に掲げる国税については、その  日前 に納税告知書を発したもの。  以下次号 及び第九号において同じ。)に限る。) その  相続 があつた日

    合併 により消滅した  法人 (以下「  被合併法人 」という。)に属していた財産から  徴収 する合併後存続する  法人 又は当該合併に係る他の  被合併法人 の固有の  国税 及び合併後存続する  法人 の固有の  財産 から徴収する  被合併法人 の国税(  合併 のあつた日前にその  納付 すべき税額が  確定 したものに限る。)その合併のあつた日

    分割 により事業を  承継 した法人(  以下 この号において「分割承継法人」という。)の  当該分割 をした法人から  承継 した財産(  以下 この号において「承継財産」という。)から  徴収 する分割承継法人の  固有 の国税、  分割承継法人 の固有の  財産 から徴収する  分割承継法人 の国税通則法第九条の  二 (法人の  分割 に係る連帯納付の  責任 )に規定する  連帯納付 の責任(  以下 この号において「連帯納付責任」という。)に係る  国税 及び分割承継法人の  承継財産 から徴収する  分割承継法人 の連帯納付責任に係る  当該分割 に係る他の分割をした  法人 の国税(  分割 のあつた日前にその  納付 すべき税額が  確定 したものに限る。) その分割のあつた日

    第二次納税義務者 又は保証人として  納付 すべき国税 第三十二条第一項(  第二次納税義務者 に対する納付通知)又は  国税通則法第五十二条第二項 (保証人に対する  納付通知 )の納付通知書を発した日

    前項 の規定は、  登記 (登録を含む。  以下同 じ。)をすることができる質権以外の  質権 については、その質権者が、  強制換価手続 において、その執行機関に対し、その  設定 の事実を  証明 した場合に限り  適用 する。この場合において、  有価証券 を目的とする  質権以外 の質権については、その  証明 は、次に掲げる書類によつてしなければならない。

一  公正証書

    登記所 又は公証人役場において  日付 のある印章が押されている私署証書

    郵便法 (昭和二十二年法律第百六十五号)  第六十三条 (内容証明)の  規定 により内容証明を受けた証書

    民法施行法 (明治三十一年法律第十一号)  第七条第一項 (公証人法 の  規定 の準用)において  準用 する公証人法 (  明治四十一年法律第五十三号 )第六十二条ノ  七第四項 (書面の  交付 による情報の  提供 )の規定により  交付 を受けた書面

    前項各号 の規定により  証明 された質権は、  第一項 の規定の  適用 については、民法施行法第五条 (  確定日付 がある証書)の  規定 により確定日付があるものとされた日に  設定 されたものとみなす。

    第一項 の質権を有する者は、  第二項 の証明をしなかつたため  国税 におくれる金額の  範囲内 においては、第一項の  規定 により国税に  優先 する後順位の  質権者 に対して優先権を行うことができない。

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第十六条 (法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)

   納税者 が国税の  法定納期限等以前 にその財産上に  抵当権 を設定しているときは、その  国税 は、その換価代金につき、その  抵当権 により担保される  債権 に次いで徴収する。

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第十七条 (譲受前に設定された質権又は抵当権の優先)

   納税者 が質権又は  抵当権 の設定されている  財産 を譲り受けたときは、国税は、その  換価代金 につき、その質権又は  抵当権 により担保される  債権 に次いで徴収する。

    前項 の規定は、  登記 をすることができる質権以外の  質権 については、その質権者が、  強制換価手続 において、その執行機関に対し、  同項 の譲受前にその  質権 が設定されている  事実 を証明した  場合 に限り適用する。この  場合 においては、第十五条第二項後段及び  第三項 (優先質権の  証明 )の規定を  準用 する。

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第十八条 (質権及び抵当権の優先額の限度等)

   前三条 の規定に基き  国税 に先だつ質権又は  抵当権 により担保される  債権 の元本の  金額 は、その質権者又は  抵当権者 がその国税に係る  差押 又は交付要求の  通知 を受けた時における債権額を  限度 とする。ただし、その国税に  優先 する他の債権を有する者の  権利 を害することとなるときは、この限りでない。

    質権 又は抵当権により  担保 される債権額又は  極度額 を増加する  登記 がされた場合には、その  登記 がされた時において、その増加した  債権額 又は極度額につき新たに  質権 又は抵当権が  設定 されたものとみなして、前三条の  規定 を適用する。

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第十九条 (不動産保存の先取特権等の優先)

   次 に掲げる先取特権が  納税者 の財産上にあるときは、  国税 は、その換価代金につき、その  先取特権 により担保される  債権 に次いで徴収する。

    不動産保存 の先取特権

    不動産工事 の先取特権

    立木 の先取特権に関する  法律 (明治四十三年法律第五十六号)  第一項 (立木の  先取特権 )の先取特権

    商法 (明治三十二年法律第四十八号)  第八百十条 (救助者の  先取特権 )若しくは第八百四十二条 (  船舶債権者 の先取特権)、  国際海上物品運送法 (昭和三十二年法律第百七十二号)  第十九条 (船舶先取特権)、  船舶 の所有者等の  責任 の制限に関する  法律 (昭和五十年法律第九十四号)  第九十五条第一項 (船舶先取特権)又は  船舶油濁損害賠償保障法 (昭和五十年法律第九十五号)  第四十条第一項 (船舶先取特権)の先取特権

    国税 に優先する  債権 のため又は国税のために  動産 を保存した者の先取特権

    前項第三号 から第五号まで(  同項第三号 に掲げる先取特権で  登記 をしたものを除く。)の規定は、その  先取特権者 が、強制換価手続において、その  執行機関 に対しその先取特権がある  事実 を証明した  場合 に限り適用する。

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第二十条 (法定納期限等以前にある不動産賃貸の先取特権等の優先)

   次 に掲げる先取特権が  納税者 の財産上に  国税 の法定納期限等以前からあるとき、又は  納税者 がその先取特権のある  財産 を譲り受けたときは、その国税は、その  換価代金 につき、その先取特権により  担保 される債権に次いで  徴収 する。

    不動産賃貸 の先取特権その  他質権 と同一の  順位 又はこれらに優先する  順位 の動産に関する  特別 の先取特権(  前条第一項第三号 から第五号までに掲げる  先取特権 を除く。)

    不動産売買 の先取特権

    借地借家法 (平成三年法律第九十号)  第十二条 (借地権設定者の  先取特権 )、罹災都市借地借家臨時処理法 (  昭和二十一年法律第十三号 )第八条 (  賃貸人等 の先取特権)又は  接収不動産 に関する借地借家臨時処理法 (  昭和三十一年法律第百三十八号 )第七条 (  賃貸人等 の先取特権)に  規定 する先取特権

    登記 をした一般の先取特権

    前条第二項 の規定は、  前項第一号 に掲げる先取特権について  準用 する。

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第二十一条 (留置権の優先)

   留置権 が納税者の  財産上 にある場合において、その  財産 を滞納処分により  換価 したときは、その国税は、その  換価代金 につき、その留置権により  担保 されていた債権に次いで  徴収 する。この場合において、その  債権 は、質権、  抵当権 、先取特権又は  第二十三条第一項 (法定納期限等以前にされた  仮登記 により担保される  債権 の優先)に  規定 する担保のための  仮登記 により担保される  債権 に先立つて  配当 するものとする。

    前項 の規定は、その  留置権者 が、滞納処分の  手続 において、その行政機関等に対し、その  留置権 がある事実を  証明 した場合に限り  適用 する。

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第二十二条 (担保権付財産が譲渡された場合の国税の徴収)

   納税者 が他に国税に充てるべき  十分 な財産がない  場合 において、その者がその国税の  法定納期限等後 に登記した  質権 又は抵当権を  設定 した財産を  譲渡 したときは、納税者の  財産 につき滞納処分を  執行 してもなおその国税に  不足 すると認められるときに限り、その国税は、その  質権者 又は抵当権者から、これらの者がその  譲渡 に係る財産の  強制換価手続 において、その質権又は  抵当権 によつて担保される  債権 につき配当を受けるべき  金額 のうちから徴収することができる。

    前項 の規定により  徴収 することができる金額は、  第一号 に掲げる金額から  第二号 に掲げる金額を  控除 した額をこえることができない。

    前項 の譲渡に係る  財産 の換価代金から  同項 に規定する  債権 が配当を受けるべき金額

    前号 の財産を  納税者 の財産とみなし、その  財産 の換価代金につき  前項 の国税の  交付要求 があつたものとした場合に  同項 の債権が  配当 を受けるべき金額

    税務署長 は、第一項の  規定 により国税を  徴収 するため、同項の  質権者 又は抵当権者に  代位 してその質権又は  抵当権 を実行することができる。

    税務署長 は、第一項の  規定 により国税を  徴収 しようとするときは、その旨を質権者又は  抵当権者 に通知しなければならない。

    税務署長 は、第一項の  譲渡 に係る財産につき  強制換価手続 が行われた場合には、  同項 の規定により  徴収 することができる金額の  国税 につき、執行機関に対し、  交付要求 をすることができる。

    第四節 国税と仮登記又は譲渡担保に係る債権との調整

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第二十三条 (法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)

   国税 の法定納期限等以前に  納税者 の財産につき、その者を  登記義務者 (登録義務者を含む。)として、  仮登記担保契約 に関する法律 (  昭和五十三年法律第七十八号 )第一条 (  趣旨 )に規定する  仮登記担保契約 に基づく仮登記又は  仮登録 (以下「  担保 のための仮登記」という。)がされているときは、その  国税 は、その換価代金につき、その  担保 のための仮登記により  担保 される債権に次いで  徴収 する。

    担保 のための仮登記がされている  納税者 の財産上に、  第十九条第一項各号 (不動産保存の  先取特権等 の優先)に掲げる  先取特権 があるとき、国税の  法定納期限等以前 から第二十条第一項各号(  法定納期限等以前 にある不動産賃貸の  先取特権等 の優先)に掲げる  先取特権 があるとき、又は国税の  法定納期限等以前 に質権若しくは  抵当権 が設定され、若しくは  担保 のための仮登記がされているときは、その  国税 は、仮登記担保契約に関する  法律第三条第一項 (清算金)(  同法第二十条 (土地等の  所有権以外 の権利を  目的 とする契約への  準用 )において準用する  場合 を含む。)に規定する  清算金 に係る換価代金につき、  同法第四条第一項 (物上代位)(  同法第二十条 において準用する  場合 を含む。)の規定により  権利 が行使されたこれらの  先取特権 、質権及び  抵当権並

    第十七条第一項 (譲受前に  設定 された質権又は  抵当権 の優先)の  規定 は、納税者が  担保 のための仮登記がされている  財産 を譲り受けたときについて、前条(  第三項 を除く。)の規定は、  納税者 が他に国税に充てるべき  十分 な財産がない  場合 において、その者がその国税の  法定納期限等後 に担保のための  仮登記 をした財産を  譲渡 したときについて、それぞれ準用する。

    仮登記担保契約 に関する法律第一条 に  規定 する仮登記担保契約で、  消滅 すべき金銭債務がその  契約 の時に特定されていないものに基づく  仮登記 及び仮登録は、  国税 の滞納処分においては、その  効力 を有しない。

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第二十四条 (譲渡担保権者の物的納税責任)

   納税者 が国税を  滞納 した場合において、その者が  譲渡 した財産でその  譲渡 により担保の  目的 となつているもの(以下「  譲渡担保財産 」という。)があるときは、その者の財産につき  滞納処分 を執行してもなお  徴収 すべき国税に  不足 すると認められるときに限り、譲渡担保財産から  納税者 の国税を  徴収 することができる。

    税務署長 は、前項の  規定 により徴収しようとするときは、  譲渡担保財産 の権利者(  以下 「譲渡担保権者」という。)に対し、  徴収 しようとする金額その  他必要 な事項を  記載 した書面により  告知 しなければならない。この場合においては、その者の  住所 又は居所(  事務所 及び事業所を含む。  以下同 じ。)の所在地を  所轄 する税務署長及び  納税者 に対しその旨を通知しなければならない。

    前項 の告知書を発した日から  十日 を経過した日までにその  徴収 しようとする金額が  完納 されていないときは、徴収職員は、  譲渡担保権者 を第二次納税義務者とみなして、その  譲渡担保財産 につき滞納処分を  執行 することができる。この場合においては、  第三十二条第三項 から第五項まで(  第二次納税義務 の通則)及び  第九十条第三項 (換価の  制限 )の規定を  準用 する。

    譲渡担保財産 を第一項の  納税者 の財産としてした  差押 は、同項の  要件 に該当する  場合 に限り、前項の  規定 による差押として  滞納処分 を続行することができる。この  場合 において、税務署長は、  遅滞 なく、第二項の  告知 及び通知をしなければならない。

    第二項 の規定による  告知 又は前項の  規定 の適用を受ける  差押 をした後、納税者の  財産 の譲渡により  担保 される債権が  債務不履行 その他弁済以外の  理由 により消滅した  場合 (譲渡担保財産につき  買戻 、再売買の  予約 その他これらに類する契約を  締結 している場合において、  期限 の経過その他その  契約 の履行以外の  理由 によりその契約が  効力 を失つたときを含む。)においても、なお譲渡担保財産として  存続 するものとみなして、第三項の  規定 を適用する。

    第一項 の規定は、  国税 の法定納期限等以前に、  担保 の目的でされた  譲渡 に係る権利の  移転 の登記がある  場合 又は譲渡担保権者が  国税 の法定納期限等以前に  譲渡担保財産 となつている事実を、その  財産 の売却決定の  前日 までに、証明した  場合 には、適用しない。この  場合 においては、第十五条第二項後段及び  第三項 (優先質権の  証明 )の規定を  準用 する。

    第一項 の規定の  適用 を受ける譲渡担保権者は、  第十章 (罰則)の  規定 の適用については、  納税者 とみなす。

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第二十五条 (譲渡担保財産の換価の特例等)

   買戻 しの特約のある  売買 の登記、  再売買 の予約の  請求権 の保全のための  仮登記 (仮登録を含む。  以下同 じ。)その他これに類する登記(  以下 この条において「買戻権の  登記等 」という。)がされている譲渡担保財産でその  買戻権 の登記等の  権利者 が滞納者であるときは、その差し押さえた  買戻権 の登記等に係る  権利 及び前条第三項の  規定 により差し押さえたその買戻権の  登記等 のある譲渡担保財産を  一括 して換価することができる。

    前条 及び前項に  規定 するもののほか、譲渡担保財産からする  納税者 の国税の  徴収 に関し必要な  事項 は、政令で定める。

    第五節 国税及び地方税等と私債権との競合の調整

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第二十六条 (国税及び地方税等と私債権との競合の調整)

   強制換価手続 において国税が他の  国税 、地方税又は  公課 (以下この条において「  地方税等 」という。)及びその他の債権(  以下 この条において「私債権」という。)と  競合 する場合において、この章又は  地方税法 その他の法律の  規定 により、国税が  地方税等 に先だち、私債権がその  地方税等 におくれ、かつ、当該国税に先だつとき、又は  国税 が地方税等におくれ、  私債権 がその地方税等に先だち、かつ、  当該国税 におくれるときは、換価代金の  配当 については、次に定めるところによる。

    第九条 (強制換価手続の  費用 の優先)若しくは  第十条 (直接の  滞納処分費 の優先)に  規定 する費用若しくは  滞納処分費 、第十一条(  強制換価 の場合の  消費税等 の優先)に  規定 する国税(  地方税法 の規定によりこれに  相当 する優先権を有する  地方税 を含む。)、第二十一条(  留置権 の優先)の  規定 の適用を受ける  債権 、第五十九条第三項若しくは  第四項 (前払賃料の  優先 )(第七十一条第四項(  自動車等 についての準用規定)において  準用 する場合を含む。)の  規定 の適用を受ける  債権 又は第十九条(  不動産保存 の先取特権等の  優先 )の規定の  適用 を受ける債権があるときは、これらの  順序 に従い、それぞれこれらに充てる。

    国税 及び地方税等並びに  私債権 (前号の  規定 の適用を受けるものを除く。)につき、  法定納期限等 (地方税又は  公課 のこれに相当する  納期限等 を含む。)又は設定、  登記 、譲渡若しくは  成立 の時期の古いものからそれぞれ  順次 にこの章又は地方税法 その他の  法律 の規定を  適用 して国税及び  地方税等並 びに私債権に充てるべき  金額 の総額をそれぞれ定める。

    前号 の規定により定めた  国税 及び地方税等に充てるべき  金額 の総額を  第八条 (国税優先の  原則 )若しくは第十二条から  第十四条 まで(差押先着手による  国税 の優先等)の  規定 又は地方税法 その他の  法律 のこれらに相当する  規定 により、順次国税及び  地方税等 に充てる。

    第二号 の規定により定めた  私債権 に充てるべき金額の  総額 を民法 (  明治二十九年法律第八十九号 )その他の法律の  規定 により順次私債権に充てる。

   第三章 第二次納税義務

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第二十七条  削除

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第二十八条  削除

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第二十九条  削除

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第三十条  削除

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第三十一条  削除

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第三十二条 (第二次納税義務の通則)

   税務署長 は、納税者の  国税 を第二次納税義務者から  徴収 しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、  徴収 しようとする金額、  納付 の期限その  他必要 な事項を  記載 した納付通知書により  告知 しなければならない。この場合においては、その者の  住所 又は居所の  所在地 を所轄する  税務署長 に対しその旨を通知しなければならない。

    第二次納税義務者 がその国税を  前項 の納付の  期限 までに完納しないときは、  税務署長 は、次項において  準用 する国税通則法第三十八条第一項 及び  第二項 (繰上請求)の  規定 による請求をする  場合 を除き、納付催告書によりその  納付 を督促しなければならない。この  場合 においては、その納付催告書は、  国税 に関する法律に  別段 の定めがあるものを除き、その納付の  期限 から五十日以内に発するものとする。

    国税通則法第三十八条第一項 及び第二項 、  同法第四章第一節 (納税の  猶予 )並びに同法第五十五条 (  納付委託 )の規定は、  第一項 の場合について  準用 する。

    第二次納税義務者 の財産の  換価 は、その財産の  価額 が著しく減少するおそれがあるときを除き、  第一項 の納税者の  財産 を換価に付した後でなければ、行うことができない。

     この章の規定は、  第二次納税義務者 から第一項の  納税者 に対してする求償権の  行使 を妨げない。

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第三十三条 (無限責任社員の第二次納税義務)

   合名会社 若しくは合資会社又は  無限責任中間法人 が国税を  滞納 した場合において、その  財産 につき滞納処分を  執行 してもなおその徴収すべき額に  不足 すると認められるときは、その社員(  合資会社 にあつては、無限責任社員)は、その  滞納 に係る国税の  第二次納税義務 を負う。この場合において、その  社員 は、連帯してその責めに任ずる。

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第三十四条 (清算人等の第二次納税義務)

   法人 が解散した  場合 において、その法人に課されるべき、又はその  法人 が納付すべき  国税 を納付しないで  残余財産 の分配又は  引渡 をしたときは、その法人に対し  滞納処分 を執行してもなおその  徴収 すべき額に不足すると認められる  場合 に限り、清算人及び  残余財産 の分配又は  引渡 を受けた者(前条の  規定 の適用を受ける者を除く。  以下 この条において同じ。)は、その滞納に係る  国税 につき第二次納税義務を負う。ただし、  清算人 は分配又は  引渡 をした財産の  価額 の限度において、  残余財産 の分配又は  引渡 を受けた者はその受けた財産の  価額 の限度において、それぞれその責に任ずる。

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第三十五条 (同族会社の第二次納税義務)

   滞納者 がその者を判定の  基礎 となる株主又は  社員 として選定した  場合 に法人税法 (  昭和四十年法律第三十四号 )第二条第十号 (  同族会社 の定義)に  規定 する会社に  該当 する会社(  以下 「同族会社」という。)の  株式 又は出資を有する  場合 において、その株式又は  出資 につき次に掲げる理由があり、かつ、その者の  財産 (当該株式又は  出資 を除く。)につき滞納処分を  執行 してもなお徴収すべき  国税 に不足すると認められるときは、その有する  当該株式 又は出資(  当該滞納 に係る国税の  法定納期限 (国税に関する  法律 の規定による  国税 の還付金の額に  相当 する税額を  減少 させる修正申告又は  更正 により納付すべき  国税並 びに当該国税に係る  附帯税 及び滞納処分費については、その  還付 の基因となつた  申告 、更正又は  決定 があつた日とし、過怠税については、その  納税義務

     その株式又は  出資 を再度換価に付してもなお  買受人 がないこと。

     その株式若しくは  出資 の譲渡につき  法律 若しくは定款に  制限 があり、又は株券の  発行 がないため、これらを譲渡することにつき  支障 があること。

    前項 の同族会社の  株式 又は出資の  価額 は、第三十二条第一項(  第二次納税義務者 への告知)の  納付通知書 を発する時における当該会社の  資産 の総額から  負債 の総額を  控除 した額をその株式又は  出資 の数で除した額を基礎として  計算 した額による。

    第一項 の同族会社であるかどうかの  判定 は、第三十二条第一項の  納付通知書 を発する時の現況による。

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第三十六条 (実質課税額等の第二次納税義務)

   滞納者 の次の各号に掲げる  国税 につき滞納処分を  執行 してもなおその徴収すべき額に  不足 すると認められるときは、第一号に定める者にあつては  同号 に規定する  収益 が生じた財産(その  財産 の異動により  取得 した財産及びこれらの  財産 に基因して  取得 した財産(  以下 この条、次条及び  第三十八条 (事業を譲り受けた  特殊関係者 の第二次納税義務)において「  取得財産 」という。)を含む。)、第二号に定める者にあつては  同号 に規定する  貸付 けに係る財産(  取得財産 を含む。)、第三号に定める者にあつてはその受けた  利益 の額を限度として、その  滞納 に係る国税の  第二次納税義務 を負う。

    所得税法第十二条 (実質所得者課税の  原則 )若しくは第百五十八条 (  事業所 の所得の  帰属 の推定)又は  法人税法第十一条 (実質所得者課税の  原則 )の規定により課された  国税  その国税の  賦課 の基因となつた  収益 が法律上帰属するとみられる者

    消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)  第十三条 (資産の  譲渡等 を行つた者の実質判定)の  規定 により課された国税(  同法第二条第一項第八号 (定義)に  規定 する貸付けに係る  部分 に限る。)その国税の  賦課 の基因となつた  当該貸付 けを法律上行つたとみられる者

    所得税法第百五十七条 (同族会社等の  行為 又は計算の  否認等 )、法人税法第百三十二条 (  同族会社等 の行為又は  計算 の否認)、  第百三十二条 の二(組織再編成に係る  行為 又は計算の  否認 )若しくは第百三十二条の三(  連結法人 に係る行為又は  計算 の否認)、  相続税法第六十四条 (同族会社等の  行為 又は計算の  否認等 )又は地価税法 (  平成三年法律第六十九号 )第三十二条 (  同族会社等 の行為又は  計算 の否認等)の  規定 により課された国税 これらの  規定 により否認された  納税者 の行為(  否認 された計算の  基礎 となつた行為を含む。)につき  利益 を受けたものとされる者

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第三十七条 (共同的な事業者の第二次納税義務)

   次 の各号に掲げる者が  納税者 の事業の  遂行 に欠くことができない重要な  財産 を有し、かつ、当該財産に関して生ずる  所得 が納税者の  所得 となつている場合において、その  納税者 がその供されている事業に係る  国税 を滞納し、その  国税 につき滞納処分を  執行 してもなおその徴収すべき額に  不足 すると認められるときは、当該各号に掲げる者は、  当該財産 (取得財産を含む。)を  限度 として、その滞納に係る  国税 の第二次納税義務を負う。

    納税者 が個人である  場合  その者と生計を一にする  配偶者 その他の親族でその  納税者 の経営する  事業 から所得を受けているもの

    納税者 がその事実のあつた時の  現況 において同族会社である  場合  その判定の  基礎 となつた株主又は社員

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第三十八条 (事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)

   納税者 がその親族その  他納税者 と特殊な  関係 のある個人又は  同族会社 (これに類する法人を含む。)で  政令 で定めるもの(以下「  親族 その他の特殊関係者」という。)に  事業 を譲渡し、かつ、その  譲受人 が同一とみられる  場所 において同一又は  類似 の事業を営んでいる  場合 において、その納税者が  当該事業 に係る国税を  滞納 し、その国税につき  滞納処分 を執行してもなおその  徴収 すべき額に不足すると認められるときは、その  譲受人 は、譲受財産(  取得財産 を含む。)を限度として、その  滞納 に係る国税の  第二次納税義務 を負う。ただし、その譲渡が  滞納 に係る国税の  法定納期限 より一年以上前にされている  場合 は、この限りでない。

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第三十九条 (無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)

   滞納者 の国税につき  滞納処分 を執行してもなおその  徴収 すべき額に不足すると認められる  場合 において、その不足すると認められることが、  当該国税 の法定納期限の  一年前 の日以後に、  滞納者 がその財産につき行つた  政令 で定める無償又は著しく低い額の  対価 による譲渡(  担保 の目的でする  譲渡 を除く。)、債務の  免除 その他第三者に  利益 を与える処分に  基因 すると認められるときは、これらの処分により  権利 を取得し、又は  義務 を免かれた者は、これらの処分により受けた  利益 が現に存する限度(これらの者がその  処分 の時にその滞納者の  親族 その他の特殊関係者であるときは、これらの  処分 により受けた利益の  限度 )において、その滞納に係る  国税 の第二次納税義務を負う。

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第四十条  削除

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第四十一条 (人格のない社団等に係る第二次納税義務)

   人格 のない社団等が  国税 を滞納した  場合 において、これに属する財産(  第三者 が名義人となつているため、その者に  法律上帰属 するとみられる財産を除く。)につき  滞納処分 を執行してもなおその  徴収 すべき額に不足すると認められるときは、その  第三者 は、その法律上帰属するとみられる  財産 を限度として、その  滞納 に係る国税の  第二次納税義務 を負う。

    滞納者 である人格のない  社団等 の財産の  払戻 又は分配をした  場合 (第三十四条(  清算人等 の第二次納税義務)の  規定 の適用がある  場合 を除く。)において、当該社団等(  前項 に規定する  第三者 を含む。)につき滞納処分を  執行 してもなお徴収すべき額に  不足 すると認められるときは、当該払戻又は  分配 を受けた者は、その受けた財産の  価額 を限度として、その  滞納 に係る国税の  第二次納税義務 を負う。ただし、その払戻又は  分配 が滞納に係る  国税 の法定納期限より  一年以上前 にされている場合は、この限りでない。

   第四章 削除

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第四十二条  削除

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第四十三条  削除

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第四十四条  削除

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第四十五条  削除

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第四十六条  削除

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   第五章 滞納処分

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    第一節 財産の差押

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     第一款 通則

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第四十七条 (差押の要件)

   次 の各号の一に  該当 するときは、徴収職員は、  滞納者 の国税につきその  財産 を差し押えなければならない。

    滞納者 が督促を受け、その  督促 に係る国税をその  督促状 を発した日から起算して  十日 を経過した日までに  完納 しないとき。

    納税者 が国税通則法第三十七条第一項 各号(  督促 )に掲げる国税をその  納期限 (繰上請求がされた  国税 については、当該請求に係る  期限 )までに完納しないとき。

    国税 の納期限後前項第一号に  規定 する十日を  経過 した日までに、督促を受けた  滞納者 につき国税通則法第三十八条第一項 各号(  繰上請求 )の一に該当する  事実 が生じたときは、徴収職員は、直ちにその  財産 を差し押えることができる。

    第二次納税義務者 又は保証人について  第一項 の規定を  適用 する場合には、  同項中 「督促状」とあるのは、「  納付催告書 」とする。

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第四十八条 (超過差押及び無益な差押の禁止)

   国税 を徴収するために  必要 な財産以外の  財産 は、差し押えることができない。

    差 し押えることができる財産の  価額 がその差押に係る  滞納処分費 及び徴収すべき  国税 に先だつ他の国税、  地方税 その他の債権の  金額 の合計額をこえる  見込 がないときは、その財産は、差し押えることができない。

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第四十九条 (差押財産の選択に当つての第三者の権利の尊重)

   徴収職員 は、滞納者(  譲渡担保権者 を含む。第七十五条、  第七十六条 及び第七十八条(  差押禁止財産 )を除き、以下同じ。)の  財産 を差し押えるに当つては、滞納処分の  執行 に支障がない限り、その  財産 につき第三者が有する  権利 を害さないように努めなければならない。

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第五十条 (第三者の権利の目的となつている財産の差押換)

   質権 、抵当権、  先取特権 (第十九条第一項各号(  不動産保存 の先取特権等)又は  第二十条第一項各号 (不動産賃貸の  先取特権等 )に掲げる先取特権に限る。この項を除き、  以下同 じ。)、留置権、  賃借権 その他第三者の  権利 (これらの先取特権以外の  先取特権 を除く。以下同じ。)の  目的 となつている財産が差し押えられた  場合 には、その第三者は、  税務署長 に対し、滞納者が他に  換価 の容易な  財産 で他の第三者の  権利 の目的となつていないものを有し、かつ、その  財産 によりその滞納者の  国税 の全額を  徴収 することができることを理由として、その  財産 の公売公告の日(  随意契約 による売却をする  場合 には、その売却の日)までに、その  差押換 を請求することができる。

    税務署長 は、前項の  請求 があつた場合において、その  請求 を相当と認めるときは、その  差押換 をしなければならないものとし、その請求を  相当 と認めないときは、その旨をその第三者に  通知 しなければならない。

    前項 の通知があつた  場合 において、その通知を受けた  第三者 が、その通知を受けた日から  起算 して七日を  経過 した日までに、第一項の  規定 により差し押えるべきことを請求した  財産 の換価をすべきことを申し立てたときは、その  財産 が換価の著しく  困難 なものであり、又は他の第三者の  権利 の目的となつているものであるときを除き、これを差し押え、かつ、  換価 に付した後でなければ、同項に  規定 する第三者の  権利 の目的となつている  財産 を換価することができない。

    税務署長 は、前項の  場合 において、同項の  申立 があつた日から二月以内にその  申立 に係る財産を差し押え、かつ、  換価 に付さないときは、第一項に  規定 する第三者の  権利 の目的となつている  財産 の差押を  解除 しなければならない。ただし、国税に関する  法律 の規定で  換価 をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。

    第二項 又は前項の  差押 は、国税に関する  法律 の規定で新たに  滞納処分 の執行をすることができないこととするものにかかわらず、することができる。

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第五十一条 (相続があつた場合の差押)

   徴収職員 は、被相続人の  国税 につきその相続人の  財産 を差し押える場合には、  滞納処分 の執行に  支障 がない限り、まず相続財産を差し押えるように努めなければならない。

    被相続人 の国税につき  相続人 の固有財産が差し押えられた  場合 には、その相続人は、  税務署長 に対し、他に換価が  容易 な相続財産で  第三者 の権利の  目的 となつていないものを有しており、かつ、その財産により  当該国税 の全額を  徴収 することができることを理由として、その  差押換 を請求することができる。

    税務署長 は、前項の  請求 があつた場合において、その  請求 を相当と認めるときは、その  差押換 をしなければならないものとし、その請求を  相当 と認めないときは、その旨を当該相続人に  通知 しなければならない。この場合においては、  前条第五項 の規定を  準用 する。

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第五十二条 (果実に対する差押の効力)

   差押 の効力は、差し押えた  財産 (以下「  差押財産 」という。)から生ずる天然果実に及ぶ。ただし、  滞納者 又は第三者が  差押財産 の使用又は  収益 をすることができる場合には、その  財産 から生ずる天然果実(その  財産 の換価による  権利 の移転の時までに  収取 されない天然果実を除く。)については、この限りでない。

    差押 の効力は、  差押財産 から生ずる法定果実に及ばない。ただし、  債権 を差し押えた場合における  差押後 の利息については、この限りでない。

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第五十二条の二 (担保のための仮登記がある財産に対する差押えの効力)

   仮登記担保契約 に関する法律第十五条 (  強制競売等 の場合の  担保仮登記 )(同法第二十条 (  土地等 の所有権以外の  権利 を目的とする  契約 への準用)において  準用 する場合を含む。)の  規定 は、担保のための  仮登記 がある財産が差し押さえられた  場合 について準用する。この  場合 において、同法第十五条 中「その  決定 」とあるのは「その差押え」と、「  申立 てに基づく」とあるのは「ものである」と読み替えるものとする。

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第五十三条 (保険に附されている財産に対する差押の効力)

   差押財産 が損害保険に附され、又は  中小企業等協同組合法 (昭和二十四年法律第百八十一号)  第九条 の七の二第一項第一号 (  火災共済協同組合 の火災共済事業)に  規定 する共済その  他法律 の規定による  共済 でこれに類するものの目的となつているときは、その  差押 の効力は、  保険金 又は共済金の  支払 を受ける権利に及ぶ。ただし、  財産 を差し押えた旨を保険者又は  共済事業者 に通知しなければ、その  差押 をもつてこれらの者に対抗することができない。

    徴収職員 が差押に係る  前項 の保険金又は  共済金 の支払を受けた  場合 において、その財産がその  保険 又は共済に係る  事故 が生じた時に先取特権、  質権 又は抵当権の  目的 となつていたときは、その先取特権者、  質権者 又は抵当権者は、  民法第三百四条第一項 ただし書(先取特権の  物上代位 )その他これらの権利の  行使 のためその保険金又は  共済金 の支払を受ける  権利 をその支払前に差し押えることを  必要 とする規定の  適用 については、その支払前にその  差押 をしたものとみなす。

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第五十四条 (差押調書)

   徴収職員 は、滞納者の  財産 を差し押さえたときは、差押調書を  作成 し、その財産が次に掲げる  財産 であるときは、その謄本を  滞納者 に交付しなければならない。

    動産 (第七十条(  船舶 又は航空機の  差押 え)又は第七十一条(  自動車 、建設機械又は  小型船舶 の差押え)の  規定 の適用を受ける  財産 及び無記名債権を除く。  以下同 じ。)又は有価証券

    債権 (電話加入権、  賃借権 その他取り立てることができない  債権 を除く。以下この章において同じ。)

    第七十三条 (電話加入権等の  差押 え)の規定の  適用 を受ける財産

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第五十五条 (質権者等に対する差押えの通知)

   次 の各号に掲げる  財産 を差し押さえたときは、税務署長は、  当該各号 に掲げる者のうち知れている者に対し、その旨その他必要な  事項 を通知しなければならない。

    質権 、抵当権、  先取特権 、留置権、  賃借権 その他の第三者の  権利 (担保のための  仮登記 に係る権利を除く。)の  目的 となつている財産 これらの  権利 を有する者

    仮登記 がある財産 仮登記の権利者

    仮差押 え又は仮処分がされている  財産 仮差押 え又は仮処分をした  保全執行裁判所 又は執行官