第二款 動産又は有価証券の差押 -------------------------------------------------

第五十六条 (差押の手続及び効力発生時期等)

   動産 又は有価証券の  差押 は、徴収職員がその  財産 を占有して行う。

    前項 の差押の  効力 は、徴収職員がその  財産 を占有した時に生ずる。

    徴収職員 が金銭を差し押えたときは、その  限度 において、滞納者から  差押 に係る国税を  徴収 したものとみなす。

-------------------------------------------------

第五十七条 (有価証券に係る債権の取立)

   有価証券 を差し押えたときは、徴収職員は、その  有価証券 に係る金銭債権の  取立 をすることができる。

    徴収職員 が前項の  規定 により金銭を取り立てたときは、その  限度 において、滞納者から  差押 に係る国税を  徴収 したものとみなす。

-------------------------------------------------

第五十八条 (第三者が占有する動産等の差押手続)

   滞納者 の動産又は  有価証券 でその親族その他の  特殊関係者以外 の第三者が  占有 しているものは、その第三者が  引渡 を拒むときは、差し押えることができない。

    前項 の動産又は  有価証券 がある場合において、  同項 の第三者がその  引渡 を拒むときは、滞納者が他に  換価 が容易であり、かつ、その  滞納 に係る国税の  全額 を徴収することができる  財産 を有しないと認められるときに限り、税務署長は、  同項 の第三者に対し、  期限 を指定して、  当該動産 又は有価証券を  徴収職員 に引き渡すべきことを書面により命ずることができる。この  場合 において、その命令をした  税務署長 は、その旨を滞納者に  通知 しなければならない。

    前項 の命令に係る  動産 若しくは有価証券が  徴収職員 に引き渡されたとき、又は同項の  命令 を受けた第三者が  指定 された期限までに  徴収職員 にその引渡をしないときは、  徴収職員 は、第一項の  規定 にかかわらず、その動産又は  有価証券 を差し押えることができる。

-------------------------------------------------

第五十九条 (引渡命令を受けた第三者等の権利の保護)

   前条第二項 の規定により  動産 の引渡を命ぜられた  第三者 が、滞納者との  契約 による賃借権、  使用貸借権 その他動産の  使用 又は収益をする  権利 に基きその命令に係る  動産 を占有している  場合 において、その引渡をすることにより  占有 の目的を達することができなくなるときは、その  第三者 は、その占有の  基礎 となつている契約を  解除 することができる。この場合において、その  第三者 は、当該契約の  解除 により滞納者に対して  取得 する損害賠償請求権については、その  動産 の売却代金の  残余 のうちから配当を受けることができる。

    徴収職員 は、前条第二項の  規定 により動産の  引渡 を命ぜられた第三者の  請求 がある場合には、その  第三者 が前項前段の  規定 により契約を  解除 したときを除き、その動産の  占有 の基礎となつている  契約 の期間内(その  期限 がその動産を差し押えた日から  三月 を経過した日より遅いときは、その日まで)は、その  第三者 にその使用又は  収益 をさせなければならない。

    前条第二項 の規定により  動産 の引渡を命ぜられた  第三者 が賃貸借契約に基きこれを  占有 している場合において、  第一項前段 の規定によりその  契約 を解除し、かつ、  前条第二項 の命令があつた  時前 にその後の期間分の  借賃 を支払つているときは、その  第三者 は、税務署長に対し、その  動産 の売却代金のうちから、その  借賃 に相当する  金額 で同条第三項の  規定 による差押の  日後 の期間に係るもの(その  金額 が三月分に  相当 する金額をこえるときは、  当該金額 )の配当を  請求 することができる。この場合において、その  請求 があつた金額は、  第八条 (国税優先の  原則 )の規定にかかわらず、その  滞納処分 に係る滞納処分費に次ぎ、かつ、その  動産上 の留置権により  担保 されていた債権に次ぐものとして、  配当 することができる。

    前三項 の規定は、  前条第一項 に規定する  動産 の引渡を拒まなかつた  同項 に規定する  第三者 について準用する。

-------------------------------------------------

第六十条 (差し押えた動産等の保管)

   徴収職員 は、必要があると認めるときは、差し押えた  動産 又は有価証券を  滞納者 又はその財産を  占有 する第三者に  保管 させることができる。ただし、その第三者に  保管 させる場合には、その  運搬 が困難であるときを除き、その者の  同意 を受けなければならない。

    前項 の規定により  滞納者 又は第三者に  保管 させたときは、第五十六条第二項(  動産等 の差押の  効力発生時期 )の規定にかかわらず、  封印 、公示書その  他差押 を明白にする  方法 により差し押えた旨を表示した時に、  差押 の効力が生ずる。

-------------------------------------------------

第六十一条 (差し押えた動産の使用収益)

   徴収職員 は、前条第一項の  規定 により滞納者に差し押えた  動産 を保管させる  場合 において、国税の  徴収上支障 がないと認めるときは、その使用又は  収益 を許可することができる。

    前項 の規定は、差し押えた  動産 につき使用又は  収益 をする権利を有する  第三者 にその動産を  保管 させる場合について  準用 する。

     第三款 債権の差押

-------------------------------------------------

第六十二条 (差押えの手続及び効力発生時期)

   債権 (社債等の  振替 に関する法律 (  平成十三年法律第七十五号 )第二条第一項 (  定義 )に規定する  社債等 のうちその権利の  帰属 が振替口座簿の  記載 又は記録により定まるものとされるもの(  次条 において「振替社債等」という。)を除く。  以下 この条において同じ。)の差押えは、  第三債務者 に対する債権差押通知書の  送達 により行う。

    徴収職員 は、債権を差し押えるときは、  債務者 に対しその履行を、  滞納者 に対し債権の  取立 その他の処分を禁じなければならない。

    第一項 の差押の  効力 は、債権差押通知書が  第三債務者 に送達された時に生ずる。

    税務署長 は、債権でその  移転 につき登録を要するものを差し押えたときは、  差押 の登録を  関係機関 に嘱託しなければならない。

-------------------------------------------------

第六十二条の二 (振替社債等の差押えの手続及び効力発生時期)

   振替社債等 の差押えは、  第三債務者 及び滞納者がその  口座 の開設を受けている  振替機関等 (社債等の  振替 に関する法律第二条第五項 (  定義 )に規定する  振替機関等 をいう。以下この条において同じ。)に対する  債権差押通知書 の送達により行う。

    徴収職員 は、振替社債等を差し押さえるときは、  第三債務者 に対しその履行を、  振替機関等 に対し振替社債等の  振替 又は抹消を、  滞納者 に対し振替社債等の  取立 てその他の処分又は  振替 若しくは抹消の  申請 を禁じなければならない。

    第一項 の差押えの  効力 は、債権差押通知書が  振替機関等 に送達された時に生ずる。

-------------------------------------------------

第六十三条 (差し押える債権の範囲)

   徴収職員 は、債権を差し押えるときは、その  全額 を差し押えなければならない。ただし、その全額を差し押える  必要 がないと認めるときは、その一部を差し押えることができる。

-------------------------------------------------

第六十四条 (抵当権等により担保される債権の差押)

   抵当権 又は登記することができる  質権 若しくは先取特権によつて  担保 される債権を差し押えたときは、  税務署長 は、その債権の  差押 の登記を  関係機関 に嘱託することができる。この  場合 において、その嘱託をした  税務署長 は、その抵当権若しくは  質権 が設定されている  財産 又は先取特権がある  財産 の権利者(  第三債務者 を除く。)に差し押えた旨を通知しなければならない。

-------------------------------------------------

第六十五条 (債権証書の取上げ)

   徴収職員 は、債権の  差押 のため必要があるときは、その  債権 に関する証書を取り上げることができる。この  場合 においては、第五十六条第一項(  動産等 の差押手続)及び  第五十八条 (第三者が  占有 する動産等の  差押手続 )の規定を  準用 する。

-------------------------------------------------

第六十六条 (継続的な収入に対する差押の効力)

   給料 若しくは年金又はこれらに類する  継続収入 の債権の  差押 の効力は、  徴収 すべき国税の額を  限度 として、差押後に  収入 すべき金額に及ぶ。

-------------------------------------------------

第六十七条 (差し押えた債権の取立)

   徴収職員 は、差し押えた債権の  取立 をすることができる。

    徴収職員 は、前項の  規定 により取り立てたものが金銭以外のものであるときは、これを差し押えなければならない。

    徴収職員 が第一項の  規定 により金銭を取り立てたときは、その  限度 において、滞納者から  差押 に係る国税を  徴収 したものとみなす。

    国税通則法第五十五条第一項 から第三項 まで(  納付委託 )の規定は、  第一項 の取立をする  場合 において、第三債務者が  徴収職員 に対し、その債権の  弁済 の委託をしようとするときに  準用 する。ただし、その証券の取り立てるべき  期限 が差し押えた債権の  弁済期後 となるときは、第三債務者は、  滞納者 の承認を受けなければならない。

     第四款 不動産等の差押

-------------------------------------------------

第六十八条 (不動産の差押の手続及び効力発生時期)

   不動産 (地上権その  他不動産 を目的とする  物権 (所有権を除く。)、  工場財団 、鉱業権その  他不動産 とみなされ、又は不動産に関する  規定 の準用がある  財産並 びに鉄道財団、  軌道財団 及び運河財団を含む。  以下同 じ。)の差押は、  滞納者 に対する差押書の  送達 により行う。

    前項 の差押の  効力 は、その差押書が  滞納者 に送達された時に生ずる。

    税務署長 は、不動産を差し押えたときは、  差押 の登記を  関係機関 に嘱託しなければならない。

    前項 の差押の  登記 が差押書の  送達前 にされた場合には、  第二項 の規定にかかわらず、その  差押 の登記がされた時に  差押 の効力が生ずる。

    鉱業権 の差押の  効力 は、第二項及び  前項 の規定にかかわらず、  差押 の登録がされた時に生ずる。

-------------------------------------------------

第六十九条 (差押不動産の使用収益)

   滞納者 は、差し押えられた不動産につき、  通常 の用法に従い、  使用 又は収益をすることができる。ただし、  税務署長 は、不動産の  価値 が著しく減耗する  行為 がされると認められるときに限り、その使用又は  収益 を制限することができる。

    前項 の規定は、差し押えられた  不動産 につき使用又は  収益 をする権利を有する  第三者 について準用する。

-------------------------------------------------

第七十条 (船舶又は航空機の差押)

   登記 される船舶(  以下 「船舶」という。)又は  航空法 (昭和二十七年法律第二百三十一号)の  規定 により登録を受けた  飛行機 若しくは回転翼航空機(  以下 「航空機」という。)の  差押 については、第六十八条第一項から  第四項 まで(不動産の  差押 の手続及び  効力発生時期 )の規定を  準用 する。

    税務署長 は、滞納処分のため  必要 があるときは、船舶又は  航空機 を一時停泊させることができる。ただし、  発航 の準備が終つた  船舶 又は航空機については、この限りでない。

    徴収職員 は、滞納処分のため  必要 があるときは、船舶又は  航空機 の監守及び  保存 のため必要な  処分 をすることができる。

    前項 の処分が  差押書 の送達前にされた  場合 には、第一項において  準用 する第六十八条第二項の  規定 にかかわらず、その処分をした時に  差押 の効力が生ずる。

    税務署長 は、停泊中の  船舶 若しくは航空機を差し押えた  場合 又は第二項の  規定 により船舶若しくは  航空機 を停泊させた  場合 において、営業上の  必要 その他相当の  理由 があるときは、滞納者並びにこれらにつき  交付要求 をした者及び抵当権その他の  権利 を有する者の申立により、  航行 を許可することができる。

-------------------------------------------------

第七十一条  道路運送車両法 第七十一条 (自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)

  昭和二十六年法律第百八十五号 )の規定により  登録 を受けた自動車(  以下 「自動車」という。)、  建設機械抵当法 (昭和二十九年法律第九十七号)の  規定 により登記を受けた  建設機械 (以下「  建設機械 」という。)又は小型船舶の  登録等 に関する法律 (  平成十三年法律第百二号 )の規定により  登録 を受けた小型船舶(  以下 「小型船舶」という。)の  差押 えについては、第六十八条第一項から  第四項 まで(不動産の  差押 えの手続及び  効力発生時期 )の規定を  準用 する。

    前条第三項 及び第四項の  規定 は、自動車、  建設機械 又は小型船舶の  差押 えについて準用する。

    税務署長 は、自動車、  建設機械 又は小型船舶を差し押さえた  場合 には、滞納者に対し、これらの  引渡 しを命じ、徴収職員にこれらの  占有 をさせることができる。

    第五十六条第一項 (動産等の  差押手続 )、第五十八条(  第三者 が占有する  動産等 の差押手続)及び  第五十九条 (引渡命令を受けた  第三者等 の権利の  保護 )の規定は、  前項 の規定により  徴収職員 に自動車、  建設機械 又は小型船舶を  占有 させる場合について  準用 する。

    徴収職員 は、第三項の  規定 により占有する  自動車 、建設機械又は  小型船舶 を滞納者又はこれらを  占有 する第三者に  保管 させることができる。この場合においては、  封印 その他の公示方法によりその  自動車 、建設機械又は  小型船舶 が徴収職員の  占有 に係る旨を明らかにしなければならないものとし、また、次項の  規定 により自動車の  運行 、建設機械の  使用 又は小型船舶の  航行 を許可する  場合 を除き、これらの運行、  使用 又は航行をさせないための  適当 な措置を講じなければならない。

    徴収職員 は、第三項又は  前項 の規定により  占有 し、又は保管させた  自動車 、建設機械又は  小型船舶 につき営業上の  必要 その他相当の  理由 があるときは、滞納者並びにこれらにつき  交付要求 をした者及び抵当権その他の  権利 を有する者の申立てにより、その  運行 、使用又は  航行 を許可することができる。

     第五款 無体財産権等の差押

-------------------------------------------------

第七十二条 (特許権等の差押の手続及び効力発生時期)

   前三款 の規定の  適用 を受けない財産(  以下 「無体財産権等」という。)のうち  特許権 、著作権その  他第三債務者 又はこれに準ずる者(以下「  第三債務者等 」という。)がない財産の  差押 は、滞納者に対する  差押書 の送達により行う。

    前項 の差押の  効力 は、その差押書が  滞納者 に送達された時に生ずる。

    税務署長 は、無体財産権等でその  権利 の移転につき  登記 を要するものを差し押えたときは、差押の  登記 を関係機関に  嘱託 しなければならない。

    前項 の差押の  登記 が差押書の  送達前 にされた場合には、  第二項 の規定にかかわらず、その  差押 の登記がされた時に  差押 の効力が生ずる。

    特許権 、実用新案権その他の  権利 でその処分の  制限 につき登記をしなければ  効力 が生じないものとされているものの差押えの  効力 は、第二項及び  前項 の規定にかかわらず、  差押 えの登記がされた時に生ずる。

-------------------------------------------------

第七十三条 (電話加入権等の差押の手続及び効力発生時期)

   無体財産権等 のうち電話加入権、  合名会社 の社員の  持分 その他第三債務者等がある  財産 の差押は、  第三債務者等 に対する差押通知書の  送達 により行う。

    前項 の差押の  効力 は、その差押通知書が  第三債務者等 に送達された時に生ずる。

    前条第三項 及び第四項の  規定 は、第一項に  規定 する財産でその  権利 の移転につき  登記 を要するもの(次項に  規定 するものを除く。)の差押について  準用 する。この場合において、  同条第四項中 「差押書」とあるのは、「  差押通知書 」と読み替えるものとする。

    前条第五項 の規定は、  特許権 についての専用実施権その他の  権利 でその処分の  制限 につき登記をしなければ  効力 が生じないものとされているものの差押えについて  準用 する。

    第六十五条 (債権証書の  取上 げ)及び第六十七条(差し押えた  債権 の取立)の  規定 は、第一項に  規定 する財産について  準用 する。

-------------------------------------------------

第七十四条 (差し押さえた持分の払戻しの請求)

   税務署長 は、中小企業等協同組合法 に基づく  企業組合 、信用金庫その他の  法人 で組合員、  会員 その他の持分を有する  構成員 が任意に(  脱退 につき予告その  他一定 の手続を要する  場合 には、これをした後任意に)  脱退 することができるもの(合名会社、  合資会社 及び合同会社を除く。  以下 この条において「組合等」という。)の  組合員 、会員その他の  構成員 である滞納者の  持分 を差し押さえた場合において、  当該持分 につき次に掲げる理由があり、かつ、その  持分以外 の財産につき  滞納処分 を執行してもなお  徴収 すべき国税に  不足 すると認められるときは、その組合等に対し、その  持分 の一部の  払戻 し(組合等による  譲受 けが認められている持分については、  譲受 け)を請求することができる。

     その持分を  再度換価 に付してもなお買受人がないこと。

     その持分の  譲渡 につき法律又は  定款 に制限があるため、  譲渡 することができないこと。

    前項 に規定する  請求 は、三十日(  組合等 からの脱退につき、  法律 又は定款の定めにより、これと異なる  一定期間前 に組合等に  予告 することを必要とするものにあつては、その  期間 )前に組合等にその  予告 をした後でなければ、行うことができない。

     第六款 差押禁止財産

-------------------------------------------------

第七十五条 (一般の差押禁止財産)

   次 に掲げる財産は、差し押えることができない。

    滞納者 及びその者と生計を一にする  配偶者 (届出をしていないが、  事実上婚姻関係 にある者を含む。)その他の親族(  以下 「生計を一にする  親族 」という。)の生活に欠くことができない  衣服 、寝具、  家具 、台所用具、畳及び建具

    滞納者 及びその者と生計を一にする  親族 の生活に  必要 な三月間の  食料 及び燃料

    主 として自己の  労力 により農業を営む者の  農業 に欠くことができない器具、  肥料 、労役の用に供する  家畜 及びその飼料並びに次の  収穫 まで農業を  続行 するために欠くことができない種子その他これに類する農産物

    主 として自己の  労力 により漁業を営む者の  水産物 の採捕又は  養殖 に欠くことができない漁網その他の  漁具 、えさ及び稚魚その他これに類する水産物

    技術者 、職人、  労務者 その他の主として自己の  知的 又は肉体的な  労働 により職業又は  営業 に従事する者(  前二号 に規定する者を除く。)のその  業務 に欠くことができない器具その他の物(  商品 を除く。)

    実印 その他の印で職業又は  生活 に欠くことができないもの

    仏像 、位牌その  他礼拝 又は祭祀に  直接供 するため欠くことができない物

    滞納者 に必要な  系譜 、日記及びこれに類する書類

    滞納者 又はその親族が受けた  勲章 その他名誉の章票

    滞納者 又はその者と生計を一にする  親族 の学習に  必要 な書籍及び器具

十一    発明 又は著作に係るもので、まだ  公表 していないもの

十二    滞納者 又はその者と生計を一にする  親族 に必要な  義手 、義足その他の  身体 の補足に供する物

十三    建物 その他の工作物について、  災害 の防止又は  保安 のため法令の  規定 により設備しなければならない  消防用 の機械又は  器具 、避難器具その他の備品

    前項第一号 (畳及び建具に係る  部分 に限る。)及び第十三号の  規定 は、これらの規定に  規定 する財産をその  建物 その他の工作物とともに差し押えるときは、  適用 しない。

-------------------------------------------------

第七十六条 (給与の差押禁止)

   給料 、賃金、  俸給 、歳費、  退職年金 及びこれらの性質を有する  給与 に係る債権(  以下 「給料等」という。)については、次に掲げる  金額 の合計額に達するまでの  部分 の金額は、差し押えることができない。この  場合 において、滞納者が  同一 の期間につき  二以上 の給料等の  支払 を受けるときは、その合計額につき、  第四号 又は第五号に掲げる  金額 に係る限度を  計算 するものとする。

    所得税法第百八十三条 (給与所得に係る  源泉徴収義務 )、第百九十条(  年末調整 )、第百九十二条(  年末調整 に係る不足額の  徴収 )又は第二百十二条(  非居住者等 の所得に係る  源泉徴収義務 )の規定によりその  給料等 につき徴収される  所得税 に相当する金額

    地方税法第三百二十一条 の三 (  個人 の市町村民税の  特別徴収 )その他の規定によりその  給料等 につき特別徴収の  方法 によつて徴収される  道府県民税 及び市町村民税に  相当 する金額

    健康保険法 (大正十一年法律第七十号)  第百六十七条第一項 (報酬からの  保険料 の控除)その他の  法令 の規定によりその  給料等 から控除される  社会保険料 (所得税法第七十四条第二項 (  社会保険料控除 )に規定する  社会保険料 をいう。)に相当する金額

    滞納者 (その者と生計を一にする  親族 を含む。)に対し、これらの者が所得を有しないものとして、  生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)  第十二条 (生活扶助)に  規定 する生活扶助の  給付 を行うこととした場合におけるその  扶助 の基準となる  金額 で給料等の  支給 の基礎となつた  期間 に応ずるものを勘案して  政令 で定める金額

     その給料等の  金額 から前各号に掲げる  金額 の合計額を  控除 した金額の  百分 の二十に  相当 する金額(その  金額 が前号に掲げる  金額 の二倍に  相当 する金額をこえるときは、  当該金額

    給料等 に基き支払を受けた  金銭 は、前項第四号及び  第五号 に掲げる金額の  合計額 に、その給料等の  支給 の基礎となつた  期間 の日数のうちに  差押 の日から次の支払日までの  日数 の占める割合を乗じて  計算 した金額を  限度 として、差し押えることができない。

    賞与 及びその性質を有する  給与 に係る債権については、その  支払 を受けるべき時における給料等とみなして、  第一項 の規定を  適用 する。この場合において、  同項第四号 又は第五号に掲げる  金額 に係る限度の  計算 については、その支給の  基礎 となつた期間が  一月 であるものとみなす。

    退職手当 及びその性質を有する  給与 に係る債権(  以下 「退職手当等」という。)については、次に掲げる  金額 の合計額に達するまでの  部分 の金額は、差し押えることができない。

    所得税法第百九十九条 (退職所得に係る  源泉徴収義務 )又は第二百十二条 の  規定 によりその退職手当等につき  徴収 される所得税に  相当 する金額

    第一項第二号 及び第三号中「  給料等 」とあるのを「退職手当等」として、これらの  規定 を適用して  算定 した金額

    第一項第四号 に掲げる金額で  同号 に規定する  期間 を一月として  算定 したものの三倍に  相当 する金額

    退職手当等 の支給の  基礎 となつた期間が  五年 をこえる場合には、そのこえる  年数一年 につき前号に掲げる  金額 の百分の  二十 に相当する金額

    第一項 、第二項及び  前項 の規定は、  滞納者 の承諾があるときは  適用 しない。

-------------------------------------------------

第七十七条 (社会保険制度に基づく給付の差押禁止)

   社会保険制度 に基づき支給される  退職年金 、老齢年金、  普通恩給 、休業手当金及びこれらの  性質 を有する給付(  確定給付企業年金法 (平成十三年法律第五十号)  第三十八条第一項 (老齢給付金の  支給方法 )の規定に基づいて  支給 される年金、  確定拠出年金法 (平成十三年法律第八十八号)  第三十五条第一項 (老齢給付金の  支給方法 )(同法第七十三条 (  企業型年金 に係る規定の  準用 )において準用する  場合 を含む。)の規定に基づいて  支給 される年金その  他政令 で定める退職年金を含む。)に係る  債権 は給料等と、  退職一時金 、一時恩給及びこれらの  性質 を有する給付(  確定給付企業年金法第三十八条第二項 の規定に基づいて  支給 される一時金及び  同法第四十二条 (脱退一時金の  支給方法 )の規定に基づいて  支給 される脱退一時金、確定拠出年金法第三十五条

    前項 に規定する  社会保険制度 とは、次に掲げる法律に基づく  保険 、共済又は  恩給 に関する制度その  他政令 で定めるこれらに類する制度をいう。

    厚生年金保険法 (昭和二十九年法律第百十五号)

    船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)

    国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)

    恩給法 (大正十二年法律第四十八号)(他の  法律 において準用する  場合 を含む。)

    国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号)

    地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)

    私立学校教職員共済法 (昭和二十八年法律第二百四十五号)

-------------------------------------------------

第七十八条 (条件付差押禁止財産)

   次 に掲げる財産(  第七十五条第一項第三号 から第五号まで(  農業等 に欠くことができない財産)に掲げる  財産 を除く。)は、滞納者がその  国税 の全額を  徴収 することができる財産で、  換価 が困難でなく、かつ、  第三者 の権利の  目的 となつていないものを提供したときは、その  選択 により、差押をしないものとする。

    農業 に必要な  機械 、器具、  家畜類 、飼料、  種子 その他の農産物、  肥料 、農地及び採草放牧地

    漁業 に必要な  漁網 その他の漁具、えさ、  稚魚 その他の水産物及び漁船

    職業 又は事業(  前二号 に規定する  事業 を除く。)の継続に  必要 な機械、  器具 その他の備品及び  原材料 その他たな卸をすべき資産

     第七款 差押の解除

-------------------------------------------------

第七十九条 (差押の解除の要件)

   徴収職員 は、次の各号の一に  該当 するときは、差押を  解除 しなければならない。

    納付 、充当、  更正 の取消その他の  理由 により差押に係る  国税 の全額が  消滅 したとき。

    差押財産 の価額がその  差押 に係る滞納処分費及び  差押 に係る国税に先だつ他の  国税 、地方税その他の  債権 の合計額をこえる  見込 がなくなつたとき。

    徴収職員 は、次の各号の一に  該当 するときは、差押財産の  全部 又は一部について、その  差押 を解除することができる。

    差押 に係る国税の  一部 の納付、  充当 、更正の  一部 の取消、  差押財産 の値上りその他の  理由 により、その価額が  差押 に係る国税及びこれに先だつ他の  国税 、地方税その他の  債権 の合計額を著しく  超過 すると認められるに至つたとき。

    滞納者 が他に差し押えることができる適当な  財産 を提供した  場合 において、その財産を差し押えたとき。

-------------------------------------------------

第八十条 (差押えの解除の手続)

   差押 の解除は、その旨を  滞納者 に通知することによつて行う。ただし、  債権 及び第三債務者等のある  無体財産権等 の差押の  解除 は、その旨を第三債務者等に  通知 することによつて行う。

    徴収職員 は、次の各号に掲げる  財産 の差押を  解除 したときは、当該各号に掲げる  手続 をしなければならない。ただし、第一号に  規定 する除去は、  滞納者 又はその財産を  占有 する第三者に行わせることができる。

    動産 又は有価証券 その  引渡 及び封印、  公示書 その他差押を  明白 にするために用いた物の除去

    債権 又は第三債務者等がある  無体財産権等 滞納者 への通知

    税務署長 は、不動産その  他差押 の登記をした  財産 の差押を  解除 したときは、その登記のまつ消を  関係機関 に嘱託しなければならない。

    第二項第一号 の動産又は  有価証券 の引渡は、  滞納者 に対し、次の各号に掲げる  場合 の区分に応じ、  当該各号 に掲げる場所において行わなければならない。ただし、  差押 の時に滞納者以外の  第三者 が占有していたものについては、  滞納者 に対し引渡をすべき旨の  第三者 の申出がない限り、その  第三者 に引き渡さなければならない。

    前条第一項各号 又は同条第二項第一号の  規定 に該当する  場合 のうち、更正の  取消 その他国の責に帰すべき  理由 による場合差押の時に  存在 した場所

     その他の場合 差押を  解除 した時に存在する場所

    第二項第一号 及び前項の  規定 は、債権又は  自動車 、建設機械若しくは  小型船舶 の差押えを  解除 した場合において、  第六十五条 (債権証書の  取上 げ)(第七十三条第五項(  権利証書 の取上げ)の  規定 により準用する  場合 を含む。)の規定により取り上げた  証書 又は第七十一条第三項(差し押さえた  自動車等 の占有)の  規定 により徴収職員が  占有 した自動車、  建設機械 若しくは小型船舶があるときについて  準用 する。

-------------------------------------------------

第八十一条 (質権者等への差押解除の通知)

   税務署長 は、差押を  解除 した場合において、  第五十五条各号 (質権者等に対する  差押 の通知)に掲げる者のうち知れている者及び  交付要求 をしている者があるときは、これらの者にその旨その他必要な  事項 を通知しなければならない。

    第二節 交付要求

-------------------------------------------------

第八十二条 (交付要求の手続)

   滞納者 の財産につき  強制換価手続 が行われた場合には、  税務署長 は、執行機関(  破産法 (平成十六年法律第七十五号)  第百十四条第一号 (租税等の  請求権 の届出)に掲げる  請求権 に係る国税の  交付要求 を行う場合には、その  交付要求 に係る破産事件を取り扱う  裁判所 。第八十四条第二項(  交付要求 の解除)において同じ。)に対し、  滞納 に係る国税につき、  交付要求書 により交付要求をしなければならない。

    税務署長 は、交付要求をしたときは、その旨を  滞納者 に通知しなければならない。

    第五十五条 (質権者等に対する  差押 の通知)の  規定 は、交付要求をした  場合 について準用する。

-------------------------------------------------

第八十三条 (交付要求の制限)

   税務署長 は、滞納者が他に  換価 の容易な  財産 で第三者の  権利 の目的となつていないものを有しており、かつ、その  財産 によりその国税の  全額 を徴収することができると認められるときは、  交付要求 をしないものとする。

-------------------------------------------------

第八十四条 (交付要求の解除)

   税務署長 は、納付、  充当 、更正の  取消 その他の理由により  交付要求 に係る国税が  消滅 したときは、その交付要求を  解除 しなければならない。

    交付要求 の解除は、その旨をその  交付要求 に係る執行機関に  通知 することによつて行う。

    第五十五条 (質権者等に対する  差押 の通知)及び  第八十二条第二項 (交付要求の  通知 )の規定は、  交付要求 を解除した  場合 について準用する。

-------------------------------------------------

第八十五条 (交付要求の解除の請求)

   強制換価手続 により配当を受けることができる  債権者 は、交付要求があつたときは、  税務署長 に対し、次の各号のいずれにも  該当 することを理由として、その  交付要求 を解除すべきことを  請求 することができる。

     その交付要求により  自己 の債権の  全部 又は一部の  弁済 を受けることができないこと。

    滞納者 が他に換価の  容易 な財産で  第三者 の権利の  目的 となつていないものを有しており、かつ、その財産によりその  交付要求 に係る国税の  全額 を徴収することができること。

    税務署長 は、前項の  請求 があつた場合において、その  請求 を相当と認めるときは、  交付要求 を解除しなければならないものとし、その  請求 を相当と認めないときは、その旨をその  請求 をした者に通知しなければならない。

-------------------------------------------------

第八十六条 (参加差押えの手続)

   税務署長 は、第四十七条(  差押 えの要件)の  規定 により差押えをすることができる  場合 において、滞納者の  財産 で次に掲げるものにつき既に滞納処分による  差押 えがされているときは、当該財産についての  交付要求 は、第八十二条第一項(  交付要求 の手続)の  交付要求書 に代えて参加差押書を  滞納処分 をした行政機関等に  交付 してすることができる。

    動産 及び有価証券

    不動産 、船舶、  航空機 、自動車、  建設機械 及び小型船舶

三  電話加入権

    税務署長 は、前項の  交付要求 (以下「  参加差押 」という。)をしたときは、参加差押通知書により  滞納者 に通知しなければならない。この  場合 において、参加差押をした  財産 が電話加入権であるときは、あわせて  第三債務者 にその旨を通知しなければならない。

    税務署長 は、第一項第二号に掲げる  財産 につき参加差押をしたときは、  参加差押 の登記を  関係機関 に嘱託しなければならない。

    第五十五条 (質権者等に対する  差押 の通知)の  規定 は、参加差押をした  場合 について準用する。

-------------------------------------------------

第八十七条 (参加差押えの効力)

   参加差押 えをした場合において、その  参加差押 えに係る財産につきされていた  滞納処分 による差押えが  解除 されたときは、その参加差押え(  前条第一項第二号 に掲げる財産について  二以上 の参加差押えがあるときは、そのうち最も先に  登記 されたものとし、その他の財産について  二以上 の参加差押えがあるときは、そのうち最も先にされたものとする。)は、次の  各号 に掲げる財産の  区分 に応じ、当該各号に掲げる時にさかのぼつて  差押 えの効力を生ずる。

    動産 及び有価証券 参加差押書が  滞納処分 による差押えをした  行政機関等 に交付された時

    不動産 (次号に掲げる  財産 を除く。)、船舶、  航空機 、自動車、  建設機械 及び小型船舶 参加差押通知書が  滞納者 に送達された時(  参加差押 えの登記がその  送達前 にされた場合には、その  登記 がされた時)

    鉱業権 参加差押 えの登録がされた時

    電話加入権 参加差押通知書 が第三債務者に  送達 された時

    税務署長 は、差し押さえた動産又は  有価証券 につき参加差押書の  交付 を受けた場合において、その  動産 又は有価証券の  差押 えを解除すべきときは、その  動産 又は有価証券を  前項 の規定により  差押 えの効力を生ずべき  参加差押 えをした行政機関等に引き渡さなければならない。差し押さえた  自動車 、建設機械又は  小型船舶 で第七十一条第三項(差し押さえた  自動車等 の占有)の  規定 により徴収職員が  占有 しているものについても、また同様とする。

    参加差押 をした税務署長は、その  参加差押 に係る滞納処分による  差押財産 が相当期間内に  換価 に付されないときは、すみやかにその換価をすべきことをその  滞納処分 をした行政機関等に  催告 することができる。

-------------------------------------------------

第八十八条 (参加差押の制限、解除等)

   第八十三条 から第八十五条まで(  交付要求 の制限、  解除等 )の規定は、  参加差押 について準用する。

    税務署長 は、参加差押の  登記 をした財産の  参加差押 を解除したときは、その  登記 のまつ消を関係機関に  嘱託 しなければならない。

    税務署長 は、電話加入権の  参加差押 を解除したときは、その旨を  第三債務者 に通知しなければならない。

    前二条 及び前三項に定めるもののほか、  参加差押 に関する手続について  必要 な事項は、  政令 で定める。

    第三節 財産の換価

-------------------------------------------------

     第一款 通則

-------------------------------------------------

第八十九条 (換価する財産の範囲)

   差押財産 (金銭、  債権 及び第五十七条(  有価証券 に係る債権の  取立 )の規定により  債権 の取立をする  有価証券 を除く。以下この節において同じ。)は、この節の定めるところにより  換価 しなければならない。

    差 し押えた債権のうち、その  全部 又は一部の  弁済期限 が取立をしようとする時から  六月以内 に到来しないもの及び  取立 をすることが著しく困難であると認められるものは、この節の定めるところにより  換価 することができる。

-------------------------------------------------

第九十条 (換価の制限)

   果実 は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、  換価 をすることができない。

    前項 の規定は、  生産工程中 における仕掛品(  栽培品 その他これらに類するものを含む。)で、完成品となり、又は  一定 の生産過程に達するのでなければ、その  価額 が著しく低くて通常の  取引 に適しないものについて準用する。

    第二次納税義務者 が第三十二条第一項(  第二次納税義務 の通則)の  告知 、同条第二項の  督促 又はこれらに係る国税に関する  滞納処分 につき訴えを提起したときは、その  訴訟 の係属する間は、  当該国税 につき滞納処分による  財産 の換価をすることができない。  保証人 が国税通則法第五十二条第二項 (  担保 の処分)の  告知 、同条第三項 の  督促 若しくはこれらに係る国税に関する  滞納処分 につき訴えを提起したとき、又は  第五十五条第二号 (仮登記の  権利者 に対する差押えの  通知 )の通知(  担保 のための仮登記に係るものに限る。)に係る  差押 えにつき訴えの提起があつたときにおいても、また  同様 とする。

-------------------------------------------------

第九十一条 (自動車等の換価前の占有)

   自動車 、建設機械又は  小型船舶 の換価は、  徴収職員 が第七十一条第三項(差し押さえた  自動車等 の占有)の  規定 によりこれらを占有した後に行うものとする。ただし、  換価 に支障がないと認められるときは、この限りでない。

-------------------------------------------------

第九十二条 (買受人の制限)

   滞納者 は、換価の  目的 となつた自己の  財産 (第二十四条第三項(  譲渡担保財産 に対する執行)の  規定 の適用を受ける  譲渡担保財産 を除く。)を、直接であると  間接 であるとを問わず、買い受けることができない。国税庁、  国税局 、税務署又は  税関 に所属する  職員 で国税に関する  事務 に従事する  職員 は、換価の  目的 となつた財産について、また  同様 とする。

-------------------------------------------------

第九十三条 (修理等の処分)

   税務署長 は、差押財産を  換価 する場合において、  必要 があると認めるときは、滞納者の  同意 を得て、その財産につき  修理 その他その価額を  増加 する処分をすることができる。

     第二款 公売

-------------------------------------------------

第九十四条 (公売)

   税務署長 は、差押財産を  換価 するときは、これを公売に付さなければならない。

    公売 は、入札又はせり売の  方法 により行わなければならない。

-------------------------------------------------

第九十五条 (公売公告)

   税務署長 は、差押財産を  公売 に付するときは、公売の日の少なくとも  十日前 までに、次に掲げる事項を  公告 しなければならない。ただし、公売に付する  財産 (以下「  公売財産 」という。)が不相応の  保存費 を要し、又はその価額を著しく  減少 するおそれがあると認めるときは、この期間を  短縮 することができる。

    公売財産 の名称、  数量 、性質及び所在

    公売 の方法

    公売 の日時及び場所

    売却決定 の日時及び場所

    公売保証金 を納付させるときは、その金額

    買受代金 の納付の期限

    公売財産 の買受人について  一定 の資格その他の  要件 を必要とするときは、その旨

    公売財産上 に質権、  抵当権 、先取特権、  留置権 その他その財産の  売却代金 から配当を受けることができる  権利 を有する者は、売却決定の日の  前日 までにその内容を申し出るべき旨

    前各号 に掲げる事項のほか、  公売 に関し重要と認められる事項

    前項 の公告は、  税務署 の掲示場その  他税務署内 の公衆の見やすい  場所 に掲示して行う。ただし、他の  適当 な場所に  掲示 する方法、  官報 又は時事に関する  事項 を掲載する  日刊新聞紙 に掲げる方法その他の  方法 をあわせて用いることを妨げない。

-------------------------------------------------

第九十六条 (公売の通知)

   税務署長 は、前条の  公告 をしたときは、同条第一項各号(  第八号 を除く。)に掲げる事項及び  公売 に係る国税の額を  滞納者 及び次に掲げる者のうち知れている者に通知しなければならない。

    公売財産 につき交付要求をした者

    公売財産上 に質権、  抵当権 、先取特権、  留置権 、地上権、  賃借権 その他の権利を有する者

    税務署長 は、前項の  通知 をするときは、公売財産の  売却代金 から配当を受けることができる者のうち知れている者に対し、その  配当 を受けることができる国税、  地方税 その他の債権につき  第百三十条第一項 (債権現在額申立書の  提出 )に規定する  債権現在額申立書 をその財産の  売却決定 をする日の前日までに  提出 すべき旨の催告をあわせてしなければならない。

-------------------------------------------------

第九十七条 (公売の場所)

   公売 は、公売財産の  所在 する市町村(  特別区 を含む。以下同じ。)において行うものとする。ただし、  税務署長 が必要と認めるときは、他の  場所 で行うことができる。

-------------------------------------------------

第九十八条 (見積価額の決定)

   税務署長 は、公売財産の  見積価額 を決定しなければならない。この  場合 において、必要と認めるときは、  鑑定人 にその評価を  委託 し、その評価額を  参考 とすることができる。

-------------------------------------------------

第九十九条 (見積価額の公告等)

   税務署長 は、公売財産のうち次の  各号 に掲げる財産を  公売 に付するときは、当該各号に掲げる日までに  見積価額 を公告しなければならない。

    不動産 、船舶及び  航空機 公売 の日から三日前の日

     せり売の方法又は  第百五条第一項 (複数落札入札制)に  規定 する方法により  公売 する財産(  前号 に掲げる財産を除く。)   公売 の日の前日(  当該財産 につき第九十五条第一項ただし書(  公売公告 )に該当する  事実 があると認めるときは、公売の日)

     その他の財産で  税務署長 が公告を  必要 と認めるもの 公売の日の前日

    税務署長 は、見積価額を  公告 しない財産を  公売 するときは、その見積価額を  記載 した書面を  封筒 に入れ、封をして、公売をする  場所 に置かなければならない。

    第九十五条第二項 の規定は、  第一項 の公告について  準用 する。ただし、税務署長は、  公売財産 が動産であるときに限り、その  財産 に見積価額を  記載 した用紙をはりつけて、この  公告 に代えることができる。

    税務署長 は、第一項の  場合 において、公売財産上に  賃借権 (不動産又は  船舶 に係るものに限る。)又は地上権があるときは、あわせてその  存続期限 、借賃又は  地代 その他これらの権利の  内容 を公告しなければならない。

-------------------------------------------------

第百条 (公売保証金)

   公売財産 の入札又はせり売に係る  買受 の申込(  以下 「入札等」という。)をしようとする者は、  税務署長 が公売財産の  見積価額 の百分の  十以上 の額により定める公売保証金を  現金 (国税の  納付 に使用することができる  小切手 のうち銀行の  振出 に係るもの及びその支払保証のあるものを含む。  以下第百十五条第三項 (買受代金の  納付 の期限)において同じ。)で  納付 しなければならない。ただし、税務署長は、  公売財産 の見積価額が  政令 で定める金額以下である  場合 又は買受代金を  売却決定 の日に納付させるときは、その  納付 を要しないものとすることができる。

    公売財産 の入札等をしようとする者(  以下 「入札者等」という。)は、  前項 ただし書の規定の  適用 を受ける場合を除き、  公売保証金 を納付した後でなければ、  入札等 をすることができない。

    公売財産 の買受人は、その  納付 した公売保証金を  買受代金 に充てることができる。ただし、第百十五条第四項(  売却決定 の取消)の  規定 により売却決定が取り消されたときは、その  公売 に係る国税に充て、なお  残余 があるときは、これを滞納者に  交付 しなければならない。

    税務署長 は、次の各号に掲げる  場合 には、遅滞なく、  当該各号 に規定する  公売保証金 をその納付した者に  返還 しなければならない。

    第百四条 から第百五条まで(  最高価申込者等 の決定)の  規定 により最高価申込者及び  次順位買受申込者 (以下この項、  第百六条第一項 及び第二項(  入札 又は競り売りの終了の  告知等 )、第百八条第一項及び  第二項 (公売実施の  適正化 のための措置)並びに  第百十四条 (買受申込み等の  取消 し)において「最高価申込者等」という。)を定めた  場合 において、他の入札者等の  納付 した公売保証金があるとき。

    入札等 の価額の  全部 が見積価額に達しないことその他の  理由 により最高価申込者を定めることができなかつた  場合 において、入札者等の  納付 した公売保証金があるとき。

    第百十四条 の規定により  最高価申込者等 又は買受人がその  入札等 又は買受けを取り消した  場合 において、その者の納付した  公売保証金 があるとき。

    第百十五条第三項 (買受代金の  納付 )の規定により  最高価申込者 が買受代金を  納付 した場合において、  次順位買受申込者 が納付した  公売保証金 があるとき。

    第百十七条 (国税の  完納 による売却決定の  取消 し)の規定により  売却決定 が取り消された場合において、  買受人 の納付した  公売保証金 があるとき。

-------------------------------------------------

第百一条 (入札及び開札)

   入札 をしようとする者は、その住所又は  居所 、氏名(  法人 にあつては、名称。  以下同 じ。)、公売財産の  名称 、入札価額その  他必要 な事項を  記載 した入札書に封をして、これを  徴収職員 に差し出さなければならない。この場合において、  行政手続等 における情報通信の  技術 の利用に関する  法律 (平成十四年法律第百五十一号)  第三条第一項 (電子情報処理組織による  申請等 )の規定により  同項 に規定する  電子情報処理組織 を使用して  入札 がされる場合には、  入札書 に封をすることに相当する  措置 であつて財務省令で定めるものをもつて  当該封 をすることに代えることができる。

    入札者 は、その提出した  入札書 の引換、  変更 又は取消をすることができない。

    開札 をするときは、徴収職員は、  入札者 を開札に立ち会わせなければならない。ただし、  入札者 が立ち会わないときは、税務署所属の他の  職員 を開札に立ち会わせなければならない。

-------------------------------------------------

第百二条 (再度入札)

   税務署長 は、入札の  方法 により差押財産を  公売 する場合において、  入札者 がないとき、又は入札価額が  見積価額 に達しないときは、直ちに再度入札をすることができる。この  場合 においては、見積価額を  変更 することができない。

-------------------------------------------------

第百三条 (せり売)

    せり売の方法により  差押財産 を公売するときは、  徴収職員 は、その財産を  指定 して、買受の  申込 を催告しなければならない。

    徴収職員 は、せり売人を選び、  差押財産 のせり売を取り扱わせることができる。

    前条 の規定は、  差押財産 のせり売について準用する。

-------------------------------------------------

第百四条 (最高価申込者の決定)

   徴収職員 は、見積価額以上の  入札者等 のうち最高の  価額 による入札者等を  最高価申込者 として定めなければならない。

    前項 の場合において、  最高 の価額の  入札者等 が二人以上あるときは、更に  入札等 をさせて定め、なおその入札等の  価額 が同じときは、くじで定める。

-------------------------------------------------

第百四条の二 (次順位買受申込者の決定)

   徴収職員 は、入札の  方法 により不動産、  船舶 、航空機、  自動車 、建設機械、  小型船舶 、債権又は  電話加入権以外 の無体財産権等(  以下 「不動産等」という。)の  公売 をした場合において、  最高価申込者 の入札価額(  以下 この条において「最高入札価額」という。)に次ぐ高い  価額 (見積価額以上で、かつ、  最高入札価額 から公売保証金の額を  控除 した金額以上であるものに限る。  第三項 において同じ。)による入札者(  前条第二項 の規定によりくじで  最高価申込者 を定めた場合には、  当該最高価申込者以外 の最高の  価額 の入札者とする。  第三項 において同じ。)から次順位による  買受 けの申込みがあるときは、その者を  次順位買受申込者 として定めなければならない。

    前項 の次順位による  買受 けの申込みは、  最高価申込者 の決定後直ちにしなければならない。

    第一項 の場合において、  最高入札価額 に次ぐ高い価額による  入札者 が二人以上あるときは、くじで定める。

-------------------------------------------------

第百五条 (複数落札入札制による最高価申込者の決定)

   税務署長 は、種類及び  価額 が同じ財産を  一時 に多量に  入札 の方法により  公売 する場合において、  必要 があると認めるときは、その財産の  数量 の範囲内において  入札 をしようとする者の希望する  数量 及び単価を  入札 させ、見積価額以上の  単価 の入札者のうち、  入札価額 の高い入札者から  順次 その財産の  数量 に達するまでの入札者を  最高価申込者 とする方法(  以下 「複数落札入札制」という。)によることができる。この  場合 において、最高価申込者となるべき  最後 の順位の  入札者 が二人以上あるときは、  入札数量 の多いものを先順位の  入札者 とし、入札数量が同じときは、くじで  先順位 の入札者を定める。

    複数落札入札制 による場合において、  最高価申込者 のうち最後の  順位 の入札者の  入札数量 が他の最高価申込者の  入札数量 とあわせて公売財産の  数量 をこえるときは、そのこえる入札数量については、  入札 がなかつたものとする。

    税務署長 は、複数落札入札制による  最高価申込者 に対して売却決定をした  場合 において、買受人のうちに  買受代金 をその納付の  期限 までに納付しない者があるときは、  開札 に引き続き売却決定を行い、かつ、直ちに  代金 を納付させるときに限り、その者に  売却決定 をした数量の  範囲内 において、まず、前項の  規定 により入札がなかつたものとされた  入札数量 (買受代金を  納付 しない買受人の  同項 の規定により  入札 がなかつたものとされた入札数量を除く。)につき  入札 があつたものとし、次に、第一項後段の  規定 により最高価申込者とならなかつた者を  最高価申込者 とすることができる。この場合においては、  同項後段 及び前項の  規定 を準用する。

-------------------------------------------------

第百六条 (入札又は競り売りの終了の告知等)

   徴収職員 は、最高価申込者等を定めたときは、直ちにその  氏名 及び価額(  複数落札入札制 による場合には、  数量 及び単価。  次項 において同じ。)を呼び上げた後、入札又は競り売りの  終了 を告知しなければならない。

    前項 の場合において、  公売 した財産が  不動産等 であるときは、税務署長は、  最高価申込者等 の氏名、その  価額並 びに売却決定をする  日時 及び場所を  滞納者 及び第九十六条第一項各号(  公売 の通知)に掲げる者(  以下 「利害関係人」という。)のうち知れている者に  通知 するとともに、これらの事項を  公告 しなければならない。

    第九十五条第二項 (公売公告の  方法 )の規定は、  前項 の公告について  準用 する。

-------------------------------------------------

第百七条 (再公売)

   税務署長 は、公売に付しても  入札者等 がないとき、入札等の  価額 が見積価額に達しないとき、又は  次順位買受申込者 が定められていない場合において  次条第二項 若しくは第百十五条第四項(  売却決定 の取消し)の  規定 により売却決定を取り消したときは、更に  公売 に付するものとする。

    税務署長 は、前項の  規定 により公売に付する  場合 において、必要があると認めるときは、  公売財産 の見積価額の  変更 、第九十五条第一項本文(  公売公告 )の期間の  短縮 その他公売の  条件 の変更をすることができる。

    第九十六条 (公売の  通知 )の規定は、  第一項 の規定による  公売 が直前の  公売期日 から十日以内に行われるときは、  適用 しない。

    第一項 の規定により  公売 に付する場合における  第九十九条第一項第一号 (見積価額の  公告 の日)の規定の  適用 については、同号中「  公売 の日から三日前の日」とあるのは、「  公売 の日の前日」とする。

-------------------------------------------------

第百八条 (公売実施の適正化のための措置)

   税務署長 は、次に掲げる者に該当すると認められる  事実 がある者については、その事実があつた  後二年間 、公売の  場所 に入ることを制限し、若しくはその  場所 から退場させ、又は  入札等 をさせないことができる。その事実があつた  後二年 を経過しない者を  使用人 その他の従業者として  使用 する者及びこれらの者を入札等の  代理人 とする者についても、また同様とする。

    入札等 をしようとする者の公売への  参加 若しくは入札等、  最高価申込者等 の決定又は  買受人 の買受代金の  納付 を妨げた者

    公売 に際して不当に  価額 を引き下げる目的をもつて  連合 した者

    偽 りの名義で  買受申込 みをした者

    正当 な理由がなく、  買受代金 の納付の  期限 までにその代金を  納付 しない買受人

    故意 に公売財産を  損傷 し、その価額を  減少 させた者

    前各号 に掲げる者のほか、公売又は  随意契約 による売却の  実施 を妨げる行為をした者

    前項 の規定に  該当 する者の入札等又はその者を  最高価申込者等 とする決定については、  税務署長 は、その入札等がなかつたものとし、又はその  決定 を取り消すことができるものとする。

    前項 の場合において、  同項 の処分を受けた者の  納付 した公売保証金があるときは、その  公売保証金 は、国庫に  帰属 する。この場合において、  第百条第四項 (公売保証金の  返還 )の規定は、  適用 しない。

    税務署長 は、第一項の  規定 の適用に関し  必要 があると認めるときは、入札者等の  身分 に関する証明を求めることができる。

     第三款 随意契約による売却

-------------------------------------------------

第百九条 (随意契約による売却)

   次 の各号の一に  該当 するときは、税務署長は、  差押財産 を、公売に代えて、  随意契約 により売却することができる。

    法令 の規定により、  公売財産 を買い受けることができる者が一人であるとき、その  財産 の最高価額が定められている  場合 において、その価額により  売却 するとき、その他公売に付することが  公益上適当 でないと認められるとき。

    取引所 の相場がある  財産 をその日の相場で  売却 するとき。

    公売 に付しても入札等がないとき、  入札等 の価額が  見積価額 に達しないとき、又は第百十五条第四項(  売却決定 の取消)の  規定 により売却決定を取り消したとき。

    第九十八条 (見積価額の  決定 )の規定は、  前項第一号 又は第三号の  規定 により売却する  場合 について準用する。この  場合 において、同号の  規定 により売却するときは、その  見積価額 は、その直前の  公売 における見積価額を下つてはならない。

    税務署長 は、第一項第三号の  規定 により売却する  差押財産 が動産であるときは、あらかじめ  公告 した価額により  売却 することができる。

    第九十六条 (公売の  通知 )及び第百七条第三項(  公売通知等 の例外)の  規定 は、差押財産を  随意契約 により売却する  場合 について、第百六条第二項及び  第三項 (最高価申込者等の  通知等 )の規定は、  随意契約 により買受人となるべき者を  決定 した場合について  準用 する。この場合において、  第九十六条第一項中 「前条の  公告 をしたときは」とあるのは「随意契約により  売却 をする日の七日前までに」と、「  通知 し」とあるのは「通知書を発し」と読み替えるものとする。

-------------------------------------------------

第百十条 (国による買入れ)

   国 は、前条第一項第三号の  規定 に該当する  場合 において、必要があるときは、  同条第二項 の規定による  見積価額 でその財産を買い入れることができる。

     第四款 売却決定

-------------------------------------------------

第百十一条 (動産等の売却決定)

   税務署長 は、動産、  有価証券 又は電話加入権を  換価 に付するときは、公売をする日(  随意契約 により売却する  場合 には、その売却する日。  以下 「公売期日等」という。)において、  最高価申込者 (随意契約により  売却 する場合における  買受人 となるべき者を含む。以下同じ。)に対して  売却決定 を行う。

-------------------------------------------------

第百十二条 (動産等の売却決定の取消)

   換価 をした動産又は  有価証券 に係る売却決定の  取消 は、これをもつて買受代金を  納付 した善意の  買受人 に対抗することができない。

    前項 の規定により  買受人 に対抗することができないことにより  損害 が生じた者がある場合には、その生じたことについてその者に  故意 又は過失があるときを除き、国は、その  通常生 ずべき損失の額を  賠償 する責に任ずる。この場合において、他に  損害 の原因について責に任ずべき者があるときは、その者に対する  求償権 の行使を妨げない。

-------------------------------------------------