第一編 総則   第一章 通則

第一条 (趣旨)

   民事訴訟 に関する手続については、他の  法令 に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

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第二条 (裁判所及び当事者の責務)

   裁判所 は、民事訴訟が  公正 かつ迅速に行われるように努め、  当事者 は、信義に従い  誠実 に民事訴訟を  追行 しなければならない。

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第三条 (最高裁判所規則)

    この法律に定めるもののほか、  民事訴訟 に関する手続に関し  必要 な事項は、  最高裁判所規則 で定める。

   第二章 裁判所

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    第一節 管轄

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第四条 (普通裁判籍による管轄)

   訴 えは、被告の  普通裁判籍 の所在地を  管轄 する裁判所の  管轄 に属する。

    人 の普通裁判籍は、  住所 により、日本国内に  住所 がないとき又は住所が知れないときは  居所 により、日本国内に  居所 がないとき又は居所が知れないときは  最後 の住所により定まる。

    大使 、公使その  他外国 に在ってその国の  裁判権 からの免除を  享有 する日本人が  前項 の規定により  普通裁判籍 を有しないときは、その者の普通裁判籍は、  最高裁判所規則 で定める地にあるものとする。

    法人 その他の社団又は  財団 の普通裁判籍は、その主たる  事務所 又は営業所により、  事務所 又は営業所がないときは  代表者 その他の主たる業務担当者の  住所 により定まる。

    外国 の社団又は  財団 の普通裁判籍は、  前項 の規定にかかわらず、  日本 における主たる事務所又は  営業所 により、日本国内に  事務所 又は営業所がないときは  日本 における代表者その他の主たる  業務担当者 の住所により定まる。

    国 の普通裁判籍は、  訴訟 について国を代表する  官庁 の所在地により定まる。

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第五条 (財産権上の訴え等についての管轄)

   次 の各号に掲げる訴えは、それぞれ  当該各号 に定める地を管轄する  裁判所 に提起することができる。

    財産権上 の訴え

     義務履行地

    手形 又は小切手による  金銭 の支払の  請求 を目的とする訴え

       手形 又は小切手の支払地

    船員 に対する財産権上の訴え

       船舶 の船籍の所在地

    日本国内 に住所(  法人 にあっては、事務所又は  営業所 。以下この号において同じ。)がない者又は  住所 が知れない者に対する財産権上の訴え

       請求 若しくはその担保の  目的 又は差し押さえることができる被告の  財産 の所在地

    事務所 又は営業所を有する者に対する訴えでその  事務所 又は営業所における  業務 に関するもの

       当該事務所 又は営業所の所在地

    船舶所有者 その他船舶を  利用 する者に対する船舶又は  航海 に関する訴え

       船舶 の船籍の所在地

    船舶債権 その他船舶を  担保 とする債権に基づく訴え

       船舶 の所在地

    会社 その他の社団又は  財団 に関する訴えで次に掲げるもの

       社団 又は財団の  普通裁判籍 の所在地

   会社 その他の社団からの  社員 若しくは社員であった者に対する訴え、  社員 からの社員若しくは  社員 であった者に対する訴え又は社員であった者からの  社員 に対する訴えで、社員としての  資格 に基づくもの

   社団 又は財団からの  役員 又は役員であった者に対する訴えで  役員 としての資格に基づくもの

   会社 からの発起人若しくは  発起人 であった者又は検査役若しくは  検査役 であった者に対する訴えで発起人又は  検査役 としての資格に基づくもの

   会社 その他の社団の  債権者 からの社員又は  社員 であった者に対する訴えで社員としての  資格 に基づくもの

    不法行為 に関する訴え

       不法行為 があった地

    船舶 の衝突その  他海上 の事故に基づく  損害賠償 の訴え

       損害 を受けた船舶が  最初 に到達した地

  一  海難救助 に関する訴え

       海難救助 があった地又は救助された  船舶 が最初に  到達 した地

  二  不動産 に関する訴え

       不動産 の所在地

  三  登記 又は登録に関する訴え

       登記 又は登録をすべき地

  四  相続権 若しくは遺留分に関する訴え又は  遺贈 その他死亡によって  効力 を生ずべき行為に関する訴え

       相続開始 の時における被相続人の  普通裁判籍 の所在地

  五  相続債権 その他相続財産の  負担 に関する訴えで前号に掲げる訴えに  該当 しないもの(相続財産の  全部 又は一部が  同号 に定める地を管轄する  裁判所 の管轄区域内にあるときに限る。)

       同号 に定める地

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第六条 (特許権等に関する訴え等の管轄)

   特許権 、実用新案権、  回路配置利用権 又はプログラムの著作物についての  著作者 の権利に関する訴え(  以下 「特許権等に関する訴え」という。)について、  前二条 の規定によれば次の  各号 に掲げる裁判所が  管轄権 を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ  当該各号 に定める裁判所の  管轄 に専属する。

    東京高等裁判所 、名古屋高等裁判所、  仙台高等裁判所 又は札幌高等裁判所の  管轄区域内 に所在する地方裁判所

     東京地方裁判所

    大阪高等裁判所 、広島高等裁判所、  福岡高等裁判所 又は高松高等裁判所の  管轄区域内 に所在する地方裁判所

     大阪地方裁判所

    特許権等 に関する訴えについて、前二条の  規定 により前項各号に掲げる  裁判所 の管轄区域内に  所在 する簡易裁判所が  管轄権 を有する場合には、それぞれ  当該各号 に定める裁判所にも、その訴えを  提起 することができる。

    第一項第二号 に定める裁判所が  第一審 としてした特許権等に関する訴えについての  終局判決 に対する控訴は、  東京高等裁判所 の管轄に  専属 する。ただし、第二十条の  二第一項 の規定により  移送 された訴訟に係る訴えについての  終局判決 に対する控訴については、この限りでない。

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第六条の二 (意匠権等に関する訴えの管轄)

   意匠権 、商標権、  著作者 の権利(プログラムの  著作物 についての著作者の  権利 を除く。)、出版権、  著作隣接権 若しくは育成者権に関する訴え又は  不正競争 (不正競争防止法 (  平成五年法律第四十七号 )第二条第一項 に  規定 する不正競争をいう。)による  営業上 の利益の  侵害 に係る訴えについて、第四条又は  第五条 の規定により次の  各号 に掲げる裁判所が  管轄権 を有する場合には、それぞれ  当該各号 に定める裁判所にも、その訴えを  提起 することができる。

    前条第一項第一号 に掲げる裁判所(  東京地方裁判所 を除く。) 東京地方裁判所

    前条第一項第二号 に掲げる裁判所(  大阪地方裁判所 を除く。) 大阪地方裁判所

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第七条 (併合請求における管轄)

   一 の訴えで数個の  請求 をする場合には、  第四条 から前条まで(  第六条第三項 を除く。)の規定により一の  請求 について管轄権を有する  裁判所 にその訴えを提起することができる。ただし、  数人 からの又は数人に対する訴えについては、  第三十八条前段 に定める場合に限る。

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第八条  裁判所法 第八条 (訴訟の目的の価額の算定)

  昭和二十二年法律第五十九号 )の規定により  管轄 が訴訟の  目的 の価額により定まるときは、その  価額 は、訴えで主張する  利益 によって算定する。

    前項 の価額を  算定 することができないとき、又は極めて困難であるときは、その  価額 は百四十万円を超えるものとみなす。

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第九条 (併合請求の場合の価額の算定)

   一 の訴えで数個の  請求 をする場合には、その  価額 を合算したものを  訴訟 の目的の  価額 とする。ただし、その訴えで主張する  利益 が各請求について  共通 である場合におけるその  各請求 については、この限りでない。

    果実 、損害賠償、  違約金 又は費用の  請求 が訴訟の  附帯 の目的であるときは、その  価額 は、訴訟の  目的 の価額に  算入 しない。

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第十条 (管轄裁判所の指定)

   管轄裁判所 が法律上又は  事実上裁判権 を行うことができないときは、その裁判所の  直近上級 の裁判所は、  申立 てにより、決定で、  管轄裁判所 を定める。

    裁判所 の管轄区域が  明確 でないため管轄裁判所が定まらないときは、  関係 のある裁判所に  共通 する直近上級の  裁判所 は、申立てにより、  決定 で、管轄裁判所を定める。

    前二項 の決定に対しては、  不服 を申し立てることができない。

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第十一条 (管轄の合意)

   当事者 は、第一審に限り、  合意 により管轄裁判所を定めることができる。

    前項 の合意は、  一定 の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、  書面 でしなければ、その効力を生じない。

    第一項 の合意がその  内容 を記録した  電磁的記録 (電子的方式、  磁気的方式 その他人の  知覚 によっては認識することができない  方式 で作られる記録であって、  電子計算機 による情報処理の用に供されるものをいう。  以下同 じ。)によってされたときは、その合意は、  書面 によってされたものとみなして、前項の  規定 を適用する。

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第十二条 (応訴管轄)

   被告 が第一審裁判所において  管轄違 いの抗弁を  提出 しないで本案について  弁論 をし、又は弁論準備手続において  申述 をしたときは、その裁判所は、  管轄権 を有する。

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第十三条 (専属管轄の場合の適用除外等)

   第四条第一項 、第五条、  第六条第二項 、第六条の二、  第七条 及び前二条の  規定 は、訴えについて法令に  専属管轄 の定めがある場合には、  適用 しない。

    特許権等 に関する訴えについて、第七条又は  前二条 の規定によれば  第六条第一項各号 に定める裁判所が  管轄権 を有すべき場合には、  前項 の規定にかかわらず、  第七条 又は前二条の  規定 により、その裁判所は、  管轄権 を有する。

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第十四条 (職権証拠調べ)

   裁判所 は、管轄に関する  事項 について、職権で  証拠調 べをすることができる。

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第十五条 (管轄の標準時)

   裁判所 の管轄は、訴えの  提起 の時を標準として定める。

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第十六条 (管轄違いの場合の取扱い)

   裁判所 は、訴訟の  全部 又は一部がその  管轄 に属しないと認めるときは、申立てにより又は  職権 で、これを管轄裁判所に  移送 する。

    地方裁判所 は、訴訟がその  管轄区域内 の簡易裁判所の  管轄 に属する場合においても、  相当 と認めるときは、前項の  規定 にかかわらず、申立てにより又は  職権 で、訴訟の  全部 又は一部について自ら  審理 及び裁判をすることができる。ただし、  訴訟 がその簡易裁判所の  専属管轄 (当事者が  第十一条 の規定により  合意 で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。

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第十七条 (遅滞を避ける等のための移送)

   第一審裁判所 は、訴訟がその  管轄 に属する場合においても、  当事者 及び尋問を受けるべき  証人 の住所、  使用 すべき検証物の  所在地 その他の事情を  考慮 して、訴訟の著しい  遅滞 を避け、又は当事者間の  衡平 を図るため必要があると認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  訴訟 の全部又は  一部 を他の管轄裁判所に  移送 することができる。

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第十八条 (簡易裁判所の裁量移送)

   簡易裁判所 は、訴訟がその  管轄 に属する場合においても、  相当 と認めるときは、申立てにより又は  職権 で、訴訟の  全部 又は一部をその  所在地 を管轄する  地方裁判所 に移送することができる。

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第十九条 (必要的移送)

   第一審裁判所 は、訴訟がその  管轄 に属する場合においても、  当事者 の申立て及び  相手方 の同意があるときは、  訴訟 の全部又は  一部 を申立てに係る  地方裁判所 又は簡易裁判所に  移送 しなければならない。ただし、移送により著しく  訴訟手続 を遅滞させることとなるとき、又はその  申立 てが、簡易裁判所からその  所在地 を管轄する  地方裁判所 への移送の  申立 て以外のものであって、  被告 が本案について  弁論 をし、若しくは弁論準備手続において  申述 をした後にされたものであるときは、この限りでない。

    簡易裁判所 は、その管轄に属する  不動産 に関する訴訟につき  被告 の申立てがあるときは、  訴訟 の全部又は  一部 をその所在地を  管轄 する地方裁判所に  移送 しなければならない。ただし、その申立ての前に  被告 が本案について  弁論 をした場合は、この限りでない。

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第二十条 (専属管轄の場合の移送の制限)

   前三条 の規定は、  訴訟 がその係属する  裁判所 の専属管轄(  当事者 が第十一条の  規定 により合意で定めたものを除く。)に属する  場合 には、適用しない。

    特許権等 に関する訴えに係る訴訟について、  第十七条 又は前条第一項の  規定 によれば第六条第一項各号に定める  裁判所 に移送すべき  場合 には、前項の  規定 にかかわらず、第十七条又は  前条第一項 の規定を  適用 する。

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第二十条の二 (特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)

   第六条第一項各号 に定める裁判所は、  特許権等 に関する訴えに係る訴訟が  同項 の規定によりその  管轄 に専属する  場合 においても、当該訴訟において  審理 すべき専門技術的事項を欠くことその他の  事情 により著しい損害又は  遅滞 を避けるため必要があると認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  訴訟 の全部又は  一部 を第四条、  第五条 若しくは第十一条の  規定 によれば管轄権を有すべき  地方裁判所 又は第十九条第一項の  規定 によれば移送を受けるべき  地方裁判所 に移送することができる。

    東京高等裁判所 は、第六条第三項の  控訴 が提起された  場合 において、その控訴審において  審理 すべき専門技術的事項を欠くことその他の  事情 により著しい損害又は  遅滞 を避けるため必要があると認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  訴訟 の全部又は  一部 を大阪高等裁判所に  移送 することができる。

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第二十一条 (即時抗告)

   移送 の決定及び  移送 の申立てを  却下 した決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二十二条 (移送の裁判の拘束力等)

   確定 した移送の  裁判 は、移送を受けた  裁判所 を拘束する。

    移送 を受けた裁判所は、更に  事件 を他の裁判所に  移送 することができない。

    移送 の裁判が  確定 したときは、訴訟は、初めから  移送 を受けた裁判所に  係属 していたものとみなす。

    第二節 裁判所職員の除斥及び忌避

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第二十三条 (裁判官の除斥)

   裁判官 は、次に掲げる場合には、その  職務 の執行から  除斥 される。ただし、第六号に掲げる  場合 にあっては、他の裁判所の  嘱託 により受託裁判官としてその  職務 を行うことを妨げない。

    裁判官 又はその配偶者若しくは  配偶者 であった者が、事件の  当事者 であるとき、又は事件について  当事者 と共同権利者、  共同義務者 若しくは償還義務者の  関係 にあるとき。

    裁判官 が当事者の  四親等内 の血族、  三親等内 の姻族若しくは  同居 の親族であるとき、又はあったとき。

    裁判官 が当事者の  後見人 、後見監督人、  保佐人 、保佐監督人、  補助人 又は補助監督人であるとき。

    裁判官 が事件について  証人 又は鑑定人となったとき。

    裁判官 が事件について  当事者 の代理人又は  補佐人 であるとき、又はあったとき。

    裁判官 が事件について  仲裁判断 に関与し、又は  不服 を申し立てられた前審の  裁判 に関与したとき。

    前項 に規定する  除斥 の原因があるときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、除斥の  裁判 をする。

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第二十四条 (裁判官の忌避)

   裁判官 について裁判の  公正 を妨げるべき事情があるときは、  当事者 は、その裁判官を  忌避 することができる。

    当事者 は、裁判官の  面前 において弁論をし、又は  弁論準備手続 において申述をしたときは、その  裁判官 を忌避することができない。ただし、  忌避 の原因があることを知らなかったとき、又は  忌避 の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

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第二十五条 (除斥又は忌避の裁判)

   合議体 の構成員である  裁判官 及び地方裁判所の  一人 の裁判官の  除斥 又は忌避についてはその  裁判官 の所属する  裁判所 が、簡易裁判所の  裁判官 の除斥又は  忌避 についてはその裁判所の  所在地 を管轄する  地方裁判所 が、決定で、  裁判 をする。

    地方裁判所 における前項の  裁判 は、合議体でする。

    裁判官 は、その除斥又は  忌避 についての裁判に  関与 することができない。

    除斥 又は忌避を  理由 があるとする決定に対しては、  不服 を申し立てることができない。

    除斥 又は忌避を  理由 がないとする決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二十六条 (訴訟手続の停止)

   除斥 又は忌避の  申立 てがあったときは、その申立てについての  決定 が確定するまで  訴訟手続 を停止しなければならない。ただし、  急速 を要する行為については、この限りでない。

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第二十七条 (裁判所書記官への準用)

    この節の規定は、  裁判所書記官 について準用する。この  場合 においては、裁判は、  裁判所書記官 の所属する  裁判所 がする。

   第三章 当事者

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    第一節 当事者能力及び訴訟能力

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第二十八条 (原則)

   当事者能力 、訴訟能力及び  訴訟無能力者 の法定代理は、この  法律 に特別の定めがある  場合 を除き、民法 (  明治二十九年法律第八十九号 )その他の法令に従う。  訴訟行為 をするのに必要な  授権 についても、同様とする。

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第二十九条 (法人でない社団等の当事者能力)

   法人 でない社団又は  財団 で代表者又は  管理人 の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。

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第三十条 (選定当事者)

   共同 の利益を有する  多数 の者で前条の  規定 に該当しないものは、その中から、  全員 のために原告又は  被告 となるべき一人又は  数人 を選定することができる。

    訴訟 の係属の後、  前項 の規定により  原告 又は被告となるべき者を  選定 したときは、他の当事者は、  当然 に訴訟から  脱退 する。

    係属中 の訴訟の  原告 又は被告と  共同 の利益を有する者で  当事者 でないものは、その原告又は  被告 を自己のためにも  原告 又は被告となるべき者として  選定 することができる。

    第一項 又は前項の  規定 により原告又は  被告 となるべき者を選定した者(  以下 「選定者」という。)は、その  選定 を取り消し、又は選定された  当事者 (以下「  選定当事者 」という。)を変更することができる。

    選定当事者 のうち死亡その他の  事由 によりその資格を  喪失 した者があるときは、他の選定当事者において  全員 のために訴訟行為をすることができる。

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第三十一条 (未成年者及び成年被後見人の訴訟能力)

   未成年者 及び成年被後見人は、  法定代理人 によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、  未成年者 が独立して  法律行為 をすることができる場合は、この限りでない。

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第三十二条 (被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)

   被保佐人 、被補助人(  訴訟行為 をすることにつきその補助人の  同意 を得ることを要するものに限る。次項及び  第四十条第四項 において同じ。)又は後見人その他の  法定代理人 が相手方の  提起 した訴え又は上訴について  訴訟行為 をするには、保佐人若しくは  保佐監督人 、補助人若しくは  補助監督人 又は後見監督人の  同意 その他の授権を要しない。

    被保佐人 、被補助人又は  後見人 その他の法定代理人が次に掲げる  訴訟行為 をするには、特別の  授権 がなければならない。

    訴 えの取下げ、  和解 、請求の  放棄 若しくは認諾又は  第四十八条 (第五十条第三項及び  第五十一条 において準用する  場合 を含む。)の規定による脱退

    控訴 、上告又は  第三百十八条第一項 の申立ての  取下

    第三百六十条 (第三百六十七条第二項及び  第三百七十八条第二項 において準用する  場合 を含む。)の規定による  異議 の取下げ又はその  取下 げについての同意

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第三十三条 (外国人の訴訟能力の特則)

   外国人 は、その本国法によれば  訴訟能力 を有しない場合であっても、  日本法 によれば訴訟能力を有すべきときは、  訴訟能力者 とみなす。

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第三十四条 (訴訟能力等を欠く場合の措置等)

   訴訟能力 、法定代理権又は  訴訟行為 をするのに必要な  授権 を欠くときは、裁判所は、  期間 を定めて、その補正を命じなければならない。この  場合 において、遅滞のため  損害 を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、  一時訴訟行為 をさせることができる。

    訴訟能力 、法定代理権又は  訴訟行為 をするのに必要な  授権 を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに  至っ た当事者又は  法定代理人 の追認により、  行為 の時にさかのぼってその効力を生ずる。

    前二項 の規定は、  選定当事者 が訴訟行為をする  場合 について準用する。

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第三十五条 (特別代理人)

   法定代理人 がない場合又は  法定代理人 が代理権を行うことができない  場合 において、未成年者又は  成年被後見人 に対し訴訟行為をしようとする者は、  遅滞 のため損害を受けるおそれがあることを  疎明 して、受訴裁判所の  裁判長 に特別代理人の  選任 を申し立てることができる。

    裁判所 は、いつでも特別代理人を  改任 することができる。

    特別代理人 が訴訟行為をするには、  後見人 と同一の  授権 がなければならない。

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第三十六条 (法定代理権の消滅の通知)

   法定代理権 の消滅は、  本人 又は代理人から  相手方 に通知しなければ、その  効力 を生じない。

    前項 の規定は、  選定当事者 の選定の  取消 し及び変更について  準用 する。

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第三十七条 (法人の代表者等への準用)

    この法律中法定代理及び  法定代理人 に関する規定は、  法人 の代表者及び  法人 でない社団又は  財団 でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は  管理人 について準用する。

    第二節 共同訴訟

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第三十八条 (共同訴訟の要件)

   訴訟 の目的である  権利 又は義務が  数人 について共通であるとき、又は  同一 の事実上及び  法律上 の原因に基づくときは、その  数人 は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。  訴訟 の目的である  権利 又は義務が  同種 であって事実上及び  法律上同種 の原因に基づくときも、  同様 とする。

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第三十九条 (共同訴訟人の地位)

   共同訴訟人 の一人の  訴訟行為 、共同訴訟人の  一人 に対する相手方の  訴訟行為 及び共同訴訟人の  一人 について生じた事項は、他の  共同訴訟人 に影響を及ぼさない。

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第四十条 (必要的共同訴訟)

   訴訟 の目的が  共同訴訟人 の全員について  合一 にのみ確定すべき  場合 には、その一人の  訴訟行為 は、全員の  利益 においてのみその効力を生ずる。

    前項 に規定する  場合 には、共同訴訟人の  一人 に対する相手方の  訴訟行為 は、全員に対してその  効力 を生ずる。

    第一項 に規定する  場合 において、共同訴訟人の  一人 について訴訟手続の  中断 又は中止の  原因 があるときは、その中断又は  中止 は、全員についてその  効力 を生ずる。

    第三十二条第一項 の規定は、  第一項 に規定する  場合 において、共同訴訟人の  一人 が提起した  上訴 について他の共同訴訟人である  被保佐人 若しくは被補助人又は他の  共同訴訟人 の後見人その他の  法定代理人 のすべき訴訟行為について  準用 する。

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第四十一条 (同時審判の申出がある共同訴訟)

   共同被告 の一方に対する  訴訟 の目的である  権利 と共同被告の  他方 に対する訴訟の  目的 である権利とが  法律上併存 し得ない関係にある  場合 において、原告の  申出 があったときは、弁論及び  裁判 は、分離しないでしなければならない。

    前項 の申出は、  控訴審 の口頭弁論の  終結 の時までにしなければならない。

    第一項 の場合において、  各共同被告 に係る控訴事件が  同一 の控訴裁判所に  各別 に係属するときは、  弁論 及び裁判は、  併合 してしなければならない。

    第三節 訴訟参加

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第四十二条 (補助参加)

   訴訟 の結果について  利害関係 を有する第三者は、  当事者 の一方を  補助 するため、その訴訟に  参加 することができる。

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第四十三条 (補助参加の申出)

   補助参加 の申出は、  参加 の趣旨及び  理由 を明らかにして、補助参加により  訴訟行為 をすべき裁判所にしなければならない。

    補助参加 の申出は、  補助参加人 としてすることができる訴訟行為とともにすることができる。

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第四十四条 (補助参加についての異議等)

   当事者 が補助参加について  異議 を述べたときは、裁判所は、  補助参加 の許否について、  決定 で、裁判をする。この  場合 においては、補助参加人は、  参加 の理由を  疎明 しなければならない。

    前項 の異議は、  当事者 がこれを述べないで弁論をし、又は  弁論準備手続 において申述をした後は、述べることができない。

    第一項 の裁判に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第四十五条 (補助参加人の訴訟行為)

   補助参加人 は、訴訟について、  攻撃 又は防御の  方法 の提出、  異議 の申立て、  上訴 の提起、  再審 の訴えの提起その  他一切 の訴訟行為をすることができる。ただし、  補助参加 の時における訴訟の  程度 に従いすることができないものは、この限りでない。

    補助参加人 の訴訟行為は、  被参加人 の訴訟行為と  抵触 するときは、その効力を有しない。

    補助参加人 は、補助参加について  異議 があった場合においても、  補助参加 を許さない裁判が  確定 するまでの間は、訴訟行為をすることができる。

    補助参加人 の訴訟行為は、  補助参加 を許さない裁判が  確定 した場合においても、  当事者 が援用したときは、その  効力 を有する。

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第四十六条 (補助参加人に対する裁判の効力)

   補助参加 に係る訴訟の  裁判 は、次に掲げる場合を除き、  補助参加人 に対してもその効力を有する。

    前条第一項 ただし書の規定により  補助参加人 が訴訟行為をすることができなかったとき。

    前条第二項 の規定により  補助参加人 の訴訟行為が  効力 を有しなかったとき。

    被参加人 が補助参加人の  訴訟行為 を妨げたとき。

    被参加人 が補助参加人のすることができない  訴訟行為 を故意又は  過失 によってしなかったとき。

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第四十七条 (独立当事者参加)

   訴訟 の結果によって  権利 が害されることを主張する  第三者 又は訴訟の  目的 の全部若しくは  一部 が自己の  権利 であることを主張する  第三者 は、その訴訟の  当事者 の双方又は  一方 を相手方として、  当事者 としてその訴訟に  参加 することができる。

    前項 の規定による  参加 の申出は、  書面 でしなければならない。

    前項 の書面は、  当事者双方 に送達しなければならない。

    第四十条第一項 から第三項までの  規定 は第一項の  訴訟 の当事者及び  同項 の規定によりその  訴訟 に参加した者について、  第四十三条 の規定は  同項 の規定による  参加 の申出について  準用 する。

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第四十八条 (訴訟脱退)

   前条第一項 の規定により  自己 の権利を  主張 するため訴訟に  参加 した者がある場合には、  参加前 の原告又は  被告 は、相手方の  承諾 を得て訴訟から  脱退 することができる。この場合において、  判決 は、脱退した  当事者 に対してもその効力を有する。

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第四十九条 (権利承継人の訴訟参加の場合における時効の中断等)

   訴訟 の係属中その  訴訟 の目的である  権利 の全部又は  一部 を譲り受けたことを主張して、  第四十七条第一項 の規定により  訴訟参加 をしたときは、その参加は、  訴訟 の係属の初めにさかのぼって  時効 の中断又は  法律上 の期間の  遵守 の効力を生ずる。

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第五十条 (義務承継人の訴訟引受け)

   訴訟 の係属中第三者がその  訴訟 の目的である  義務 の全部又は  一部 を承継したときは、  裁判所 は、当事者の  申立 てにより、決定で、その  第三者 に訴訟を引き受けさせることができる。

    裁判所 は、前項の  決定 をする場合には、  当事者 及び第三者を  審尋 しなければならない。

    第四十一条第一項 及び第三項並びに  前二条 の規定は、  第一項 の規定により  訴訟 を引き受けさせる決定があった  場合 について準用する。

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第五十一条 (義務承継人の訴訟参加及び権利承継人の訴訟引受け)

   第四十七条 から第四十九条までの  規定 は訴訟の  係属中 その訴訟の  目的 である義務の  全部 又は一部を  承継 したことを主張する  第三者 の訴訟参加について、  前条 の規定は  訴訟 の係属中第三者がその  訴訟 の目的である  権利 の全部又は  一部 を譲り受けた場合について  準用 する。

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第五十二条 (共同訴訟参加)

   訴訟 の目的が  当事者 の一方及び  第三者 について合一にのみ  確定 すべき場合には、その  第三者 は、共同訴訟人としてその  訴訟 に参加することができる。

    第四十三条並 びに第四十七条第二項及び  第三項 の規定は、  前項 の規定による  参加 の申出について  準用 する。

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第五十三条 (訴訟告知)

   当事者 は、訴訟の  係属中 、参加することができる  第三者 にその訴訟の  告知 をすることができる。

    訴訟告知 を受けた者は、更に訴訟告知をすることができる。

    訴訟告知 は、その理由及び  訴訟 の程度を  記載 した書面を  裁判所 に提出してしなければならない。

    訴訟告知 を受けた者が参加しなかった  場合 においても、第四十六条の  規定 の適用については、  参加 することができた時に参加したものとみなす。

    第四節 訴訟代理人及び補佐人

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第五十四条 (訴訟代理人の資格)

   法令 により裁判上の  行為 をすることができる代理人のほか、  弁護士 でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、  簡易裁判所 においては、その許可を得て、  弁護士 でない者を訴訟代理人とすることができる。

    前項 の許可は、いつでも取り消すことができる。

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第五十五条 (訴訟代理権の範囲)

   訴訟代理人 は、委任を受けた  事件 について、反訴、  参加 、強制執行、  仮差押 え及び仮処分に関する  訴訟行為 をし、かつ、弁済を  受領 することができる。

    訴訟代理人 は、次に掲げる事項については、  特別 の委任を受けなければならない。

    反訴 の提起

    訴 えの取下げ、  和解 、請求の  放棄 若しくは認諾又は  第四十八条 (第五十条第三項及び  第五十一条 において準用する  場合 を含む。)の規定による脱退

    控訴 、上告若しくは  第三百十八条第一項 の申立て又はこれらの  取下

    第三百六十条 (第三百六十七条第二項及び  第三百七十八条第二項 において準用する  場合 を含む。)の規定による  異議 の取下げ又はその  取下 げについての同意

    代理人 の選任

    訴訟代理権 は、制限することができない。ただし、  弁護士 でない訴訟代理人については、この限りでない。

    前三項 の規定は、  法令 により裁判上の  行為 をすることができる代理人の  権限 を妨げない。

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第五十六条 (個別代理)

   訴訟代理人 が数人あるときは、  各自当事者 を代理する。

    当事者 が前項の  規定 と異なる定めをしても、その効力を生じない。

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第五十七条 (当事者による更正)

   訴訟代理人 の事実に関する  陳述 は、当事者が直ちに取り消し、又は  更正 したときは、その効力を生じない。

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第五十八条 (訴訟代理権の不消滅)

   訴訟代理権 は、次に掲げる事由によっては、  消滅 しない。

    当事者 の死亡又は  訴訟能力 の喪失

    当事者 である法人の  合併 による消滅

    当事者 である受託者の  信託 の任務終了

    法定代理人 の死亡、  訴訟能力 の喪失又は  代理権 の消滅若しくは変更

    一定 の資格を有する者で  自己 の名で他人のために  訴訟 の当事者となるものの  訴訟代理人 の代理権は、  当事者 の死亡その他の  事由 による資格の  喪失 によっては、消滅しない。

    前項 の規定は、  選定当事者 が死亡その他の  事由 により資格を  喪失 した場合について  準用 する。

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第五十九条 (法定代理の規定の準用)

   第三十四条第一項 及び第二項並びに  第三十六条第一項 の規定は、  訴訟代理 について準用する。

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第六十条 (補佐人)

   当事者 又は訴訟代理人は、  裁判所 の許可を得て、  補佐人 とともに出頭することができる。

    前項 の許可は、いつでも取り消すことができる。

    補佐人 の陳述は、  当事者 又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は  更正 しないときは、当事者又は  訴訟代理人 が自らしたものとみなす。

   第四章 訴訟費用

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    第一節 訴訟費用の負担

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第六十一条 (訴訟費用の負担の原則)

   訴訟費用 は、敗訴の  当事者 の負担とする。

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第六十二条 (不必要な行為があった場合等の負担)

   裁判所 は、事情により、  勝訴 の当事者に、その  権利 の伸張若しくは  防御 に必要でない  行為 によって生じた訴訟費用又は  行為 の時における訴訟の  程度 において相手方の  権利 の伸張若しくは  防御 に必要であった  行為 によって生じた訴訟費用の  全部 又は一部を  負担 させることができる。

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第六十三条 (訴訟を遅滞させた場合の負担)

   当事者 が適切な  時期 に攻撃若しくは  防御 の方法を  提出 しないことにより、又は期日若しくは  期間 の不遵守その  他当事者 の責めに帰すべき事由により  訴訟 を遅滞させたときは、  裁判所 は、その当事者に、その  勝訴 の場合においても、  遅滞 によって生じた訴訟費用の  全部 又は一部を  負担 させることができる。

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第六十四条 (一部敗訴の場合の負担)

   一部敗訴 の場合における  各当事者 の訴訟費用の  負担 は、裁判所が、その  裁量 で定める。ただし、事情により、  当事者 の一方に  訴訟費用 の全部を  負担 させることができる。

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第六十五条 (共同訴訟の場合の負担)

   共同訴訟人 は、等しい割合で  訴訟費用 を負担する。ただし、  裁判所 は、事情により、  共同訴訟人 に連帯して  訴訟費用 を負担させ、又は他の  方法 により負担させることができる。

    裁判所 は、前項の  規定 にかかわらず、権利の  伸張 又は防御に  必要 でない行為をした  当事者 に、その行為によって生じた  訴訟費用 を負担させることができる。

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第六十六条 (補助参加の場合の負担)

   第六十一条 から前条までの  規定 は、補助参加についての  異議 によって生じた訴訟費用の  補助参加人 とその異議を述べた  当事者 との間における負担の  関係 及び補助参加によって生じた  訴訟費用 の補助参加人と  相手方 との間における負担の  関係 について準用する。

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第六十七条 (訴訟費用の負担の裁判)

   裁判所 は、事件を  完結 する裁判において、  職権 で、その審級における  訴訟費用 の全部について、その  負担 の裁判をしなければならない。ただし、  事情 により、事件の  一部 又は中間の争いに関する  裁判 において、その費用についての  負担 の裁判をすることができる。

    上級 の裁判所が  本案 の裁判を  変更 する場合には、  訴訟 の総費用について、その  負担 の裁判をしなければならない。  事件 の差戻し又は  移送 を受けた裁判所がその  事件 を完結する  裁判 をする場合も、  同様 とする。

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第六十八条 (和解の場合の負担)

   当事者 が裁判所において  和解 をした場合において、  和解 の費用又は  訴訟費用 の負担について  特別 の定めをしなかったときは、その費用は、  各自 が負担する。

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第六十九条 (法定代理人等の費用償還)

   法定代理人 、訴訟代理人、  裁判所書記官 又は執行官が  故意 又は重大な  過失 によって無益な  訴訟費用 を生じさせたときは、受訴裁判所は、  申立 てにより又は職権で、これらの者に対し、その  費用額 の償還を命ずることができる。

    前項 の規定は、  法定代理人 又は訴訟代理人として  訴訟行為 をした者が、その代理権又は  訴訟行為 をするのに必要な  授権 があることを証明することができず、かつ、  追認 を得ることができなかった場合において、その  訴訟行為 によって生じた訴訟費用について  準用 する。

    第一項 (前項において  準用 する場合を含む。)の  規定 による決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第七十条 (無権代理人の費用負担)

   前条第二項 に規定する  場合 において、裁判所が訴えを  却下 したときは、訴訟費用は、  代理人 として訴訟行為をした者の  負担 とする。

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第七十一条 (訴訟費用額の確定手続)

   訴訟費用 の負担の額は、その  負担 の裁判が  執行力 を生じた後に、申立てにより、  第一審裁判所 の裁判所書記官が定める。

    前項 の場合において、  当事者双方 が訴訟費用を  負担 するときは、最高裁判所規則で定める  場合 を除き、各当事者の  負担 すべき費用は、その  対当額 について相殺があったものとみなす。

    第一項 の申立てに関する  処分 は、相当と認める  方法 で告知することによって、その  効力 を生ずる。

    前項 の処分に対する  異議 の申立ては、その  告知 を受けた日から一週間の  不変期間内 にしなければならない。

    前項 の異議の  申立 ては、執行停止の  効力 を有する。

    裁判所 は、第一項の  規定 による額を定める処分に対する  異議 の申立てを  理由 があると認める場合において、  訴訟費用 の負担の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。

    第四項 の異議の  申立 てについての決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第七十二条 (和解の場合の費用額の確定手続)

   当事者 が裁判所において  和解 をした場合において、  和解 の費用又は  訴訟費用 の負担を定め、その額を定めなかったときは、その額は、  申立 てにより、第一審裁判所(  第二百七十五条 の和解にあっては、  和解 が成立した  裁判所 )の裁判所書記官が定める。この  場合 においては、前条第二項から  第七項 までの規定を  準用 する。

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第七十三条 (訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)

   訴訟 が裁判及び  和解 によらないで完結したときは、  申立 てにより、第一審裁判所は  決定 で訴訟費用の  負担 を命じ、その裁判所の  裁判所書記官 はその決定が  執行力 を生じた後にその負担の額を定めなければならない。  補助参加 の申出の  取下 げ又は補助参加についての  異議 の取下げがあった  場合 も、同様とする。

    第六十一条 から第六十六条まで及び  第七十一条第七項 の規定は  前項 の申立てについての  決定 について、同条第二項及び  第三項 の規定は  前項 の申立てに関する  裁判所書記官 の処分について、  同条第四項 から第七項までの  規定 はその処分に対する  異議 の申立てについて  準用 する。

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第七十四条 (費用額の確定処分の更正)

   第七十一条第一項 、第七十二条又は  前条第一項 の規定による額を定める  処分 に計算違い、  誤記 その他これらに類する明白な誤りがあるときは、  裁判所書記官 は、申立てにより又は  職権 で、いつでもその処分を  更正 することができる。

    第七十一条第三項 から第五項まで及び  第七項 の規定は、  前項 の規定による  更正 の処分及びこれに対する  異議 の申立てについて  準用 する。

    第一項 に規定する額を定める  処分 に対し適法な  異議 の申立てがあったときは、  前項 の異議の  申立 ては、することができない。

    第二節 訴訟費用の担保

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第七十五条 (担保提供命令)

   原告 が日本国内に  住所 、事務所及び  営業所 を有しないときは、裁判所は、  被告 の申立てにより、  決定 で、訴訟費用の  担保 を立てるべきことを原告に命じなければならない。その  担保 に不足を生じたときも、  同様 とする。

    前項 の規定は、  金銭 の支払の  請求 の一部について争いがない  場合 において、その額が担保として  十分 であるときは、適用しない。

    被告 は、担保を立てるべき  事由 があることを知った後に  本案 について弁論をし、又は  弁論準備手続 において申述をしたときは、  第一項 の申立てをすることができない。

    第一項 の申立てをした  被告 は、原告が  担保 を立てるまで応訴を拒むことができる。

    裁判所 は、第一項の  決定 において、担保の額及び  担保 を立てるべき期間を定めなければならない。

    担保 の額は、被告が  全審級 において支出すべき  訴訟費用 の総額を  標準 として定める。

    第一項 の申立てについての  決定 に対しては、即時抗告をすることができる。

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第七十六条 (担保提供の方法)

   担保 を立てるには、担保を立てるべきことを命じた  裁判所 の所在地を  管轄 する地方裁判所の  管轄区域内 の供託所に  金銭 又は裁判所が  相当 と認める有価証券(  社債等 の振替に関する  法律 (平成十三年法律第七十五号)  第百二十九条第一項 に規定する  振替社債等 を含む。次条において同じ。)を  供託 する方法その  他最高裁判所規則 で定める方法によらなければならない。ただし、  当事者 が特別の  契約 をしたときは、その契約による。

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第七十七条 (担保物に対する被告の権利)

   被告 は、訴訟費用に関し、  前条 の規定により  供託 した金銭又は  有価証券 について、他の債権者に  先立 ち弁済を受ける  権利 を有する。

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第七十八条 (担保不提供の効果)

   原告 が担保を立てるべき  期間内 にこれを立てないときは、裁判所は、  口頭弁論 を経ないで、判決で、訴えを  却下 することができる。ただし、判決前に  担保 を立てたときは、この限りでない。

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第七十九条 (担保の取消し)

   担保 を立てた者が担保の  事由 が消滅したことを  証明 したときは、裁判所は、  申立 てにより、担保の  取消 しの決定をしなければならない。

    担保 を立てた者が担保の  取消 しについて担保権利者の  同意 を得たことを証明したときも、  前項 と同様とする。

    訴訟 の完結後、  裁判所 が、担保を立てた者の  申立 てにより、担保権利者に対し、  一定 の期間内にその  権利 を行使すべき旨を  催告 し、担保権利者がその  行使 をしないときは、担保の  取消 しについて担保権利者の  同意 があったものとみなす。

    第一項 及び第二項の  規定 による決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第八十条 (担保の変換)

   裁判所 は、担保を立てた者の  申立 てにより、決定で、その  担保 の変換を命ずることができる。ただし、その  担保 を契約によって他の  担保 に変換することを妨げない。

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第八十一条 (他の法令による担保への準用)

   第七十五条第四項 、第五項及び  第七項並 びに第七十六条から  前条 までの規定は、他の  法令 により訴えの提起について立てるべき  担保 について準用する。

    第三節 訴訟上の救助

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第八十二条 (救助の付与)

   訴訟 の準備及び  追行 に必要な  費用 を支払う  資力 がない者又はその支払により  生活 に著しい支障を生ずる者に対しては、  裁判所 は、申立てにより、  訴訟上 の救助の  決定 をすることができる。ただし、勝訴の  見込 みがないとはいえないときに限る。

    訴訟上 の救助の  決定 は、審級ごとにする。

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第八十三条 (救助の効力等)

   訴訟上 の救助の  決定 は、その定めるところに従い、訴訟及び  強制執行 について、次に掲げる効力を有する。

    裁判費用並 びに執行官の  手数料 及びその職務の  執行 に要する費用の  支払 の猶予

    裁判所 において付添いを命じた  弁護士 の報酬及び  費用 の支払の猶予

    訴訟費用 の担保の免除

    訴訟上 の救助の  決定 は、これを受けた者のためにのみその効力を有する。

    裁判所 は、訴訟の  承継人 に対し、決定で、  猶予 した費用の  支払 を命ずる。

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第八十四条 (救助の決定の取消し)

   訴訟上 の救助の  決定 を受けた者が第八十二条第一項本文に  規定 する要件を欠くことが  判明 し、又はこれを欠くに至ったときは、  訴訟記録 の存する裁判所は、  利害関係人 の申立てにより又は  職権 で、決定により、いつでも  訴訟上 の救助の  決定 を取り消し、猶予した  費用 の支払を命ずることができる。

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第八十五条 (猶予された費用等の取立方法)

   訴訟上 の救助の  決定 を受けた者に支払を  猶予 した費用は、これを  負担 することとされた相手方から  直接 に取り立てることができる。この場合において、  弁護士 又は執行官は、  報酬 又は手数料及び  費用 について、訴訟上の  救助 の決定を受けた者に代わり、  第七十一条第一項 、第七十二条又は  第七十三条第一項 の申立て及び  強制執行 をすることができる。

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第八十六条 (即時抗告)

    この節に規定する  決定 に対しては、即時抗告をすることができる。

   第五章 訴訟手続

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    第一節 訴訟の審理等

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第八十七条 (口頭弁論の必要性)

   当事者 は、訴訟について、  裁判所 において口頭弁論をしなければならない。ただし、  決定 で完結すべき  事件 については、裁判所が、  口頭弁論 をすべきか否かを定める。

    前項 ただし書の規定により  口頭弁論 をしない場合には、  裁判所 は、当事者を  審尋 することができる。

    前二項 の規定は、  特別 の定めがある場合には、  適用 しない。

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第八十八条 (受命裁判官による審尋)

   裁判所 は、審尋をする  場合 には、受命裁判官にこれを行わせることができる。

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第八十九条 (和解の試み)

   裁判所 は、訴訟がいかなる  程度 にあるかを問わず、和解を試み、又は  受命裁判官 若しくは受託裁判官に  和解 を試みさせることができる。

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第九十条 (訴訟手続に関する異議権の喪失)

   当事者 が訴訟手続に関する  規定 の違反を知り、又は知ることができた  場合 において、遅滞なく  異議 を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、  放棄 することができないものについては、この限りでない。

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第九十一条 (訴訟記録の閲覧等)

   何人 も、裁判所書記官に対し、  訴訟記録 の閲覧を  請求 することができる。

    公開 を禁止した  口頭弁論 に係る訴訟記録については、  当事者 及び利害関係を  疎明 した第三者に限り、  前項 の規定による  請求 をすることができる。

    当事者 及び利害関係を  疎明 した第三者は、  裁判所書記官 に対し、訴訟記録の  謄写 、その正本、  謄本 若しくは抄本の  交付 又は訴訟に関する  事項 の証明書の  交付 を請求することができる。

    前項 の規定は、  訴訟記録中 の録音テ  ープ 又はビデオテ  ープ (これらに準ずる方法により  一定 の事項を  記録 した物を含む。)に関しては、適用しない。この  場合 において、これらの物について当事者又は  利害関係 を疎明した  第三者 の請求があるときは、  裁判所書記官 は、その複製を許さなければならない。

    訴訟記録 の閲覧、  謄写 及び複製の  請求 は、訴訟記録の  保存 又は裁判所の  執務 に支障があるときは、することができない。

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第九十二条 (秘密保護のための閲覧等の制限)

   次 に掲げる事由につき  疎明 があった場合には、  裁判所 は、当該当事者の  申立 てにより、決定で、  当該訴訟記録中当該秘密 が記載され、又は  記録 された部分の  閲覧 若しくは謄写、その  正本 、謄本若しくは  抄本 の交付又はその  複製 (以下「  秘密記載部分 の閲覧等」という。)の  請求 をすることができる者を当事者に限ることができる。

    訴訟記録中 に当事者の  私生活 についての重大な  秘密 が記載され、又は  記録 されており、かつ、第三者が  秘密記載部分 の閲覧等を行うことにより、その  当事者 が社会生活を営むのに著しい  支障 を生ずるおそれがあること。

    訴訟記録中 に当事者が  保有 する営業秘密(  不正競争防止法第二条第六項 に規定する  営業秘密 をいう。第百三十二条の  二第一項第三号 及び第二項において同じ。)が  記載 され、又は記録されていること。

    前項 の申立てがあったときは、その  申立 てについての裁判が  確定 するまで、第三者は、  秘密記載部分 の閲覧等の  請求 をすることができない。

    秘密記載部分 の閲覧等の  請求 をしようとする第三者は、  訴訟記録 の存する裁判所に対し、  第一項 に規定する  要件 を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを  理由 として、同項の  決定 の取消しの  申立 てをすることができる。

    第一項 の申立てを  却下 した裁判及び  前項 の申立てについての  裁判 に対しては、即時抗告をすることができる。

    第一項 の決定を取り消す  裁判 は、確定しなければその  効力 を生じない。

    第二節 専門委員等

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     第一款 専門委員

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第九十二条の二 (専門委員の関与)

   裁判所 は、争点若しくは  証拠 の整理又は  訴訟手続 の進行に関し  必要 な事項の  協議 をするに当たり、訴訟関係を  明瞭 にし、又は訴訟手続の  円滑 な進行を図るため  必要 があると認めるときは、当事者の  意見 を聴いて、決定で、  専門的 な知見に基づく  説明 を聴くために専門委員を  手続 に関与させることができる。この  場合 において、専門委員の  説明 は、裁判長が  書面 により又は口頭弁論若しくは  弁論準備手続 の期日において  口頭 でさせなければならない。

    裁判所 は、証拠調べをするに当たり、  訴訟関係 又は証拠調べの  結果 の趣旨を  明瞭 にするため必要があると認めるときは、  当事者 の意見を聴いて、  決定 で、証拠調べの  期日 において専門的な  知見 に基づく説明を聴くために  専門委員 を手続に  関与 させることができる。この場合において、  証人 若しくは当事者本人の  尋問 又は鑑定人質問の  期日 において専門委員に  説明 をさせるときは、裁判長は、  当事者 の同意を得て、  訴訟関係 又は証拠調べの  結果 の趣旨を  明瞭 にするために必要な  事項 について専門委員が  証人 、当事者本人又は  鑑定人 に対し直接に問いを発することを許すことができる。

    裁判所 は、和解を試みるに当たり、  必要 があると認めるときは、当事者の  同意 を得て、決定で、  当事者双方 が立ち会うことができる和解を試みる  期日 において専門的な  知見 に基づく説明を聴くために  専門委員 を手続に  関与 させることができる。

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第九十二条の三 (音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)

   裁判所 は、前条各項の  規定 により専門委員を  手続 に関与させる  場合 において、専門委員が  遠隔 の地に居住しているときその  他相当 と認めるときは、当事者の  意見 を聴いて、同条各項の  期日 において、最高裁判所規則で定めるところにより、  裁判所 及び当事者双方が  専門委員 との間で音声の  送受信 により同時に  通話 をすることができる方法によって、  専門委員 に同条各項の  説明 又は発問をさせることができる。

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第九十二条の四 (専門委員の関与の決定の取消し)

   裁判所 は、相当と認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  専門委員 を手続に  関与 させる決定を取り消すことができる。ただし、  当事者双方 の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。

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第九十二条の五 (専門委員の指定及び任免等)

   専門委員 の員数は、  各事件 について一人以上とする。

    第九十二条 の二の規定により  手続 に関与させる  専門委員 は、当事者の  意見 を聴いて、裁判所が  各事件 について指定する。

    専門委員 は、非常勤とし、その  任免 に関し必要な  事項 は、最高裁判所規則で定める。

    専門委員 には、別に法律で定めるところにより  手当 を支給し、並びに  最高裁判所規則 で定める額の旅費、  日当 及び宿泊料を  支給 する。

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第九十二条の六 (専門委員の除斥及び忌避)

   第二十三条 から第二十五条まで(  同条第二項 を除く。)の規定は、  専門委員 について準用する。

    専門委員 について除斥又は  忌避 の申立てがあったときは、その  専門委員 は、その申立てについての  決定 が確定するまでその  申立 てがあった事件の  手続 に関与することができない。

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第九十二条の七 (受命裁判官等の権限)

   受命裁判官 又は受託裁判官が  第九十二条 の二各項の  手続 を行う場合には、  同条 から第九十二条の四まで及び  第九十二条 の五第二項の  規定 による裁判所及び  裁判長 の職務は、その  裁判官 が行う。ただし、第九十二条の  二第二項 の手続を行う  場合 には、専門委員を  手続 に関与させる  決定 、その決定の  取消 し及び専門委員の  指定 は、受訴裁判所がする。

     第二款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務等

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第九十二条の八 (知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務)

   裁判所 は、必要があると認めるときは、  高等裁判所 又は地方裁判所において  知的財産 に関する事件の  審理 及び裁判に関して  調査 を行う裁判所調査官に、  当該事件 において次に掲げる事務を行わせることができる。この  場合 において、当該裁判所調査官は、  裁判長 の命を受けて、当該事務を行うものとする。

    次 に掲げる期日又は  手続 において、訴訟関係を  明瞭 にするため、事実上及び  法律上 の事項に関し、  当事者 に対して問いを発し、又は立証を促すこと。

   口頭弁論 又は審尋の期日

   争点 又は証拠の  整理 を行うための手続

   文書 の提出義務又は  検証 の目的の  提示義務 の有無を  判断 するための手続

   争点 又は証拠の  整理 に係る事項その  他訴訟手続 の進行に関し  必要 な事項についての  協議 を行うための手続

    証拠調 べの期日において、  証人 、当事者本人又は  鑑定人 に対し直接に問いを発すること。

    和解 を試みる期日において、  専門的 な知見に基づく  説明 をすること。

    裁判官 に対し、事件につき  意見 を述べること。

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第九十二条の九 (知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避)

   第二十三条 から第二十五条までの  規定 は、前条の  事務 を行う裁判所調査官について  準用 する。

    前条 の事務を行う  裁判所調査官 について除斥又は  忌避 の申立てがあったときは、その  裁判所調査官 は、その申立てについての  決定 が確定するまでその  申立 てがあった事件に  関与 することができない。

    第三節 期日及び期間

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第九十三条 (期日の指定及び変更)

   期日 は、申立てにより又は  職権 で、裁判長が  指定 する。

    期日 は、やむを得ない場合に限り、  日曜日 その他の一般の  休日 に指定することができる。

    口頭弁論 及び弁論準備手続の  期日 の変更は、  顕著 な事由がある  場合 に限り許す。ただし、最初の  期日 の変更は、  当事者 の合意がある  場合 にも許す。

    前項 の規定にかかわらず、  弁論準備手続 を経た口頭弁論の  期日 の変更は、やむを得ない  事由 がある場合でなければ、許すことができない。

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第九十四条 (期日の呼出し)

   期日 の呼出しは、  呼出状 の送達、  当該事件 について出頭した者に対する  期日 の告知その  他相当 と認める方法によってする。

    呼出状 の送達及び  当該事件 について出頭した者に対する  期日 の告知以外の  方法 による期日の  呼出 しをしたときは、期日に  出頭 しない当事者、  証人 又は鑑定人に対し、  法律上 の制裁その  他期日 の不遵守による  不利益 を帰することができない。ただし、これらの者が期日の  呼出 しを受けた旨を記載した  書面 を提出したときは、この限りでない。

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第九十五条 (期間の計算)

   期間 の計算については、  民法 の期間に関する  規定 に従う。

    期間 を定める裁判において  始期 を定めなかったときは、期間は、その  裁判 が効力を生じた時から  進行 を始める。

    期間 の末日が  日曜日 、土曜日、  国民 の祝日に関する  法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に  規定 する休日、  一月二日 、一月三日又は  十二月二十九日 から十二月三十一日までの日に当たるときは、  期間 は、その翌日に  満了 する。

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第九十六条 (期間の伸縮及び付加期間)

   裁判所 は、法定の  期間 又はその定めた期間を  伸長 し、又は短縮することができる。ただし、  不変期間 については、この限りでない。

    不変期間 については、裁判所は、  遠隔 の地に住所又は  居所 を有する者のために付加期間を定めることができる。

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第九十七条 (訴訟行為の追完)

   当事者 がその責めに帰することができない事由により  不変期間 を遵守することができなかった  場合 には、その事由が  消滅 した後一週間以内に限り、  不変期間内 にすべき訴訟行為の  追完 をすることができる。ただし、外国に在る  当事者 については、この期間は、  二月 とする。

    前項 の期間については、  前条第一項本文 の規定は、  適用 しない。

    第四節 送達

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第九十八条 (職権送達の原則等)

   送達 は、特別の定めがある  場合 を除き、職権でする。

    送達 に関する事務は、  裁判所書記官 が取り扱う。

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第九十九条 (送達実施機関)

   送達 は、特別の定めがある  場合 を除き、郵便又は  執行官 によってする。

    郵便 による送達にあっては、  郵便 の業務に  従事 する者を送達をする  公務員 とする。

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第百条 (裁判所書記官による送達)

   裁判所書記官 は、その所属する  裁判所 の事件について  出頭 した者に対しては、自ら送達をすることができる。

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第百一条 (交付送達の原則)

   送達 は、特別の定めがある  場合 を除き、送達を受けるべき者に  送達 すべき書類を  交付 してする。

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第百二条 (訴訟無能力者等に対する送達)

   訴訟無能力者 に対する送達は、その  法定代理人 にする。

    数人 が共同して  代理権 を行うべき場合には、  送達 は、その一人にすれば足りる。

    刑事施設 に収容されている者に対する  送達 は、刑事施設の長にする。

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第百三条 (送達場所)

   送達 は、送達を受けるべき者の  住所 、居所、  営業所 又は事務所(  以下 この節において「住所等」という。)においてする。ただし、  法定代理人 に対する送達は、  本人 の営業所又は  事務所 においてもすることができる。

    前項 に定める場所が知れないとき、又はその  場所 において送達をするのに  支障 があるときは、送達は、  送達 を受けるべき者が雇用、  委任 その他の法律上の  行為 に基づき就業する  他人 の住所等(  以下 「就業場所」という。)においてすることができる。  送達 を受けるべき者(次条第一項に  規定 する者を除く。)が就業場所において  送達 を受ける旨の申述をしたときも、  同様 とする。

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第百四条 (送達場所等の届出)

   当事者 、法定代理人又は  訴訟代理人 は、送達を受けるべき  場所 (日本国内に限る。)を  受訴裁判所 に届け出なければならない。この場合においては、  送達受取人 をも届け出ることができる。

    前項前段 の規定による  届出 があった場合には、  送達 は、前条の  規定 にかかわらず、その届出に係る  場所 においてする。

    第一項前段 の規定による  届出 をしない者で次の各号に掲げる  送達 を受けたものに対するその後の送達は、  前条 の規定にかかわらず、それぞれ  当該各号 に定める場所においてする。

    前条 の規定による送達

        その送達をした場所

    次条後段 の規定による  送達 のうち郵便の  業務 に従事する者が  郵便局 においてするもの及び第百六条第一項後段の  規定 による送達

        その送達において  送達 をすべき場所とされていた場所

    第百七条第一項第一号 の規定による送達

        その送達においてあて先とした場所

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第百五条 (出会送達)

   前二条 の規定にかかわらず、  送達 を受けるべき者で日本国内に  住所等 を有することが明らかでないもの(前条第一項前段の  規定 による届出をした者を除く。)に対する  送達 は、その者に出会った  場所 においてすることができる。日本国内に  住所等 を有することが明らかな者又は同項前段の  規定 による届出をした者が  送達 を受けることを拒まないときも、同様とする。

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第百六条 (補充送達及び差置送達)

   就業場所以外 の送達をすべき  場所 において送達を受けるべき者に  出会 わないときは、使用人その他の  従業者 又は同居者であって、  書類 の受領について  相当 のわきまえのあるものに書類を  交付 することができる。郵便の  業務 に従事する者が  郵便局 において書類を  交付 すべきときも、同様とする。

    就業場所 (第百四条第一項前段の  規定 による届出に係る  場所 が就業場所である  場合 を含む。)において送達を受けるべき者に  出会 わない場合において、  第百三条第二項 の他人又はその  法定代理人 若しくは使用人その他の  従業者 であって、書類の  受領 について相当のわきまえのあるものが  書類 の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に  書類 を交付することができる。

    送達 を受けるべき者又は第一項前段の  規定 により書類の  交付 を受けるべき者が正当な  理由 なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき  場所 に書類を差し置くことができる。

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第百七条 (書留郵便等に付する送達)

   前条 の規定により  送達 をすることができない場合には、  裁判所書記官 は、次の各号に掲げる  区分 に応じ、それぞれ当該各号に定める  場所 にあてて、書類を  書留郵便 又は民間事業者による  信書 の送達に関する  法律 (平成十四年法律第九十九号)  第二条第六項 に規定する  一般信書便事業者 若しくは同条第九項 に  規定 する特定信書便事業者の  提供 する同条第二項 に  規定 する信書便の  役務 のうち書留郵便に準ずるものとして  最高裁判所規則 で定めるもの(次項及び  第三項 において「書留郵便等」という。)に付して  発送 することができる。

    第百三条 の規定による  送達 をすべき場合

       同条第一項 に定める場所

    第百四条第二項 の規定による  送達 をすべき場合

       同項 の場所

    第百四条第三項 の規定による  送達 をすべき場合

       同項 の場所(その  場所 が就業場所である  場合 にあっては、訴訟記録に表れたその者の  住所等

    前項第二号 又は第三号の  規定 により書類を  書留郵便等 に付して発送した  場合 には、その後に送達すべき  書類 は、同項第二号又は  第三号 に定める場所にあてて、  書留郵便等 に付して発送することができる。

    前二項 の規定により  書類 を書留郵便等に付して  発送 した場合には、その  発送 の時に、送達があったものとみなす。

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第百八条 (外国における送達)

   外国 においてすべき送達は、  裁判長 がその国の管轄官庁又はその国に  駐在 する日本の  大使 、公使若しくは  領事 に嘱託してする。

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第百九条 (送達報告書)

   送達 をした公務員は、  書面 を作成し、  送達 に関する事項を  記載 して、これを裁判所に  提出 しなければならない。

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第百十条 (公示送達の要件)

   次 に掲げる場合には、  裁判所書記官 は、申立てにより、  公示送達 をすることができる。

    当事者 の住所、  居所 その他送達をすべき  場所 が知れない場合

    第百七条第一項 の規定により  送達 をすることができない場合

    外国 においてすべき送達について、  第百八条 の規定によることができず、又はこれによっても  送達 をすることができないと認めるべき場合

    第百八条 の規定により  外国 の管轄官庁に  嘱託 を発した後六月を  経過 してもその送達を証する  書面 の送付がない場合

    前項 の場合において、  裁判所 は、訴訟の  遅滞 を避けるため必要があると認めるときは、  申立 てがないときであっても、裁判所書記官に  公示送達 をすべきことを命ずることができる。

    同一 の当事者に対する  二回目以降 の公示送達は、  職権 でする。ただし、第一項第四号に掲げる  場合 は、この限りでない。

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第百十一条 (公示送達の方法)

   公示送達 は、裁判所書記官が  送達 すべき書類を  保管 し、いつでも送達を受けるべき者に  交付 すべき旨を裁判所の  掲示場 に掲示してする。

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第百十二条 (公示送達の効力発生の時期)

   公示送達 は、前条の  規定 による掲示を始めた日から  二週間 を経過することによって、その  効力 を生ずる。ただし、第百十条第三項の  公示送達 は、掲示を始めた日の  翌日 にその効力を生ずる。

    外国 においてすべき送達についてした  公示送達 にあっては、前項の  期間 は、六週間とする。

    前二項 の期間は、  短縮 することができない。

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第百十三条 (公示送達による意思表示の到達)

   訴訟 の当事者が  相手方 の所在を知ることができない  場合 において、相手方に対する  公示送達 がされた書類に、その  相手方 に対しその訴訟の  目的 である請求又は  防御 の方法に関する  意思表示 をする旨の記載があるときは、その  意思表示 は、第百十一条の  規定 による掲示を始めた日から  二週間 を経過した時に、  相手方 に到達したものとみなす。この  場合 においては、民法第九十八条第三項 ただし書の  規定 を準用する。

    第五節 裁判

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第百十四条 (既判力の範囲)

   確定判決 は、主文に  包含 するものに限り、既判力を有する。

    相殺 のために主張した  請求 の成立又は  不成立 の判断は、  相殺 をもって対抗した額について  既判力 を有する。

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第百十五条 (確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

   確定判決 は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

一  当事者

    当事者 が他人のために  原告 又は被告となった  場合 のその他人

    前二号 に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

    前三号 に掲げる者のために請求の  目的物 を所持する者

    前項 の規定は、  仮執行 の宣言について  準用 する。

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第百十六条 (判決の確定時期)

   判決 は、控訴若しくは  上告 (第三百二十七条第一項(  第三百八十条第二項 において準用する  場合 を含む。)の上告を除く。)の  提起 、第三百十八条第一項の  申立 て又は第三百五十七条(  第三百六十七条第二項 において準用する  場合 を含む。)若しくは第三百七十八条第一項の  規定 による異議の  申立 てについて定めた期間の  満了前 には、確定しないものとする。

    判決 の確定は、  前項 の期間内にした  控訴 の提起、  同項 の上告の  提起 又は同項の  申立 てにより、遮断される。

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第百十七条 (定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)

   口頭弁論終結前 に生じた損害につき  定期金 による賠償を命じた  確定判決 について、口頭弁論終結後に、  後遺障害 の程度、  賃金水準 その他の損害額の  算定 の基礎となった  事情 に著しい変更が生じた  場合 には、その判決の  変更 を求める訴えを提起することができる。ただし、その訴えの  提起 の日以後に  支払期限 が到来する  定期金 に係る部分に限る。

    前項 の訴えは、第一審裁判所の  管轄 に専属する。

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第百十八条 (外国裁判所の確定判決の効力)

   外国裁判所 の確定判決は、次に掲げる  要件 のすべてを具備する  場合 に限り、その効力を有する。

    法令 又は条約により  外国裁判所 の裁判権が認められること。

    敗訴 の被告が  訴訟 の開始に  必要 な呼出し若しくは  命令 の送達(  公示送達 その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが  応訴 したこと。

    判決 の内容及び  訴訟手続 が日本における公の  秩序 又は善良の  風俗 に反しないこと。

    相互 の保証があること。

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第百十九条 (決定及び命令の告知)

   決定 及び命令は、  相当 と認める方法で  告知 することによって、その効力を生ずる。

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第百二十条 (訴訟指揮に関する裁判の取消し)

   訴訟 の指揮に関する  決定 及び命令は、いつでも取り消すことができる。

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第百二十一条 (裁判所書記官の処分に対する異議)

   裁判所書記官 の処分に対する  異議 の申立てについては、その  裁判所書記官 の所属する  裁判所 が、決定で、  裁判 をする。

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第百二十二条 (判決に関する規定の準用)

   決定 及び命令には、その  性質 に反しない限り、判決に関する  規定 を準用する。

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第百二十三条 (判事補の権限)

   判決以外 の裁判は、  判事補 が単独ですることができる。

    第六節 訴訟手続の中断及び中止

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第百二十四条 (訴訟手続の中断及び受継)

   次 の各号に掲げる  事由 があるときは、訴訟手続は、  中断 する。この場合においては、それぞれ  当該各号 に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。

    当事者 の死亡

       相続人 、相続財産管理人その  他法令 により訴訟を  続行 すべき者

    当事者 である法人の  合併 による消滅

       合併 によって設立された  法人 又は合併後存続する法人

    当事者 の訴訟能力の  喪失 又は法定代理人の  死亡 若しくは代理権の消滅

       法定代理人 又は訴訟能力を有するに  至っ た当事者

    当事者 である受託者の  信託 の任務終了

     新受託者

    一定 の資格を有する者で  自己 の名で他人のために  訴訟 の当事者となるものの  死亡 その他の事由による  資格 の喪失

       同一 の資格を有する者

    選定当事者 の全員の  死亡 その他の事由による  資格 の喪失

       選定者 の全員又は新たな選定当事者

    前項 の規定は、  訴訟代理人 がある間は、適用しない。

    第一項第一号 に掲げる事由がある  場合 においても、相続人は、  相続 の放棄をすることができる間は、  訴訟手続 を受け継ぐことができない。

    第一項第二号 の規定は、  合併 をもって相手方に  対抗 することができない場合には、  適用 しない。

    第一項第三号 の法定代理人が  保佐人 又は補助人である  場合 にあっては、同号の  規定 は、次に掲げるときには、適用しない。

    被保佐人 又は被補助人が  訴訟行為 をすることについて保佐人又は  補助人 の同意を得ることを要しないとき。

    被保佐人 又は被補助人が  前号 に規定する  同意 を得ることを要する場合において、その  同意 を得ているとき。

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第百二十五条  削除

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第百二十六条 (相手方による受継の申立て)

   訴訟手続 の受継の  申立 ては、相手方もすることができる。

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第百二十七条 (受継の通知)

   訴訟手続 の受継の  申立 てがあった場合には、  裁判所 は、相手方に  通知 しなければならない。

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第百二十八条 (受継についての裁判)

   訴訟手続 の受継の  申立 てがあった場合には、  裁判所 は、職権で  調査 し、理由がないと認めるときは、  決定 で、その申立てを  却下 しなければならない。

    判決書 又は第二百五十四条第二項(  第三百七十四条第二項 において準用する  場合 を含む。)の調書の  送達後 に中断した  訴訟手続 の受継の  申立 てがあった場合には、その  判決 をした裁判所は、その  申立 てについて裁判をしなければならない。

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第百二十九条 (職権による続行命令)

   当事者 が訴訟手続の  受継 の申立てをしない  場合 においても、裁判所は、  職権 で、訴訟手続の  続行 を命ずることができる。

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第百三十条 (裁判所の職務執行不能による中止)

   天災 その他の事由によって  裁判所 が職務を行うことができないときは、  訴訟手続 は、その事由が  消滅 するまで中止する。

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第百三十一条 (当事者の故障による中止)

   当事者 が不定期間の  故障 により訴訟手続を  続行 することができないときは、裁判所は、  決定 で、その中止を命ずることができる。

    裁判所 は、前項の  決定 を取り消すことができる。

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第百三十二条 (中断及び中止の効果)

   判決 の言渡しは、  訴訟手続 の中断中であっても、することができる。

    訴訟手続 の中断又は  中止 があったときは、期間は、  進行 を停止する。この  場合 においては、訴訟手続の  受継 の通知又はその  続行 の時から、新たに全期間の  進行 を始める。

   第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等

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第百三十二条の二 (訴えの提起前における照会)

   訴 えを提起しようとする者が訴えの  被告 となるべき者に対し訴えの提起を  予告 する通知を  書面 でした場合(  以下 この章において当該通知を「  予告通知 」という。)には、その予告通知をした者(  以下 この章において「予告通知者」という。)は、その  予告通知 を受けた者に対し、その予告通知をした日から  四月以内 に限り、訴えの提起前に、訴えを  提起 した場合の  主張 又は立証を  準備 するために必要であることが明らかな  事項 について、相当の  期間 を定めて、書面で  回答 するよう、書面で  照会 をすることができる。ただし、その照会が次の  各号 のいずれかに該当するときは、この限りでない。

    第百六十三条各号 のいずれかに該当する照会

    相手方 又は第三者の  私生活 についての秘密に関する  事項 についての照会であって、これに  回答 することにより、その相手方又は  第三者 が社会生活を営むのに  支障 を生ずるおそれがあるもの

    相手方 又は第三者の  営業秘密 に関する事項についての照会

    前項第二号 に規定する  第三者 の私生活についての  秘密 又は同項第三号に  規定 する第三者の  営業秘密 に関する事項についての  照会 については、相手方がこれに  回答 することをその第三者が  承諾 した場合には、これらの  規定 は、適用しない。

    予告通知 の書面には、  提起 しようとする訴えに係る請求の  要旨 及び紛争の  要点 を記載しなければならない。

    第一項 の照会は、既にした  予告通知 と重複する  予告通知 に基づいては、することができない。

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第百三十二条の三

   予告通知 を受けた者(以下この章において「  被予告通知者 」という。)は、予告通知者に対し、その  予告通知 の書面に  記載 された前条第三項の  請求 の要旨及び  紛争 の要点に対する  答弁 の要旨を  記載 した書面でその  予告通知 に対する返答をしたときは、  予告通知者 に対し、その予告通知がされた日から  四月以内 に限り、訴えの提起前に、訴えを  提起 された場合の  主張 又は立証を  準備 するために必要であることが明らかな  事項 について、相当の  期間 を定めて、書面で  回答 するよう、書面で  照会 をすることができる。この場合においては、  同条第一項 ただし書及び同条第二項の  規定 を準用する。

    前項 の照会は、既にされた  予告通知 と重複する  予告通知 に対する返答に基づいては、することができない。

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第百三十二条の四 (訴えの提起前における証拠収集の処分)

   裁判所 は、予告通知者又は  前条第一項 の返答をした  被予告通知者 の申立てにより、  当該予告通知 に係る訴えが提起された  場合 の立証に  必要 であることが明らかな証拠となるべきものについて、  申立人 がこれを自ら収集することが  困難 であると認められるときは、その予告通知又は  返答 の相手方(  以下 この章において単に「相手方」という。)の  意見 を聴いて、訴えの提起前に、その  収集 に係る次に掲げる処分をすることができる。ただし、その  収集 に要すべき時間又は  嘱託 を受けるべき者の負担が  不相当 なものとなることその他の事情により、  相当 でないと認めるときは、この限りでない。

    文書 (第二百三十一条に  規定 する物件を含む。  以下 この章において同じ。)の所持者にその  文書 の送付を  嘱託 すること。

    必要 な調査を  官庁 若しくは公署、  外国 の官庁若しくは  公署 又は学校、  商工会議所 、取引所その他の  団体 (次条第一項第二号において「  官公署等 」という。)に嘱託すること。

    専門的 な知識経験を有する者にその  専門的 な知識経験に基づく  意見 の陳述を  嘱託 すること。

    執行官 に対し、物の形状、  占有関係 その他の現況について  調査 を命ずること。

    前項 の処分の  申立 ては、予告通知がされた日から  四月 の不変期間内にしなければならない。ただし、その  期間 の経過後にその  申立 てをすることについて相手方の  同意 があるときは、この限りでない。

    第一項 の処分の  申立 ては、既にした予告通知と  重複 する予告通知又はこれに対する  返答 に基づいては、することができない。

    裁判所 は、第一項の  処分 をした後において、同項ただし書に  規定 する事情により  相当 でないと認められるに至ったときは、その  処分 を取り消すことができる。

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第百三十二条の五 (証拠収集の処分の管轄裁判所等)

   次 の各号に掲げる  処分 の申立ては、それぞれ  当該各号 に定める地を管轄する  地方裁判所 にしなければならない。

    前条第一項第一号 の処分の  申立 て 申立人若しくは  相手方 の普通裁判籍の  所在地 又は文書を  所持 する者の居所

    前条第一項第二号 の処分の  申立 て 申立人若しくは  相手方 の普通裁判籍の  所在地 又は調査の  嘱託 を受けるべき官公署等の所在地

    前条第一項第三号 の処分の  申立 て 申立人若しくは  相手方 の普通裁判籍の  所在地 又は特定の物につき  意見 の陳述の  嘱託 がされるべき場合における  当該特定 の物の所在地

    前条第一項第四号 の処分の  申立 て 調査に係る物の所在地

    第十六条第一項 、第二十一条及び  第二十二条 の規定は、  前条第一項 の処分の  申立 てに係る事件について  準用 する。

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第百三十二条の六 (証拠収集の処分の手続等)

   裁判所 は、第百三十二条の  四第一項第一号 から第三号までの  処分 をする場合には、  嘱託 を受けた者が文書の  送付 、調査結果の  報告 又は意見の  陳述 をすべき期間を定めなければならない。

    第百三十二条 の四第一項第二号の  嘱託 若しくは同項第四号の  命令 に係る調査結果の  報告 又は同項第三号の  嘱託 に係る意見の  陳述 は、書面でしなければならない。

    裁判所 は、第百三十二条の  四第一項 の処分に基づいて  文書 の送付、  調査結果 の報告又は  意見 の陳述がされたときは、  申立人 及び相手方にその旨を  通知 しなければならない。

    裁判所 は、次条の定める  手続 による申立人及び  相手方 の利用に供するため、  前項 に規定する  通知 を発した日から一月間、  送付 に係る文書又は  調査結果 の報告若しくは  意見 の陳述に係る  書面 を保管しなければならない。

    第百八十条第一項 の規定は  第百三十二条 の四第一項の  処分 について、第百八十四条第一項の  規定 は第百三十二条の  四第一項第一号 から第三号までの  処分 について、第二百十三条の  規定 は同号の  処分 について準用する。

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第百三十二条の七 (事件の記録の閲覧等)

   申立人 及び相手方は、  裁判所書記官 に対し、第百三十二条の  四第一項 の処分の  申立 てに係る事件の  記録 の閲覧若しくは  謄写 、その正本、  謄本 若しくは抄本の  交付 又は当該事件に関する  事項 の証明書の  交付 を請求することができる。

    第九十一条第四項 及び第五項の  規定 は、前項の  記録 について準用する。この  場合 において、同条第四項中「  前項 」とあるのは「第百三十二条の  七第一項 」と、「当事者又は  利害関係 を疎明した  第三者 」とあるのは「申立人又は  相手方 」と読み替えるものとする。

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第百三十二条の八 (不服申立ての不許)

   第百三十二条 の四第一項の  処分 の申立てについての  裁判 に対しては、不服を申し立てることができない。

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第百三十二条の九 (証拠収集の処分に係る裁判に関する費用の負担)

   第百三十二条 の四第一項の  処分 の申立てについての  裁判 に関する費用は、  申立人 の負担とする。

   第七章 電子情報処理組織による申立て等

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第百三十二条の十

   民事訴訟 に関する手続における  申立 てその他の申述(  以下 「申立て等」という。)のうち、  当該申立 て等に関するこの法律その他の  法令 の規定により  書面等 (書面、  書類 、文書、  謄本 、抄本、  正本 、副本、  複本 その他文字、  図形等人 の知覚によって  認識 することができる情報が  記載 された紙その他の有体物をいう。  以下同 じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める  裁判所 に対してするもの(当該裁判所の  裁判長 、受命裁判官、  受託裁判官 又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、  当該法令 の規定にかかわらず、  最高裁判所規則 で定めるところにより、電子情報処理組織(  裁判所 の使用に係る  電子計算機 (入出力装置を含む。  以下同 じ。)と申立て等をする者又は  第三百九十九条第一項 の規定による  処分 の告知を受ける者の使用

    前項本文 の規定によりされた  申立 て等については、当該申立て等を  書面等 をもってするものとして規定した  申立 て等に関する法令の  規定 に規定する  書面等 をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する  法令 の規定を  適用 する。

    第一項本文 の規定によりされた  申立 て等は、同項の  裁判所 の使用に係る  電子計算機 に備えられたファイルへの記録がされた時に、  当該裁判所 に到達したものとみなす。

    第一項本文 の場合において、  当該申立 て等に関する他の法令の  規定 により署名等(  署名 、記名、  押印 その他氏名又は  名称 を書面等に  記載 することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、  当該申立 て等をする者は、当該法令の  規定 にかかわらず、当該署名等に代えて、  最高裁判所規則 で定めるところにより、氏名又は  名称 を明らかにする措置を講じなければならない。

    第一項本文 の規定によりされた  申立 て等(督促手続における  申立 て等を除く。次項において同じ。)が  第三項 に規定するファイルに  記録 されたときは、第一項の  裁判所 は、当該ファイルに  記録 された情報の  内容 を書面に  出力 しなければならない。

    第一項本文 の規定によりされた  申立 て等に係る第九十一条第一項又は  第三項 の規定による  訴訟記録 の閲覧若しくは  謄写 又はその正本、  謄本 若しくは抄本の  交付 (第四百一条において「  訴訟記録 の閲覧等」という。)は、  前項 の書面をもってするものとする。  当該申立 て等に係る書類の  送達 又は送付も、  同様 とする。

  第二編 第一審の訴訟手続

   第一章 訴え -------------------------------------------------

第百三十三条 (訴え提起の方式)

   訴 えの提起は、  訴状 を裁判所に  提出 してしなければならない。

    訴状 には、次に掲げる事項を  記載 しなければならない。

    当事者 及び法定代理人

    請求 の趣旨及び原因

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第百三十四条 (証書真否確認の訴え)

   確認 の訴えは、法律関係を証する  書面 の成立の  真否 を確定するためにも  提起 することができる。

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第百三十五条 (将来の給付の訴え)

   将来 の給付を求める訴えは、あらかじめその  請求 をする必要がある  場合 に限り、提起することができる。

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第百三十六条 (請求の併合)

   数個 の請求は、  同種 の訴訟手続による  場合 に限り、一の訴えですることができる。

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第百三十七条 (裁判長の訴状審査権)

   訴状 が第百三十三条第二項の  規定 に違反する  場合 には、裁判長は、  相当 の期間を定め、その  期間内 に不備を  補正 すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する  法律 (昭和四十六年法律第四十号)の  規定 に従い訴えの提起の  手数料 を納付しない  場合 も、同様とする。

    前項 の場合において、  原告 が不備を  補正 しないときは、裁判長は、  命令 で、訴状を  却下 しなければならない。

    前項 の命令に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第百三十八条 (訴状の送達)

   訴状 は、被告に  送達 しなければならない。

    前条 の規定は、  訴状 の送達をすることができない  場合 (訴状の  送達 に必要な  費用 を予納しない  場合 を含む。)について準用する。

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第百三十九条 (口頭弁論期日の指定)

   訴 えの提起があったときは、  裁判長 は、口頭弁論の  期日 を指定し、  当事者 を呼び出さなければならない。

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第百四十条 (口頭弁論を経ない訴えの却下)

   訴 えが不適法でその  不備 を補正することができないときは、  裁判所 は、口頭弁論を経ないで、  判決 で、訴えを却下することができる。

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第百四十一条 (呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)

   裁判所 は、民事訴訟費用等に関する  法律 の規定に従い  当事者 に対する期日の  呼出 しに必要な  費用 の予納を  相当 の期間を定めて  原告 に命じた場合において、その  予納 がないときは、被告に  異議 がない場合に限り、  決定 で、訴えを却下することができる。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第百四十二条 (重複する訴えの提起の禁止)

   裁判所 に係属する  事件 については、当事者は、更に訴えを  提起 することができない。

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第百四十三条 (訴えの変更)

   原告 は、請求の  基礎 に変更がない限り、  口頭弁論 の終結に至るまで、  請求 又は請求の  原因 を変更することができる。ただし、これにより著しく  訴訟手続 を遅滞させることとなるときは、この限りでない。

    請求 の変更は、  書面 でしなければならない。

    前項 の書面は、  相手方 に送達しなければならない。

    裁判所 は、請求又は  請求 の原因の  変更 を不当であると認めるときは、  申立 てにより又は職権で、その  変更 を許さない旨の決定をしなければならない。

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第百四十四条 (選定者に係る請求の追加)

   第三十条第三項 の規定による  原告 となるべき者の選定があった  場合 には、その者は、口頭弁論の  終結 に至るまで、その選定者のために  請求 の追加をすることができる。

    第三十条第三項 の規定による  被告 となるべき者の選定があった  場合 には、原告は、  口頭弁論 の終結に至るまで、その  選定者 に係る請求の  追加 をすることができる。

    前条第一項 ただし書及び第二項から  第四項 までの規定は、  前二項 の請求の  追加 について準用する。

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第百四十五条 (中間確認の訴え)

   裁判 が訴訟の  進行中 に争いとなっている法律関係の  成立 又は不成立に係るときは、  当事者 は、請求を  拡張 して、その法律関係の  確認 の判決を求めることができる。ただし、その  確認 の請求が他の  裁判所 の専属管轄(  当事者 が第十一条の  規定 により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。

    前項 の訴訟が  係属 する裁判所が  第六条第一項各号 に定める裁判所である  場合 において、前項の  確認 の請求が  同条第一項 の規定により他の  裁判所 の専属管轄に属するときは、  前項 ただし書の規定は、  適用 しない。

    第百四十三条第二項 及び第三項の  規定 は、第一項の  規定 による請求の  拡張 について準用する。

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第百四十六条 (反訴)

   被告 は、本訴の  目的 である請求又は  防御 の方法と  関連 する請求を  目的 とする場合に限り、  口頭弁論 の終結に至るまで、  本訴 の係属する  裁判所 に反訴を  提起 することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

    反訴 の目的である  請求 が他の裁判所の  専属管轄 (当事者が  第十一条 の規定により  合意 で定めたものを除く。)に属するとき。

    反訴 の提起により著しく  訴訟手続 を遅滞させることとなるとき。

    本訴 の係属する  裁判所 が第六条第一項各号に定める  裁判所 である場合において、  反訴 の目的である  請求 が同項の  規定 により他の裁判所の  専属管轄 に属するときは、前項第一号の  規定 は、適用しない。

    反訴 については、訴えに関する規定による。

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第百四十七条 (時効中断等の効力発生の時期)

   時効 の中断又は  法律上 の期間の  遵守 のために必要な  裁判上 の請求は、訴えを  提起 した時又は第百四十三条第二項(  第百四十四条第三項 及び第百四十五条第三項において  準用 する場合を含む。)の  書面 を裁判所に  提出 した時に、その効力を生ずる。

   第二章 計画審理

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第百四十七条の二 (訴訟手続の計画的進行)

   裁判所 及び当事者は、  適正 かつ迅速な  審理 の実現のため、  訴訟手続 の計画的な  進行 を図らなければならない。

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第百四十七条の三 (審理の計画)

   裁判所 は、審理すべき  事項 が多数であり又は錯そうしているなど  事件 が複雑であることその他の  事情 によりその適正かつ  迅速 な審理を行うため  必要 があると認められるときは、当事者双方と  協議 をし、その結果を踏まえて  審理 の計画を定めなければならない。

    前項 の審理の  計画 においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

    争点 及び証拠の  整理 を行う期間

    証人 及び当事者本人の  尋問 を行う期間

    口頭弁論 の終結及び  判決 の言渡しの予定時期

    第一項 の審理の  計画 においては、前項各号に掲げる  事項 のほか、特定の  事項 についての攻撃又は  防御 の方法を  提出 すべき期間その他の  訴訟手続 の計画的な  進行上必要 な事項を定めることができる。

    裁判所 は、審理の  現状 及び当事者の  訴訟追行 の状況その他の  事情 を考慮して  必要 があると認めるときは、当事者双方と  協議 をし、その結果を踏まえて  第一項 の審理の  計画 を変更することができる。

   第三章 口頭弁論及びその準備

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    第一節 口頭弁論

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第百四十八条 (裁判長の訴訟指揮権)

   口頭弁論 は、裁判長が  指揮 する。

    裁判長 は、発言を許し、又はその  命令 に従わない者の発言を禁ずることができる。

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第百四十九条 (釈明権等)

   裁判長 は、口頭弁論の  期日 又は期日外において、  訴訟関係 を明瞭にするため、  事実上 及び法律上の  事項 に関し、当事者に対して問いを発し、又は  立証 を促すことができる。

    陪席裁判官 は、裁判長に告げて、  前項 に規定する  処置 をすることができる。

    当事者 は、口頭弁論の  期日 又は期日外において、  裁判長 に対して必要な  発問 を求めることができる。

    裁判長 又は陪席裁判官が、  口頭弁論 の期日外において、  攻撃 又は防御の  方法 に重要な  変更 を生じ得る事項について  第一項 又は第二項の  規定 による処置をしたときは、その  内容 を相手方に  通知 しなければならない。

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第百五十条 (訴訟指揮等に対する異議)

   当事者 が、口頭弁論の  指揮 に関する裁判長の  命令 又は前条第一項若しくは  第二項 の規定による  裁判長 若しくは陪席裁判官の  処置 に対し、異議を述べたときは、  裁判所 は、決定で、その  異議 について裁判をする。

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第百五十一条 (釈明処分)

   裁判所 は、訴訟関係を  明瞭 にするため、次に掲げる処分をすることができる。

    当事者本人 又はその法定代理人に対し、  口頭弁論 の期日に  出頭 することを命ずること。

    口頭弁論 の期日において、  当事者 のため事務を  処理 し、又は補助する者で  裁判所 が相当と認めるものに  陳述 をさせること。

    訴訟書類 又は訴訟において  引用 した文書その他の  物件 で当事者の  所持 するものを提出させること。

    当事者 又は第三者の  提出 した文書その他の  物件 を裁判所に留め置くこと。

    検証 をし、又は鑑定を命ずること。

    調査 を嘱託すること。

    前項 に規定する  検証 、鑑定及び  調査 の嘱託については、  証拠調 べに関する規定を  準用 する。

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第百五十二条 (口頭弁論の併合等)

   裁判所 は、口頭弁論の  制限 、分離若しくは  併合 を命じ、又はその命令を取り消すことができる。

    裁判所 は、当事者を異にする  事件 について口頭弁論の  併合 を命じた場合において、その前に  尋問 をした証人について、  尋問 の機会がなかった  当事者 が尋問の  申出 をしたときは、その尋問をしなければならない。

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第百五十三条 (口頭弁論の再開)

   裁判所 は、終結した  口頭弁論 の再開を命ずることができる。

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第百五十四条 (通訳人の立会い等)

   口頭弁論 に関与する者が  日本語 に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。ただし、耳が聞こえない者又は口がきけない者には、  文字 で問い、又は陳述をさせることができる。

    鑑定人 に関する規定は、  通訳人 について準用する。

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第百五十五条 (弁論能力を欠く者に対する措置)

   裁判所 は、訴訟関係を  明瞭 にするために必要な  陳述 をすることができない当事者、  代理人 又は補佐人の  陳述 を禁じ、口頭弁論の  続行 のため新たな期日を定めることができる。

    前項 の規定により  陳述 を禁じた場合において、  必要 があると認めるときは、裁判所は、  弁護士 の付添いを命ずることができる。

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第百五十六条 (攻撃防御方法の提出時期)

   攻撃 又は防御の  方法 は、訴訟の  進行状況 に応じ適切な  時期 に提出しなければならない。

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第百五十六条の二 (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間)

   第百四十七条 の三第一項の  審理 の計画に  従っ た訴訟手続の  進行上必要 があると認めるときは、裁判長は、  当事者 の意見を聴いて、  特定 の事項についての  攻撃 又は防御の  方法 を提出すべき  期間 を定めることができる。

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第百五十七条 (時機に後れた攻撃防御方法の却下等)

   当事者 が故意又は  重大 な過失により  時機 に後れて提出した  攻撃 又は防御の  方法 については、これにより訴訟の  完結 を遅延させることとなると認めたときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、却下の  決定 をすることができる。

    攻撃 又は防御の  方法 でその趣旨が  明瞭 でないものについて当事者が  必要 な釈明をせず、又は  釈明 をすべき期日に  出頭 しないときも、前項と  同様 とする。

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第百五十七条の二 (審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)

   第百四十七条 の三第三項又は  第百五十六条 の二(第百七十条第五項において  準用 する場合を含む。)の  規定 により特定の  事項 についての攻撃又は  防御 の方法を  提出 すべき期間が定められている  場合 において、当事者がその  期間 の経過後に  提出 した攻撃又は  防御 の方法については、これにより  審理 の計画に  従っ た訴訟手続の  進行 に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、却下の  決定 をすることができる。ただし、その当事者がその  期間内 に当該攻撃又は  防御 の方法を  提出 することができなかったことについて相当の  理由 があることを疎明したときは、この限りでない。

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第百五十八条 (訴状等の陳述の擬制)

   原告 又は被告が  最初 にすべき口頭弁論の  期日 に出頭せず、又は  出頭 したが本案の  弁論 をしないときは、裁判所は、その者が  提出 した訴状又は  答弁書 その他の準備書面に  記載 した事項を  陳述 したものとみなし、出頭した  相手方 に弁論をさせることができる。

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第百五十九条 (自白の擬制)

   当事者 が口頭弁論において  相手方 の主張した  事実 を争うことを明らかにしない場合には、その  事実 を自白したものとみなす。ただし、  弁論 の全趣旨により、その  事実 を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。

    相手方 の主張した  事実 を知らない旨の陳述をした者は、その  事実 を争ったものと  推定 する。

    第一項 の規定は、  当事者 が口頭弁論の  期日 に出頭しない  場合 について準用する。ただし、その  当事者 が公示送達による  呼出 しを受けたものであるときは、この限りでない。

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第百六十条 (口頭弁論調書)

   裁判所書記官 は、口頭弁論について、  期日 ごとに調書を  作成 しなければならない。

    調書 の記載について  当事者 その他の関係人が  異議 を述べたときは、調書にその旨を  記載 しなければならない。

    口頭弁論 の方式に関する  規定 の遵守は、  調書 によってのみ証明することができる。ただし、  調書 が滅失したときは、この限りでない。

    第二節 準備書面等

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第百六十一条 (準備書面)

   口頭弁論 は、書面で  準備 しなければならない。

    準備書面 には、次に掲げる事項を  記載 する。

    攻撃 又は防御の方法

    相手方 の請求及び  攻撃 又は防御の  方法 に対する陳述

    相手方 が在廷していない  口頭弁論 においては、準備書面(  相手方 に送達されたもの又は  相手方 からその準備書面を  受領 した旨を記載した  書面 が提出されたものに限る。)に  記載 した事実でなければ、  主張 することができない。

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第百六十二条 (準備書面等の提出期間)

   裁判長 は、答弁書若しくは  特定 の事項に関する  主張 を記載した  準備書面 の提出又は  特定 の事項に関する  証拠 の申出をすべき  期間 を定めることができる。

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第百六十三条 (当事者照会)

   当事者 は、訴訟の  係属中 、相手方に対し、  主張 又は立証を  準備 するために必要な  事項 について、相当の  期間 を定めて、書面で  回答 するよう、書面で  照会 をすることができる。ただし、その照会が次の  各号 のいずれかに該当するときは、この限りでない。

    具体的 又は個別的でない照会

    相手方 を侮辱し、又は  困惑 させる照会

    既 にした照会と  重複 する照会

    意見 を求める照会

    相手方 が回答するために  不相当 な費用又は  時間 を要する照会

    第百九十六条 又は第百九十七条の  規定 により証言を  拒絶 することができる事項と  同様 の事項についての照会

    第三節 争点及び証拠の整理手続

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     第一款 準備的口頭弁論

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第百六十四条 (準備的口頭弁論の開始)

   裁判所 は、争点及び  証拠 の整理を行うため  必要 があると認めるときは、この款に定めるところにより、準備的口頭弁論を行うことができる。

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第百六十五条 (証明すべき事実の確認等)

   裁判所 は、準備的口頭弁論を  終了 するに当たり、その後の証拠調べにより  証明 すべき事実を  当事者 との間で確認するものとする。

    裁判長 は、相当と認めるときは、  準備的口頭弁論 を終了するに当たり、  当事者 に準備的口頭弁論における  争点 及び証拠の  整理 の結果を  要約 した書面を  提出 させることができる。

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第百六十六条 (当事者の不出頭等による終了)

   当事者 が期日に  出頭 せず、又は第百六十二条の  規定 により定められた期間内に  準備書面 の提出若しくは  証拠 の申出をしないときは、  裁判所 は、準備的口頭弁論を  終了 することができる。

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第百六十七条 (準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)

   準備的口頭弁論 の終了後に  攻撃 又は防御の  方法 を提出した  当事者 は、相手方の求めがあるときは、  相手方 に対し、準備的口頭弁論の  終了前 にこれを提出することができなかった  理由 を説明しなければならない。

     第二款 弁論準備手続

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第百六十八条 (弁論準備手続の開始)

   裁判所 は、争点及び  証拠 の整理を行うため  必要 があると認めるときは、当事者の  意見 を聴いて、事件を  弁論準備手続 に付することができる。

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第百六十九条 (弁論準備手続の期日)

   弁論準備手続 は、当事者双方が立ち会うことができる  期日 において行う。

    裁判所 は、相当と認める者の  傍聴 を許すことができる。ただし、当事者が申し出た者については、  手続 を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める  場合 を除き、その傍聴を許さなければならない。

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第百七十条 (弁論準備手続における訴訟行為等)

   裁判所 は、当事者に  準備書面 を提出させることができる。

    裁判所 は、弁論準備手続の  期日 において、証拠の  申出 に関する裁判その他の  口頭弁論 の期日外においてすることができる  裁判 及び文書(  第二百三十一条 に規定する  物件 を含む。)の証拠調べをすることができる。

    裁判所 は、当事者が  遠隔 の地に居住しているときその  他相当 と認めるときは、当事者の  意見 を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、  裁判所 及び当事者双方が  音声 の送受信により  同時 に通話をすることができる  方法 によって、弁論準備手続の  期日 における手続を行うことができる。ただし、  当事者 の一方がその  期日 に出頭した  場合 に限る。

    前項 の期日に  出頭 しないで同項の  手続 に関与した  当事者 は、その期日に  出頭 したものとみなす。

    第百四十八条 から第百五十一条まで、  第百五十二条第一項 、第百五十三条から  第百五十九条 まで、第百六十二条、  第百六十五条 及び第百六十六条の  規定 は、弁論準備手続について  準用 する。

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第百七十一条 (受命裁判官による弁論準備手続)

   裁判所 は、受命裁判官に  弁論準備手続 を行わせることができる。

    弁論準備手続 を受命裁判官が行う  場合 には、前二条の  規定 による裁判所及び  裁判長 の職務(  前条第二項 に規定する  裁判 を除く。)は、その裁判官が行う。ただし、  同条第五項 において準用する  第百五十条 の規定による  異議 についての裁判及び  同項 において準用する  第百五十七条 の二の規定による  却下 についての裁判は、  受訴裁判所 がする。

    弁論準備手続 を行う受命裁判官は、  第百八十六条 の規定による  調査 の嘱託、  鑑定 の嘱託、  文書 (第二百三十一条に  規定 する物件を含む。)を  提出 してする書証の  申出 及び文書(  第二百二十九条第二項 及び第二百三十一条に  規定 する物件を含む。)の  送付 の嘱託についての  裁判 をすることができる。

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第百七十二条 (弁論準備手続に付する裁判の取消し)

   裁判所 は、相当と認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  弁論準備手続 に付する裁判を取り消すことができる。ただし、  当事者双方 の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。

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第百七十三条 (弁論準備手続の結果の陳述)

   当事者 は、口頭弁論において、  弁論準備手続 の結果を  陳述 しなければならない。

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第百七十四条 (弁論準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

   第百六十七条 の規定は、  弁論準備手続 の終結後に  攻撃 又は防御の  方法 を提出した  当事者 について準用する。

     第三款 書面による準備手続

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第百七十五条 (書面による準備手続の開始)

   裁判所 は、当事者が  遠隔 の地に居住しているときその  他相当 と認めるときは、当事者の  意見 を聴いて、事件を  書面 による準備手続(  当事者 の出頭なしに  準備書面 の提出等により  争点 及び証拠の  整理 をする手続をいう。  以下同 じ。)に付することができる。

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第百七十六条 (書面による準備手続の方法等)

   書面 による準備手続は、  裁判長 が行う。ただし、高等裁判所においては、  受命裁判官 にこれを行わせることができる。

    裁判長 又は高等裁判所における  受命裁判官 (次項において「  裁判長等 」という。)は、第百六十二条に  規定 する期間を定めなければならない。

    裁判長等 は、必要があると認めるときは、  最高裁判所規則 で定めるところにより、裁判所及び  当事者双方 が音声の  送受信 により同時に  通話 をすることができる方法によって、  争点 及び証拠の  整理 に関する事項その  他口頭弁論 の準備のため  必要 な事項について、  当事者双方 と協議をすることができる。この  場合 においては、協議の  結果 を裁判所書記官に  記録 させることができる。

    第百四十九条 (第二項を除く。)、  第百五十条 及び第百六十五条第二項の  規定 は、書面による  準備手続 について準用する。

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第百七十七条 (証明すべき事実の確認)

   裁判所 は、書面による  準備手続 の終結後の  口頭弁論 の期日において、その後の  証拠調 べによって証明すべき  事実 を当事者との間で  確認 するものとする。

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第百七十八条 (書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

   書面 による準備手続を  終結 した事件について、  口頭弁論 の期日において、  第百七十六条第四項 において準用する  第百六十五条第二項 の書面に  記載 した事項の  陳述 がされ、又は前条の  規定 による確認がされた後に  攻撃 又は防御の  方法 を提出した  当事者 は、相手方の求めがあるときは、  相手方 に対し、その陳述又は  確認前 にこれを提出することができなかった  理由 を説明しなければならない。

   第四章 証拠

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    第一節 総則

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第百七十九条 (証明することを要しない事実)

   裁判所 において当事者が  自白 した事実及び  顕著 な事実は、  証明 することを要しない。

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第百八十条 (証拠の申出)

   証拠 の申出は、  証明 すべき事実を  特定 してしなければならない。

    証拠 の申出は、  期日前 においてもすることができる。

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第百八十一条 (証拠調べを要しない場合)

   裁判所 は、当事者が申し出た  証拠 で必要でないと認めるものは、取り調べることを要しない。

    証拠調 べについて不定期間の  障害 があるときは、裁判所は、  証拠調 べをしないことができる。

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第百八十二条 (集中証拠調べ)

   証人 及び当事者本人の  尋問 は、できる限り、争点及び  証拠 の整理が  終了 した後に集中して行わなければならない。

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第百八十三条 (当事者の不出頭の場合の取扱い)

   証拠調 べは、当事者が  期日 に出頭しない  場合 においても、することができる。

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第百八十四条 (外国における証拠調べ)

   外国 においてすべき証拠調べは、その国の  管轄官庁 又はその国に駐在する  日本 の大使、  公使 若しくは領事に  嘱託 してしなければならない。

    外国 においてした証拠調べは、その国の  法律 に違反する  場合 であっても、この法律に  違反 しないときは、その効力を有する。

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第百八十五条 (裁判所外における証拠調べ)

   裁判所 は、相当と認めるときは、  裁判所外 において証拠調べをすることができる。この  場合 においては、合議体の  構成員 に命じ、又は地方裁判所若しくは  簡易裁判所 に嘱託して  証拠調 べをさせることができる。

    前項 に規定する  嘱託 により職務を行う  受託裁判官 は、他の地方裁判所又は  簡易裁判所 において証拠調べをすることを  相当 と認めるときは、更に証拠調べの  嘱託 をすることができる。

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第百八十六条 (調査の嘱託)

   裁判所 は、必要な  調査 を官庁若しくは  公署 、外国の  官庁 若しくは公署又は  学校 、商工会議所、  取引所 その他の団体に  嘱託 することができる。

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第百八十七条 (参考人等の審尋)

   裁判所 は、決定で  完結 すべき事件について、  参考人 又は当事者本人を  審尋 することができる。ただし、参考人については、  当事者 が申し出た者に限る。

    前項 の規定による  審尋 は、相手方がある  事件 については、当事者双方が立ち会うことができる  審尋 の期日においてしなければならない。

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第百八十八条 (疎明)

   疎明 は、即時に取り調べることができる  証拠 によってしなければならない。

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第百八十九条 (過料の裁判の執行)

    この章の規定による  過料 の裁判は、  検察官 の命令で  執行 する。この命令は、  執行力 のある債務名義と  同一 の効力を有する。

    過料 の裁判の  執行 は、民事執行法 (  昭和五十四年法律第四号 )その他強制執行の  手続 に関する法令の  規定 に従ってする。ただし、  執行 をする前に裁判の  送達 をすることを要しない。

    刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)  第五百七条 の規定は、  過料 の裁判の  執行 について準用する。

    過料 の裁判の  執行 があった後に当該裁判(  以下 この項において「原裁判」という。)に対して  即時抗告 があった場合において、  抗告裁判所 が当該即時抗告を  理由 があると認めて原裁判を取り消して更に  過料 の裁判をしたときは、その  金額 の限度において  当該過料 の裁判の  執行 があったものとみなす。この場合において、  原裁判 の執行によって得た  金額 が当該過料の  金額 を超えるときは、その超過額は、これを  還付 しなければならない。

    第二節 証人尋問

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第百九十条 (証人義務)

   裁判所 は、特別の定めがある  場合 を除き、何人でも  証人 として尋問することができる。

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第百九十一条 (公務員の尋問)

   公務員 又は公務員であった者を  証人 として職務上の  秘密 について尋問する  場合 には、裁判所は、  当該監督官庁 (衆議院若しくは  参議院 の議員又はその職にあった者についてはその院、  内閣総理大臣 その他の国務大臣又はその職にあった者については  内閣 )の承認を得なければならない。

    前項 の承認は、  公共 の利益を害し、又は  公務 の遂行に著しい  支障 を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない。

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第百九十二条 (不出頭に対する過料等)

   証人 が正当な  理由 なく出頭しないときは、  裁判所 は、決定で、これによって生じた  訴訟費用 の負担を命じ、かつ、  十万円以下 の過料に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第百九十三条 (不出頭に対する罰金等)

   証人 が正当な  理由 なく出頭しないときは、  十万円以下 の罰金又は  拘留 に処する。

    前項 の罪を犯した者には、情状により、  罰金 及び拘留を  併科 することができる。

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第百九十四条 (勾引)

   裁判所 は、正当な  理由 なく出頭しない  証人 の勾引を命ずることができる。

    刑事訴訟法 中勾引 に関する規定は、  前項 の勾引について  準用 する。

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第百九十五条 (受命裁判官等による証人尋問)

   裁判所 は、次に掲げる場合に限り、  受命裁判官 又は受託裁判官に  裁判所外 で証人の  尋問 をさせることができる。

    証人 が受訴裁判所に  出頭 する義務がないとき、又は  正当 な理由により  出頭 することができないとき。

    証人 が受訴裁判所に  出頭 するについて不相当な  費用 又は時間を要するとき。

    現場 において証人を  尋問 することが事実を  発見 するために必要であるとき。

    当事者 に異議がないとき。

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第百九十六条 (証言拒絶権)

   証言 が証人又は  証人 と次に掲げる関係を有する者が  刑事訴追 を受け、又は有罪判決を受けるおそれがある  事項 に関するときは、証人は、  証言 を拒むことができる。証言がこれらの者の  名誉 を害すべき事項に関するときも、  同様 とする。

    配偶者 、四親等内の  血族 若しくは三親等内の  姻族 の関係にあり、又はあったこと。

    後見人 と被後見人の  関係 にあること。

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第百九十七条

   次 に掲げる場合には、  証人 は、証言を拒むことができる。

    第百九十一条第一項 の場合

    医師 、歯科医師、  薬剤師 、医薬品販売業者、  助産師 、弁護士(  外国法事務弁護士 を含む。)、弁理士、  弁護人 、公証人、  宗教 、祈祷若しくは  祭祀 の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た  事実 で黙秘すべきものについて  尋問 を受ける場合

    技術 又は職業の  秘密 に関する事項について  尋問 を受ける場合

    前項 の規定は、  証人 が黙秘の  義務 を免除された  場合 には、適用しない。

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第百九十八条 (証言拒絶の理由の疎明)

   証言拒絶 の理由は、  疎明 しなければならない。

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第百九十九条 (証言拒絶についての裁判)

   第百九十七条第一項第一号 の場合を除き、  証言拒絶 の当否については、  受訴裁判所 が、当事者を  審尋 して、決定で、  裁判 をする。

    前項 の裁判に対しては、  当事者 及び証人は、  即時抗告 をすることができる。

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第二百条 (証言拒絶に対する制裁)

   第百九十二条 及び第百九十三条の  規定 は、証言拒絶を  理由 がないとする裁判が  確定 した後に証人が  正当 な理由なく  証言 を拒む場合について  準用 する。

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第二百一条 (宣誓)

   証人 には、特別の定めがある  場合 を除き、宣誓をさせなければならない。

    十六歳未満 の者又は宣誓の  趣旨 を理解することができない者を  証人 として尋問する  場合 には、宣誓をさせることができない。

    第百九十六条 の規定に  該当 する証人で  証言拒絶 の権利を  行使 しないものを尋問する  場合 には、宣誓をさせないことができる。

    証人 は、自己又は  自己 と第百九十六条各号に掲げる  関係 を有する者に著しい利害関係のある  事項 について尋問を受けるときは、  宣誓 を拒むことができる。

    第百九十八条 及び第百九十九条の  規定 は証人が  宣誓 を拒む場合について、  第百九十二条 及び第百九十三条の  規定 は宣誓拒絶を  理由 がないとする裁判が  確定 した後に証人が  正当 な理由なく  宣誓 を拒む場合について  準用 する。

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第二百二条 (尋問の順序)

   証人 の尋問は、その  尋問 の申出をした  当事者 、他の当事者、  裁判長 の順序でする。

    裁判長 は、適当と認めるときは、  当事者 の意見を聴いて、  前項 の順序を  変更 することができる。

    当事者 が前項の  規定 による変更について  異議 を述べたときは、裁判所は、  決定 で、その異議について  裁判 をする。

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第二百三条 (書類に基づく陳述の禁止)

   証人 は、書類に基づいて  陳述 することができない。ただし、裁判長の  許可 を受けたときは、この限りでない。

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第二百四条 (映像等の送受信による通話の方法による尋問)

   裁判所 は、遠隔の地に  居住 する証人の  尋問 をする場合には、  最高裁判所規則 で定めるところにより、隔地者が  映像 と音声の  送受信 により相手の  状態 を相互に  認識 しながら通話をすることができる  方法 によって、尋問をすることができる。

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第二百五条 (尋問に代わる書面の提出)

   裁判所 は、相当と認める  場合 において、当事者に  異議 がないときは、証人の  尋問 に代え、書面の  提出 をさせることができる。

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第二百六条 (受命裁判官等の権限)

   受命裁判官 又は受託裁判官が  証人尋問 をする場合には、  裁判所 及び裁判長の  職務 は、その裁判官が行う。ただし、  第二百二条第三項 の規定による  異議 についての裁判は、  受訴裁判所 がする。

    第三節 当事者尋問

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第二百七条 (当事者本人の尋問)

   裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、当事者本人を  尋問 することができる。この場合においては、その  当事者 に宣誓をさせることができる。

    証人 及び当事者本人の  尋問 を行うときは、まず証人の  尋問 をする。ただし、適当と認めるときは、  当事者 の意見を聴いて、まず  当事者本人 の尋問をすることができる。

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第二百八条 (不出頭等の効果)

   当事者本人 を尋問する  場合 において、その当事者が、  正当 な理由なく、  出頭 せず、又は宣誓若しくは  陳述 を拒んだときは、裁判所は、  尋問事項 に関する相手方の  主張 を真実と認めることができる。

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第二百九条 (虚偽の陳述に対する過料)

   宣誓 した当事者が  虚偽 の陳述をしたときは、  裁判所 は、決定で、  十万円以下 の過料に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

    第一項 の場合において、  虚偽 の陳述をした  当事者 が訴訟の  係属中 その陳述が  虚偽 であることを認めたときは、裁判所は、  事情 により、同項の  決定 を取り消すことができる。

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第二百十条 (証人尋問の規定の準用)

   第百九十五条 、第二百一条第二項、  第二百二条 から第二百四条まで及び  第二百六条 の規定は、  当事者本人 の尋問について  準用 する。

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第二百十一条 (法定代理人の尋問)

    この法律中当事者本人の  尋問 に関する規定は、  訴訟 において当事者を  代表 する法定代理人について  準用 する。ただし、当事者本人を  尋問 することを妨げない。

    第四節 鑑定

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第二百十二条 (鑑定義務)

   鑑定 に必要な  学識経験 を有する者は、鑑定をする  義務 を負う。

    第百九十六条 又は第二百一条第四項の  規定 により証言又は  宣誓 を拒むことができる者と同一の  地位 にある者及び同条第二項に  規定 する者は、鑑定人となることができない。

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第二百十三条 (鑑定人の指定)

   鑑定人 は、受訴裁判所、  受命裁判官 又は受託裁判官が  指定 する。

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第二百十四条 (忌避)

   鑑定人 について誠実に  鑑定 をすることを妨げるべき事情があるときは、  当事者 は、その鑑定人が  鑑定事項 について陳述をする前に、これを  忌避 することができる。鑑定人が  陳述 をした場合であっても、その後に、  忌避 の原因が生じ、又は  当事者 がその原因があることを  知っ たときは、同様とする。

    忌避 の申立ては、  受訴裁判所 、受命裁判官又は  受託裁判官 にしなければならない。

    忌避 を理由があるとする  決定 に対しては、不服を申し立てることができない。

    忌避 を理由がないとする  決定 に対しては、即時抗告をすることができる。

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第二百十五条 (鑑定人の陳述の方式等)

   裁判長 は、鑑定人に、  書面 又は口頭で、  意見 を述べさせることができる。

    裁判所 は、鑑定人に  意見 を述べさせた場合において、  当該意見 の内容を  明瞭 にし、又はその根拠を  確認 するため必要があると認めるときは、  申立 てにより又は職権で、  鑑定人 に更に意見を述べさせることができる。

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第二百十五条の二 (鑑定人質問)

   裁判所 は、鑑定人に  口頭 で意見を述べさせる  場合 には、鑑定人が  意見 の陳述をした後に、  鑑定人 に対し質問をすることができる。

    前項 の質問は、  裁判長 、その鑑定の  申出 をした当事者、他の  当事者 の順序でする。

    裁判長 は、適当と認めるときは、  当事者 の意見を聴いて、  前項 の順序を  変更 することができる。

    当事者 が前項の  規定 による変更について  異議 を述べたときは、裁判所は、  決定 で、その異議について  裁判 をする。

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第二百十五条の三 (映像等の送受信による通話の方法による陳述)

   裁判所 は、鑑定人に  口頭 で意見を述べさせる  場合 において、鑑定人が  遠隔 の地に居住しているときその  他相当 と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、  隔地者 が映像と  音声 の送受信により  相手 の状態を  相互 に認識しながら  通話 をすることができる方法によって、  意見 を述べさせることができる。

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第二百十五条の四 (受命裁判官等の権限)

   受命裁判官 又は受託裁判官が  鑑定人 に意見を述べさせる  場合 には、裁判所及び  裁判長 の職務は、その  裁判官 が行う。ただし、第二百十五条の  二第四項 の規定による  異議 についての裁判は、  受訴裁判所 がする。

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第二百十六条 (証人尋問の規定の準用)

   第百九十一条 の規定は  公務員 又は公務員であった者に  鑑定人 として職務上の  秘密 について意見を述べさせる  場合 について、第百九十七条から  第百九十九条 までの規定は  鑑定人 が鑑定を拒む  場合 について、第二百一条第一項の  規定 は鑑定人に  宣誓 をさせる場合について、  第百九十二条 及び第百九十三条の  規定 は鑑定人が  正当 な理由なく  出頭 しない場合、  鑑定人 が宣誓を拒む  場合 及び鑑定拒絶を  理由 がないとする裁判が  確定 した後に鑑定人が  正当 な理由なく  鑑定 を拒む場合について  準用 する。

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第二百十七条 (鑑定証人)

   特別 の学識経験により知り得た  事実 に関する尋問については、  証人尋問 に関する規定による。

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第二百十八条 (鑑定の嘱託)

   裁判所 は、必要があると認めるときは、  官庁 若しくは公署、  外国 の官庁若しくは  公署 又は相当の  設備 を有する法人に  鑑定 を嘱託することができる。この  場合 においては、宣誓に関する  規定 を除き、この節の規定を  準用 する。

    前項 の場合において、  裁判所 は、必要があると認めるときは、  官庁 、公署又は  法人 の指定した者に  鑑定書 の説明をさせることができる。

    第五節 書証

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第二百十九条 (書証の申出)

   書証 の申出は、  文書 を提出し、又は  文書 の所持者にその  提出 を命ずることを申し立ててしなければならない。

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第二百二十条 (文書提出義務)

   次 に掲げる場合には、  文書 の所持者は、その  提出 を拒むことができない。

    当事者 が訴訟において  引用 した文書を自ら  所持 するとき。

    挙証者 が文書の  所持者 に対しその引渡し又は  閲覧 を求めることができるとき。

    文書 が挙証者の  利益 のために作成され、又は  挙証者 と文書の  所持者 との間の法律関係について  作成 されたとき。

    前三号 に掲げる場合のほか、  文書 が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。

   文書 の所持者又は  文書 の所持者と  第百九十六条各号 に掲げる関係を有する者についての  同条 に規定する  事項 が記載されている文書

   公務員 の職務上の  秘密 に関する文書でその  提出 により公共の  利益 を害し、又は公務の  遂行 に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

   第百九十七条第一項第二号 に規定する  事実 又は同項第三号に  規定 する事項で、  黙秘 の義務が  免除 されていないものが記載されている文書

   専 ら文書の  所持者 の利用に供するための  文書 (国又は地方公共団体が  所持 する文書にあっては、  公務員 が組織的に用いるものを除く。)

   刑事事件 に係る訴訟に関する  書類 若しくは少年の  保護事件 の記録又はこれらの  事件 において押収されている文書

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第二百二十一条 (文書提出命令の申立て)

   文書提出命令 の申立ては、次に掲げる  事項 を明らかにしてしなければならない。

    文書 の表示

    文書 の趣旨

    文書 の所持者

    証明 すべき事実

    文書 の提出義務の原因

    前条第四号 に掲げる場合であることを  文書 の提出義務の  原因 とする文書提出命令の  申立 ては、書証の  申出 を文書提出命令の  申立 てによってする必要がある  場合 でなければ、することができない。

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第二百二十二条 (文書の特定のための手続)

   文書提出命令 の申立てをする  場合 において、前条第一項第一号又は  第二号 に掲げる事項を明らかにすることが著しく  困難 であるときは、その申立ての時においては、これらの  事項 に代えて、文書の  所持者 がその申立てに係る  文書 を識別することができる  事項 を明らかにすれば足りる。この場合においては、  裁判所 に対し、文書の  所持者 に当該文書についての  同項第一号 又は第二号に掲げる  事項 を明らかにすることを求めるよう申し出なければならない。

    前項 の規定による  申出 があったときは、裁判所は、  文書提出命令 の申立てに  理由 がないことが明らかな場合を除き、  文書 の所持者に対し、  同項後段 の事項を明らかにすることを求めることができる。

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第二百二十三条 (文書提出命令等)

   裁判所 は、文書提出命令の  申立 てを理由があると認めるときは、  決定 で、文書の  所持者 に対し、その提出を命ずる。この  場合 において、文書に取り調べる  必要 がないと認める部分又は  提出 の義務があると認めることができない  部分 があるときは、その部分を除いて、  提出 を命ずることができる。

    裁判所 は、第三者に対して  文書 の提出を命じようとする  場合 には、その第三者を  審尋 しなければならない。

    裁判所 は、公務員の  職務上 の秘密に関する  文書 について第二百二十条第四号に掲げる  場合 であることを文書の  提出義務 の原因とする  文書提出命令 の申立てがあった  場合 には、その申立てに  理由 がないことが明らかなときを除き、当該文書が  同号 ロに掲げる文書に  該当 するかどうかについて、当該監督官庁(  衆議院 又は参議院の  議員 の職務上の  秘密 に関する文書についてはその院、  内閣総理大臣 その他の国務大臣の  職務上 の秘密に関する  文書 については内閣。  以下 この条において同じ。)の意見を聴かなければならない。この  場合 において、当該監督官庁は、  当該文書 が同号ロに掲げる  文書 に該当する旨の  意見 を述べるときは、その理由を示さなければならない。

    前項 の場合において、  当該監督官庁 が当該文書の  提出 により次に掲げるおそれがあることを理由として  当該文書 が第二百二十条第四号ロに掲げる  文書 に該当する旨の  意見 を述べたときは、裁判所は、その  意見 について相当の  理由 があると認めるに足りない場合に限り、  文書 の所持者に対し、その  提出 を命ずることができる。

   国 の安全が害されるおそれ、  他国 若しくは国際機関との  信頼関係 が損なわれるおそれ又は他国若しくは  国際機関 との交渉上不利益を被るおそれ

   犯罪 の予防、  鎮圧 又は捜査、  公訴 の維持、刑の  執行 その他の公共の  安全 と秩序の  維持 に支障を及ぼすおそれ

    第三項前段 の場合において、  当該監督官庁 は、当該文書の  所持者以外 の第三者の  技術 又は職業の  秘密 に関する事項に係る  記載 がされている文書について  意見 を述べようとするときは、第二百二十条第四号ロに掲げる  文書 に該当する旨の  意見 を述べようとするときを除き、あらかじめ、当該第三者の  意見 を聴くものとする。

    裁判所 は、文書提出命令の  申立 てに係る文書が  第二百二十条第四号 イからニまでに掲げる文書のいずれかに  該当 するかどうかの判断をするため  必要 があると認めるときは、文書の  所持者 にその提示をさせることができる。この  場合 においては、何人も、その  提示 された文書の  開示 を求めることができない。

    文書提出命令 の申立てについての  決定 に対しては、即時抗告をすることができる。

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第二百二十四条 (当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果)

   当事者 が文書提出命令に従わないときは、  裁判所 は、当該文書の  記載 に関する相手方の  主張 を真実と認めることができる。

    当事者 が相手方の  使用 を妨げる目的で  提出 の義務がある  文書 を滅失させ、その他これを  使用 することができないようにしたときも、前項と  同様 とする。

    前二項 に規定する  場合 において、相手方が、  当該文書 の記載に関して  具体的 な主張をすること及び  当該文書 により証明すべき  事実 を他の証拠により  証明 することが著しく困難であるときは、  裁判所 は、その事実に関する  相手方 の主張を  真実 と認めることができる。

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第二百二十五条 (第三者が文書提出命令に従わない場合の過料)

   第三者 が文書提出命令に従わないときは、  裁判所 は、決定で、  二十万円以下 の過料に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百二十六条 (文書送付の嘱託)

   書証 の申出は、  第二百十九条 の規定にかかわらず、  文書 の所持者にその  文書 の送付を  嘱託 することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が  法令 により文書の  正本 又は謄本の  交付 を求めることができる場合は、この限りでない。

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第二百二十七条 (文書の留置)

   裁判所 は、必要があると認めるときは、  提出 又は送付に係る  文書 を留め置くことができる。

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第二百二十八条 (文書の成立)

   文書 は、その成立が  真正 であることを証明しなければならない。

    文書 は、その方式及び  趣旨 により公務員が  職務上作成 したものと認めるべきときは、真正に  成立 した公文書と  推定 する。

    公文書 の成立の  真否 について疑いがあるときは、裁判所は、  職権 で、当該官庁又は  公署 に照会をすることができる。

    私文書 は、本人又はその  代理人 の署名又は  押印 があるときは、真正に  成立 したものと推定する。

    第二項 及び第三項の  規定 は、外国の  官庁 又は公署の  作成 に係るものと認めるべき文書について  準用 する。

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第二百二十九条 (筆跡等の対照による証明)

   文書 の成立の  真否 は、筆跡又は  印影 の対照によっても、  証明 することができる。

    第二百十九条 、第二百二十三条、  第二百二十四条第一項 及び第二項、  第二百二十六条並 びに第二百二十七条の  規定 は、対照の用に供すべき  筆跡 又は印影を備える  文書 その他の物件の  提出 又は送付について  準用 する。

    対照 をするのに適当な  相手方 の筆跡がないときは、  裁判所 は、対照の用に供すべき  文字 の筆記を  相手方 に命ずることができる。

    相手方 が正当な  理由 なく前項の  規定 による決定に従わないときは、  裁判所 は、文書の  成立 の真否に関する  挙証者 の主張を  真実 と認めることができる。書体を変えて  筆記 したときも、同様とする。

    第三者 が正当な  理由 なく第二項において  準用 する第二百二十三条第一項の  規定 による提出の  命令 に従わないときは、裁判所は、  決定 で、十万円以下の  過料 に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百三十条 (文書の成立の真正を争った者に対する過料)

   当事者 又はその代理人が  故意 又は重大な  過失 により真実に反して  文書 の成立の  真正 を争ったときは、  裁判所 は、決定で、  十万円以下 の過料に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

    第一項 の場合において、  文書 の成立の  真正 を争った  当事者 又は代理人が  訴訟 の係属中その  文書 の成立が  真正 であることを認めたときは、裁判所は、  事情 により、同項の  決定 を取り消すことができる。

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第二百三十一条 (文書に準ずる物件への準用)

    この節の規定は、  図面 、写真、  録音 テープ、  ビデ オテープその他の  情報 を表すために作成された  物件 で文書でないものについて  準用 する。

    第六節 検証

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第二百三十二条 (検証の目的の提示等)

   第二百十九条 、第二百二十三条、  第二百二十四条 、第二百二十六条及び  第二百二十七条 の規定は、  検証 の目的の  提示 又は送付について  準用 する。

    第三者 が正当な  理由 なく前項において  準用 する第二百二十三条第一項の  規定 による提示の  命令 に従わないときは、裁判所は、  決定 で、二十万円以下の  過料 に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百三十三条 (検証の際の鑑定)

   裁判所 又は受命裁判官若しくは  受託裁判官 は、検証をするに当たり、  必要 があると認めるときは、鑑定を命ずることができる。

    第七節 証拠保全

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第二百三十四条 (証拠保全)

   裁判所 は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその  証拠 を使用することが  困難 となる事情があると認めるときは、  申立 てにより、この章の規定に従い、  証拠調 べをすることができる。

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第二百三十五条 (管轄裁判所等)

   訴 えの提起後における  証拠保全 の申立ては、その  証拠 を使用すべき  審級 の裁判所にしなければならない。ただし、  最初 の口頭弁論の  期日 が指定され、又は  事件 が弁論準備手続若しくは  書面 による準備手続に付された  後口頭弁論 の終結に至るまでの間は、  受訴裁判所 にしなければならない。

    訴 えの提起前における  証拠保全 の申立ては、  尋問 を受けるべき者若しくは文書を  所持 する者の居所又は  検証物 の所在地を  管轄 する地方裁判所又は  簡易裁判所 にしなければならない。

    急迫 の事情がある  場合 には、訴えの提起後であっても、  前項 の地方裁判所又は  簡易裁判所 に証拠保全の  申立 てをすることができる。

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第二百三十六条 (相手方の指定ができない場合の取扱い)

   証拠保全 の申立ては、  相手方 を指定することができない  場合 においても、することができる。この場合においては、  裁判所 は、相手方となるべき者のために  特別代理人 を選任することができる。

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第二百三十七条 (職権による証拠保全)

   裁判所 は、必要があると認めるときは、  訴訟 の係属中、  職権 で、証拠保全の  決定 をすることができる。

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第二百三十八条 (不服申立ての不許)

   証拠保全 の決定に対しては、  不服 を申し立てることができない。

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第二百三十九条 (受命裁判官による証拠調べ)

   第二百三十五条第一項 ただし書の場合には、  裁判所 は、受命裁判官に  証拠調 べをさせることができる。

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第二百四十条 (期日の呼出し)

   証拠調 べの期日には、  申立人 及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、  急速 を要する場合は、この限りでない。

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第二百四十一条 (証拠保全の費用)

   証拠保全 に関する費用は、  訴訟費用 の一部とする。

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第二百四十二条 (口頭弁論における再尋問)

   証拠保全 の手続において  尋問 をした証人について、  当事者 が口頭弁論における  尋問 の申出をしたときは、  裁判所 は、その尋問をしなければならない。

   第五章 判決

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第二百四十三条 (終局判決)

   裁判所 は、訴訟が  裁判 をするのに熟したときは、終局判決をする。

    裁判所 は、訴訟の  一部 が裁判をするのに熟したときは、その  一部 について終局判決をすることができる。

    前項 の規定は、  口頭弁論 の併合を命じた  数個 の訴訟中その一が  裁判 をするのに熟した場合及び  本訴 又は反訴が  裁判 をするのに熟した場合について  準用 する。

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第二百四十四条

   裁判所 は、当事者の  双方 又は一方が  口頭弁論 の期日に  出頭 せず、又は弁論をしないで  退廷 をした場合において、  審理 の現状及び  当事者 の訴訟追行の  状況 を考慮して  相当 と認めるときは、終局判決をすることができる。ただし、  当事者 の一方が  口頭弁論 の期日に  出頭 せず、又は弁論をしないで  退廷 をした場合には、  出頭 した相手方の  申出 があるときに限る。

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第二百四十五条 (中間判決)

   裁判所 は、独立した  攻撃 又は防御の  方法 その他中間の争いについて、  裁判 をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。  請求 の原因及び  数額 について争いがある場合におけるその  原因 についても、同様とする。

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第二百四十六条 (判決事項)

   裁判所 は、当事者が申し立てていない  事項 について、判決をすることができない。

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第二百四十七条 (自由心証主義)

   裁判所 は、判決をするに当たり、  口頭弁論 の全趣旨及び  証拠調 べの結果をしん酌して、  自由 な心証により、  事実 についての主張を  真実 と認めるべきか否かを判断する。

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第二百四十八条 (損害額の認定)

   損害 が生じたことが認められる場合において、  損害 の性質上その額を  立証 することが極めて困難であるときは、  裁判所 は、口頭弁論の  全趣旨 及び証拠調べの  結果 に基づき、相当な  損害額 を認定することができる。

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第二百四十九条 (直接主義)

   判決 は、その基本となる  口頭弁論 に関与した  裁判官 がする。

    裁判官 が代わった場合には、  当事者 は、従前の  口頭弁論 の結果を  陳述 しなければならない。

    単独 の裁判官が代わった  場合 又は合議体の  裁判官 の過半数が代わった  場合 において、その前に尋問をした  証人 について、当事者が更に  尋問 の申出をしたときは、  裁判所 は、その尋問をしなければならない。

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第二百五十条 (判決の発効)

   判決 は、言渡しによってその  効力 を生ずる。

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第二百五十一条 (言渡期日)

   判決 の言渡しは、  口頭弁論 の終結の日から  二月以内 にしなければならない。ただし、事件が  複雑 であるときその他特別の  事情 があるときは、この限りでない。

    判決 の言渡しは、  当事者 が在廷しない  場合 においても、することができる。

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第二百五十二条 (言渡しの方式)

   判決 の言渡しは、  判決書 の原本に基づいてする。

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第二百五十三条 (判決書)

   判決書 には、次に掲げる事項を  記載 しなければならない。

一  主文

二  事実

三  理由

    口頭弁論 の終結の日

    当事者 及び法定代理人

六  裁判所

    事実 の記載においては、  請求 を明らかにし、かつ、主文が  正当 であることを示すのに必要な  主張 を摘示しなければならない。

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第二百五十四条 (言渡しの方式の特則)

   次 に掲げる場合において、  原告 の請求を  認容 するときは、判決の  言渡 しは、第二百五十二条の  規定 にかかわらず、判決書の  原本 に基づかないですることができる。

    被告 が口頭弁論において  原告 の主張した  事実 を争わず、その他何らの  防御 の方法をも  提出 しない場合

    被告 が公示送達による  呼出 しを受けたにもかかわらず口頭弁論の  期日 に出頭しない  場合 (被告の  提出 した準備書面が  口頭弁論 において陳述されたものとみなされた  場合 を除く。)

    前項 の規定により  判決 の言渡しをしたときは、  裁判所 は、判決書の  作成 に代えて、裁判所書記官に、  当事者 及び法定代理人、  主文 、請求並びに  理由 の要旨を、  判決 の言渡しをした  口頭弁論期日 の調書に  記載 させなければならない。

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第二百五十五条 (判決書等の送達)

   判決書 又は前条第二項の  調書 は、当事者に  送達 しなければならない。

    前項 に規定する  送達 は、判決書の  正本 又は前条第二項の  調書 の謄本によってする。

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第二百五十六条 (変更の判決)

   裁判所 は、判決に  法令 の違反があることを  発見 したときは、その言渡し  後一週間以内 に限り、変更の  判決 をすることができる。ただし、判決が  確定 したとき、又は判決を  変更 するため事件につき更に  弁論 をする必要があるときは、この限りでない。

    変更 の判決は、  口頭弁論 を経ないでする。

    前項 の判決の  言渡期日 の呼出しにおいては、  公示送達 による場合を除き、  送達 をすべき場所にあてて  呼出状 を発した時に、送達があったものとみなす。

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第二百五十七条 (更正決定)

   判決 に計算違い、  誤記 その他これらに類する明白な誤りがあるときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、いつでも更正決定をすることができる。

    更正決定 に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、  判決 に対し適法な  控訴 があったときは、この限りでない。

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第二百五十八条 (裁判の脱漏)

   裁判所 が請求の  一部 について裁判を  脱漏 したときは、訴訟は、その  請求 の部分については、なおその  裁判所 に係属する。

    訴訟費用 の負担の  裁判 を脱漏したときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、その訴訟費用の  負担 について、決定で、  裁判 をする。この場合においては、  第六十一条 から第六十六条までの  規定 を準用する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

    第二項 の規定による  訴訟費用 の負担の  裁判 は、本案判決に対し  適法 な控訴があったときは、その  効力 を失う。この場合においては、  控訴裁判所 は、訴訟の  総費用 について、その負担の  裁判 をする。

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第二百五十九条 (仮執行の宣言)

   財産権上 の請求に関する  判決 については、裁判所は、  必要 があると認めるときは、申立てにより又は  職権 で、担保を立てて、又は立てないで  仮執行 をすることができることを宣言することができる。

    手形 又は小切手による  金銭 の支払の  請求 及びこれに附帯する  法定利率 による損害賠償の  請求 に関する判決については、  裁判所 は、職権で、  担保 を立てないで仮執行をすることができることを  宣言 しなければならない。ただし、裁判所が  相当 と認めるときは、仮執行を  担保 を立てることに係らしめることができる。

    裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、担保を立てて  仮執行 を免れることができることを宣言することができる。

    仮執行 の宣言は、  判決 の主文に掲げなければならない。  前項 の規定による  宣言 についても、同様とする。

    仮執行 の宣言の  申立 てについて裁判をしなかったとき、又は  職権 で仮執行の  宣言 をすべき場合においてこれをしなかったときは、  裁判所 は、申立てにより又は  職権 で、補充の  決定 をする。第三項の  申立 てについて裁判をしなかったときも、  同様 とする。

    第七十六条 、第七十七条、  第七十九条 及び第八十条の  規定 は、第一項から  第三項 までの担保について  準用 する。

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第二百六十条 (仮執行の宣言の失効及び原状回復等)

   仮執行 の宣言は、その  宣言 又は本案判決を  変更 する判決の  言渡 しにより、変更の  限度 においてその効力を失う。

    本案判決 を変更する  場合 には、裁判所は、  被告 の申立てにより、その  判決 において、仮執行の  宣言 に基づき被告が  給付 したものの返還及び  仮執行 により又はこれを免れるために被告が受けた  損害 の賠償を  原告 に命じなければならない。

    仮執行 の宣言のみを  変更 したときは、後に本案判決を  変更 する判決について、  前項 の規定を  適用 する。

   第六章 裁判によらない訴訟の完結

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第二百六十一条 (訴えの取下げ)

   訴 えは、判決が  確定 するまで、その全部又は  一部 を取り下げることができる。

    訴 えの取下げは、  相手方 が本案について  準備書面 を提出し、  弁論準備手続 において申述をし、又は  口頭弁論 をした後にあっては、相手方の  同意 を得なければ、その効力を生じない。ただし、  本訴 の取下げがあった  場合 における反訴の  取下 げについては、この限りでない。

    訴 えの取下げは、  書面 でしなければならない。ただし、口頭弁論、  弁論準備手続 又は和解の  期日 (以下この章において「  口頭弁論等 の期日」という。)においては、  口頭 ですることを妨げない。

    第二項本文 の場合において、訴えの  取下 げが書面でされたときはその  書面 を、訴えの取下げが  口頭弁論等 の期日において  口頭 でされたとき(相手方がその  期日 に出頭したときを除く。)はその  期日 の調書の  謄本 を相手方に  送達 しなければならない。

    訴 えの取下げの  書面 の送達を受けた日から  二週間以内 に相手方が  異議 を述べないときは、訴えの取下げに  同意 したものとみなす。訴えの取下げが  口頭弁論等 の期日において  口頭 でされた場合において、  相手方 がその期日に  出頭 したときは訴えの取下げがあった日から、  相手方 がその期日に  出頭 しなかったときは前項の  謄本 の送達があった日から  二週間以内 に相手方が  異議 を述べないときも、同様とする。

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第二百六十二条 (訴えの取下げの効果)

   訴訟 は、訴えの取下げがあった  部分 については、初めから係属していなかったものとみなす。

    本案 について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、  同一 の訴えを提起することができない。

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第二百六十三条 (訴えの取下げの擬制)

   当事者双方 が、口頭弁論若しくは  弁論準備手続 の期日に  出頭 せず、又は弁論若しくは  弁論準備手続 における申述をしないで  退廷 若しくは退席をした  場合 において、一月以内に  期日指定 の申立てをしないときは、訴えの  取下 げがあったものとみなす。当事者双方が、  連続 して二回、  口頭弁論 若しくは弁論準備手続の  期日 に出頭せず、又は  弁論 若しくは弁論準備手続における  申述 をしないで退廷若しくは  退席 をしたときも、同様とする。

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第二百六十四条 (和解条項案の書面による受諾)

   当事者 が遠隔の地に  居住 していることその他の事由により  出頭 することが困難であると認められる  場合 において、その当事者があらかじめ  裁判所 又は受命裁判官若しくは  受託裁判官 から提示された  和解条項案 を受諾する旨の  書面 を提出し、他の  当事者 が口頭弁論等の  期日 に出頭してその  和解条項案 を受諾したときは、  当事者間 に和解が  調っ たものとみなす。

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第二百六十五条 (裁判所等が定める和解条項)

   裁判所 又は受命裁判官若しくは  受託裁判官 は、当事者の  共同 の申立てがあるときは、  事件 の解決のために  適当 な和解条項を定めることができる。

    前項 の申立ては、  書面 でしなければならない。この場合においては、その  書面 に同項の  和解条項 に服する旨を記載しなければならない。

    第一項 の規定による  和解条項 の定めは、口頭弁論等の  期日 における告知その  他相当 と認める方法による  告知 によってする。

    当事者 は、前項の  告知前 に限り、第一項の  申立 てを取り下げることができる。この場合においては、  相手方 の同意を得ることを要しない。

    第三項 の告知が  当事者双方 にされたときは、当事者間に  和解 が調ったものとみなす。

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第二百六十六条 (請求の放棄又は認諾)

   請求 の放棄又は  認諾 は、口頭弁論等の  期日 においてする。

    請求 の放棄又は  認諾 をする旨の書面を  提出 した当事者が  口頭弁論等 の期日に  出頭 しないときは、裁判所又は  受命裁判官 若しくは受託裁判官は、その旨の  陳述 をしたものとみなすことができる。

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第二百六十七条 (和解調書等の効力)

   和解 又は請求の  放棄 若しくは認諾を  調書 に記載したときは、その  記載 は、確定判決と  同一 の効力を有する。

   第七章 大規模訴訟等に関する特則

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第二百六十八条 (大規模訴訟に係る事件における受命裁判官による証人等の尋問)

   裁判所 は、大規模訴訟(  当事者 が著しく多数で、かつ、  尋問 すべき証人又は  当事者本人 が著しく多数である  訴訟 をいう。)に係る事件について、  当事者 に異議がないときは、  受命裁判官 に裁判所内で  証人 又は当事者本人の  尋問 をさせることができる。

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第二百六十九条 (大規模訴訟に係る事件における合議体の構成)

   地方裁判所 においては、前条に  規定 する事件について、  五人 の裁判官の  合議体 で審理及び  裁判 をする旨の決定をその  合議体 ですることができる。

    前項 の場合には、  判事補 は、同時に  三人以上合議体 に加わり、又は裁判長となることができない。

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第二百六十九条の二 (特許権等に関する訴えに係る事件における合議体の構成)

   第六条第一項各号 に定める裁判所においては、  特許権等 に関する訴えに係る事件について、  五人 の裁判官の  合議体 で審理及び  裁判 をする旨の決定をその  合議体 ですることができる。ただし、第二十条の  二第一項 の規定により  移送 された訴訟に係る  事件 については、この限りでない。

    前条第二項 の規定は、  前項 の場合について  準用 する。

   第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則

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第二百七十条 (手続の特色)

   簡易裁判所 においては、簡易な  手続 により迅速に  紛争 を解決するものとする。

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第二百七十一条 (口頭による訴えの提起)

   訴 えは、口頭で  提起 することができる。

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第二百七十二条 (訴えの提起において明らかにすべき事項)

   訴 えの提起においては、  請求 の原因に代えて、  紛争 の要点を明らかにすれば足りる。

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第二百七十三条 (任意の出頭による訴えの提起等)

   当事者双方 は、任意に  裁判所 に出頭し、  訴訟 について口頭弁論をすることができる。この  場合 においては、訴えの提起は、  口頭 の陳述によってする。

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第二百七十四条 (反訴の提起に基づく移送)

   被告 が反訴で  地方裁判所 の管轄に属する  請求 をした場合において、  相手方 の申立てがあるときは、  簡易裁判所 は、決定で、  本訴 及び反訴を  地方裁判所 に移送しなければならない。この  場合 においては、第二十二条の  規定 を準用する。

    前項 の決定に対しては、  不服 を申し立てることができない。

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第二百七十五条 (訴え提起前の和解)

   民事上 の争いについては、当事者は、  請求 の趣旨及び  原因並 びに争いの実情を  表示 して、相手方の  普通裁判籍 の所在地を  管轄 する簡易裁判所に  和解 の申立てをすることができる。

    前項 の和解が調わない  場合 において、和解の  期日 に出頭した  当事者双方 の申立てがあるときは、  裁判所 は、直ちに訴訟の  弁論 を命ずる。この場合においては、  和解 の申立てをした者は、その  申立 てをした時に、訴えを提起したものとみなし、  和解 の費用は、  訴訟費用 の一部とする。

    申立人 又は相手方が  第一項 の和解の  期日 に出頭しないときは、  裁判所 は、和解が調わないものとみなすことができる。

    第一項 の和解については、  第二百六十四条 及び第二百六十五条の  規定 は、適用しない。

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第二百七十五条の二 (和解に代わる決定)

   金銭 の支払の  請求 を目的とする訴えについては、  裁判所 は、被告が  口頭弁論 において原告の  主張 した事実を争わず、その  他何 らの防御の  方法 をも提出しない  場合 において、被告の  資力 その他の事情を  考慮 して相当であると認めるときは、  原告 の意見を聴いて、  第三項 の期間の  経過時 から五年を超えない  範囲内 において、当該請求に係る  金銭 の支払について、その  時期 の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その  時期 の定めに従い支払をしたとき、若しくはその  分割払 の定めによる期限の  利益 を次項の  規定 による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え  提起後 の遅延損害金の  支払義務 を免除する旨の定めをして、  当該請求 に係る金銭の  支払 を命ずる決定をすることができる。

    前項 の分割払の定めをするときは、  被告 が支払を  怠っ た場合における  期限 の利益の  喪失 についての定めをしなければならない。

    第一項 の決定に対しては、  当事者 は、その決定の  告知 を受けた日から二週間の  不変期間内 に、その決定をした  裁判所 に異議を申し立てることができる。

    前項 の期間内に  異議 の申立てがあったときは、  第一項 の決定は、その  効力 を失う。

    第三項 の期間内に  異議 の申立てがないときは、  第一項 の決定は、  裁判上 の和解と  同一 の効力を有する。

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第二百七十六条 (準備書面の省略等)

   口頭弁論 は、書面で  準備 することを要しない。

    相手方 が準備をしなければ  陳述 をすることができないと認めるべき事項は、  前項 の規定にかかわらず、  書面 で準備し、又は  口頭弁論前直接 に相手方に  通知 しなければならない。

    前項 に規定する  事項 は、相手方が  在廷 していない口頭弁論においては、  準備書面 (相手方に  送達 されたもの又は相手方からその  準備書面 を受領した旨を  記載 した書面が  提出 されたものに限る。)に記載し、又は  同項 の規定による  通知 をしたものでなければ、主張することができない。

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第二百七十七条 (続行期日における陳述の擬制)

   第百五十八条 の規定は、  原告 又は被告が  口頭弁論 の続行の  期日 に出頭せず、又は  出頭 したが本案の  弁論 をしない場合について  準用 する。

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第二百七十八条 (尋問等に代わる書面の提出)

   裁判所 は、相当と認めるときは、  証人 若しくは当事者本人の  尋問 又は鑑定人の  意見 の陳述に代え、  書面 の提出をさせることができる。

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第二百七十九条 (司法委員)

   裁判所 は、必要があると認めるときは、  和解 を試みるについて司法委員に  補助 をさせ、又は司法委員を  審理 に立ち会わせて事件につきその  意見 を聴くことができる。

    司法委員 の員数は、  各事件 について一人以上とする。

    司法委員 は、毎年あらかじめ  地方裁判所 の選任した者の中から、  事件 ごとに裁判所が  指定 する。

    前項 の規定により  選任 される者の資格、  員数 その他同項の  選任 に関し必要な  事項 は、最高裁判所規則で定める。

    司法委員 には、最高裁判所規則で定める額の  旅費 、日当及び  宿泊料 を支給する。

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第二百八十条 (判決書の記載事項)

   判決書 に事実及び  理由 を記載するには、  請求 の趣旨及び  原因 の要旨、その  原因 の有無並びに  請求 を排斥する  理由 である抗弁の  要旨 を表示すれば足りる。

  第三編 上訴

   第一章 控訴 -------------------------------------------------

第二百八十一条 (控訴をすることができる判決等)

   控訴 は、地方裁判所が  第一審 としてした終局判決又は  簡易裁判所 の終局判決に対してすることができる。ただし、  終局判決後 、当事者双方が共に  上告 をする権利を  留保 して控訴をしない旨の  合意 をしたときは、この限りでない。

    第十一条第二項 及び第三項の  規定 は、前項の  合意 について準用する。

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第二百八十二条 (訴訟費用の負担の裁判に対する控訴の制限)

   訴訟費用 の負担の  裁判 に対しては、独立して  控訴 をすることができない。

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第二百八十三条 (控訴裁判所の判断を受ける裁判)

   終局判決前 の裁判は、  控訴裁判所 の判断を受ける。ただし、  不服 を申し立てることができない裁判及び  抗告 により不服を申し立てることができる  裁判 は、この限りでない。

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第二百八十四条 (控訴権の放棄)

   控訴 をする権利は、  放棄 することができる。

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第二百八十五条 (控訴期間)

   控訴 は、判決書又は  第二百五十四条第二項 の調書の  送達 を受けた日から二週間の  不変期間内 に提起しなければならない。ただし、その  期間前 に提起した  控訴 の効力を妨げない。

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第二百八十六条 (控訴提起の方式)

   控訴 の提起は、  控訴状 を第一審裁判所に  提出 してしなければならない。

    控訴状 には、次に掲げる事項を  記載 しなければならない。

    当事者 及び法定代理人

    第一審判決 の表示及びその  判決 に対して控訴をする旨

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第二百八十七条 (第一審裁判所による控訴の却下)

   控訴 が不適法でその  不備 を補正することができないことが明らかであるときは、  第一審裁判所 は、決定で、  控訴 を却下しなければならない。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百八十八条 (裁判長の控訴状審査権)

   第百三十七条 の規定は、  控訴状 が第二百八十六条第二項の  規定 に違反する  場合 及び民事訴訟費用等に関する  法律 の規定に従い  控訴 の提起の  手数料 を納付しない  場合 について準用する。

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第二百八十九条 (控訴状の送達)

   控訴状 は、被控訴人に  送達 しなければならない。

    第百三十七条 の規定は、  控訴状 の送達をすることができない  場合 (控訴状の  送達 に必要な  費用 を予納しない  場合 を含む。)について準用する。

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第二百九十条 (口頭弁論を経ない控訴の却下)

   控訴 が不適法でその  不備 を補正することができないときは、  控訴裁判所 は、口頭弁論を経ないで、  判決 で、控訴を  却下 することができる。

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第二百九十一条 (呼出費用の予納がない場合の控訴の却下)

   控訴裁判所 は、民事訴訟費用等に関する  法律 の規定に従い  当事者 に対する期日の  呼出 しに必要な  費用 の予納を  相当 の期間を定めて  控訴人 に命じた場合において、その  予納 がないときは、決定で、  控訴 を却下することができる。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百九十二条 (控訴の取下げ)

   控訴 は、控訴審の  終局判決 があるまで、取り下げることができる。

    第二百六十一条第三項 、第二百六十二条第一項及び  第二百六十三条 の規定は、  控訴 の取下げについて  準用 する。

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第二百九十三条 (附帯控訴)

   被控訴人 は、控訴権が  消滅 した後であっても、口頭弁論の  終結 に至るまで、附帯控訴をすることができる。

    附帯控訴 は、控訴の  取下 げがあったとき、又は不適法として  控訴 の却下があったときは、その  効力 を失う。ただし、控訴の  要件 を備えるものは、独立した  控訴 とみなす。

    附帯控訴 については、控訴に関する  規定 による。ただし、附帯控訴の  提起 は、附帯控訴状を  控訴裁判所 に提出してすることができる。

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第二百九十四条 (第一審判決についての仮執行の宣言)

   控訴裁判所 は、第一審判決について  不服 の申立てがない  部分 に限り、申立てにより、  決定 で、仮執行の  宣言 をすることができる。

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第二百九十五条 (仮執行に関する裁判に対する不服申立て)

   仮執行 に関する控訴審の  裁判 に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、  前条 の申立てを  却下 する決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第二百九十六条 (口頭弁論の範囲等)

   口頭弁論 は、当事者が  第一審判決 の変更を求める  限度 においてのみ、これをする。

    当事者 は、第一審における  口頭弁論 の結果を  陳述 しなければならない。

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第二百九十七条 (第一審の訴訟手続の規定の準用)

 前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。

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第二百九十八条 (第一審の訴訟行為の効力等)

   第一審 においてした訴訟行為は、  控訴審 においてもその効力を有する。

    第百六十七条 の規定は、  第一審 において準備的口頭弁論を  終了 し、又は弁論準備手続を  終結 した事件につき  控訴審 で攻撃又は  防御 の方法を  提出 した当事者について、  第百七十八条 の規定は、  第一審 において書面による  準備手続 を終結した  事件 につき同条の  陳述 又は確認がされた  場合 において控訴審で  攻撃 又は防御の  方法 を提出した  当事者 について準用する。

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第二百九十九条 (第一審の管轄違いの主張の制限)

   控訴審 においては、当事者は、  第一審裁判所 が管轄権を有しないことを  主張 することができない。ただし、専属管轄(  当事者 が第十一条の  規定 により合意で定めたものを除く。)については、この限りでない。

    前項 の第一審裁判所が  第六条第一項各号 に定める裁判所である  場合 において、当該訴訟が  同項 の規定により他の  裁判所 の専属管轄に属するときは、  前項 ただし書の規定は、  適用 しない。

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第三百条 (反訴の提起等)

   控訴審 においては、反訴の  提起 は、相手方の  同意 がある場合に限り、することができる。

    相手方 が異議を述べないで  反訴 の本案について  弁論 をしたときは、反訴の  提起 に同意したものとみなす。

    前二項 の規定は、  選定者 に係る請求の  追加 について準用する。

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第三百一条 (攻撃防御方法の提出等の期間)

   裁判長 は、当事者の  意見 を聴いて、攻撃若しくは  防御 の方法の  提出 、請求若しくは  請求 の原因の  変更 、反訴の  提起 又は選定者に係る  請求 の追加をすべき  期間 を定めることができる。

    前項 の規定により定められた  期間 の経過後に  同項 に規定する  訴訟行為 をする当事者は、  裁判所 に対し、その期間内にこれをすることができなかった  理由 を説明しなければならない。

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第三百二条 (控訴棄却)

   控訴裁判所 は、第一審判決を  相当 とするときは、控訴を  棄却 しなければならない。

    第一審判決 がその理由によれば  不当 である場合においても、他の  理由 により正当であるときは、  控訴 を棄却しなければならない。

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第三百三条 (控訴権の濫用に対する制裁)

   控訴裁判所 は、前条第一項の  規定 により控訴を  棄却 する場合において、  控訴人 が訴訟の  完結 を遅延させることのみを  目的 として控訴を  提起 したものと認めるときは、控訴人に対し、  控訴 の提起の  手数料 として納付すべき  金額 の十倍以下の  金銭 の納付を命ずることができる。

    前項 の規定による  裁判 は、判決の  主文 に掲げなければならない。

    第一項 の規定による  裁判 は、本案判決を  変更 する判決の  言渡 しにより、その効力を失う。

    上告裁判所 は、上告を  棄却 する場合においても、  第一項 の規定による  裁判 を変更することができる。

    第百八十九条 の規定は、  第一項 の規定による  裁判 について準用する。

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第三百四条 (第一審判決の取消し及び変更の範囲)

   第一審判決 の取消し及び  変更 は、不服申立ての  限度 においてのみ、これをすることができる。

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第三百五条 (第一審判決が不当な場合の取消し)

   控訴裁判所 は、第一審判決を  不当 とするときは、これを取り消さなければならない。

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第三百六条 (第一審の判決の手続が違法な場合の取消し)

   第一審 の判決の  手続 が法律に  違反 したときは、控訴裁判所は、  第一審判決 を取り消さなければならない。

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第三百七条 (事件の差戻し)

   控訴裁判所 は、訴えを不適法として  却下 した第一審判決を取り消す  場合 には、事件を  第一審裁判所 に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に  弁論 をする必要がないときは、この限りでない。

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第三百八条

   前条本文 に規定する  場合 のほか、控訴裁判所が  第一審判決 を取り消す場合において、  事件 につき更に弁論をする  必要 があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。

    第一審裁判所 における訴訟手続が  法律 に違反したことを  理由 として事件を差し戻したときは、その  訴訟手続 は、これによって取り消されたものとみなす。

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第三百九条 (第一審の管轄違いを理由とする移送)

   控訴裁判所 は、事件が  管轄違 いであることを理由として  第一審判決 を取り消すときは、判決で、  事件 を管轄裁判所に  移送 しなければならない。

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第三百十条 (控訴審の判決における仮執行の宣言)

   控訴裁判所 は、金銭の  支払 の請求(  第二百五十九条第二項 の請求を除く。)に関する  判決 については、申立てがあるときは、  不必要 と認める場合を除き、  担保 を立てないで仮執行をすることができることを  宣言 しなければならない。ただし、控訴裁判所が  相当 と認めるときは、仮執行を  担保 を立てることに係らしめることができる。

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第三百十条の二 (特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)

   第六条第一項各号 に定める裁判所が  第一審 としてした特許権等に関する訴えについての  終局判決 に対する控訴が  提起 された東京高等裁判所においては、  当該控訴 に係る事件について、  五人 の裁判官の  合議体 で審理及び  裁判 をする旨の決定をその  合議体 ですることができる。ただし、第二十条の  二第一項 の規定により  移送 された訴訟に係る訴えについての  終局判決 に対する控訴に係る  事件 については、この限りでない。

   第二章 上告

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第三百十一条 (上告裁判所)

   上告 は、高等裁判所が  第二審 又は第一審としてした  終局判決 に対しては最高裁判所に、  地方裁判所 が第二審としてした  終局判決 に対しては高等裁判所にすることができる。

    第二百八十一条第一項 ただし書の場合には、  地方裁判所 の判決に対しては  最高裁判所 に、簡易裁判所の  判決 に対しては高等裁判所に、直ちに  上告 をすることができる。

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第三百十二条 (上告の理由)

   上告 は、判決に  憲法 の解釈の誤りがあることその  他憲法 の違反があることを  理由 とするときに、することができる。

    上告 は、次に掲げる事由があることを  理由 とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる  事由 については、第三十四条第二項(  第五十九条 において準用する  場合 を含む。)の規定による  追認 があったときは、この限りでない。

    法律 に従って  判決裁判所 を構成しなかったこと。

    法律 により判決に  関与 することができない裁判官が  判決 に関与したこと。

    専属管轄 に関する規定に  違反 したこと(第六条第一項各号に定める  裁判所 が第一審の  終局判決 をした場合において  当該訴訟 が同項の  規定 により他の裁判所の  専属管轄 に属するときを除く。)。

    法定代理権 、訴訟代理権又は  代理人 が訴訟行為をするのに  必要 な授権を欠いたこと。

    口頭弁論 の公開の  規定 に違反したこと。

    判決 に理由を付せず、又は  理由 に食違いがあること。

    高等裁判所 にする上告は、  判決 に影響を及ぼすことが明らかな  法令 の違反があることを  理由 とするときも、することができる。

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第三百十三条 (控訴の規定の準用)

   前章 の規定は、  特別 の定めがある場合を除き、  上告 及び上告審の  訴訟手続 について準用する。

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第三百十四条 (上告提起の方式等)

   上告 の提起は、  上告状 を原裁判所に  提出 してしなければならない。

    前条 において準用する  第二百八十八条 及び第二百八十九条第二項の  規定 による裁判長の  職権 は、原裁判所の  裁判長 が行う。

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第三百十五条 (上告の理由の記載)

   上告状 に上告の  理由 の記載がないときは、  上告人 は、最高裁判所規則で定める  期間内 に、上告理由書を  原裁判所 に提出しなければならない。

    上告 の理由は、  最高裁判所規則 で定める方式により  記載 しなければならない。

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第三百十六条 (原裁判所による上告の却下)

   次 の各号に  該当 することが明らかであるときは、原裁判所は、  決定 で、上告を  却下 しなければならない。

    上告 が不適法でその  不備 を補正することができないとき。

    前条第一項 の規定に  違反 して上告理由書を  提出 せず、又は上告の  理由 の記載が  同条第二項 の規定に  違反 しているとき。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第三百十七条 (上告裁判所による上告の却下等)

   前条第一項各号 に掲げる場合には、  上告裁判所 は、決定で、  上告 を却下することができる。

    上告裁判所 である最高裁判所は、  上告 の理由が明らかに  第三百十二条第一項 及び第二項に  規定 する事由に  該当 しない場合には、  決定 で、上告を  棄却 することができる。

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第三百十八条 (上告受理の申立て)

   上告 をすべき裁判所が  最高裁判所 である場合には、  最高裁判所 は、原判決に  最高裁判所 の判例(これがない  場合 にあっては、大審院又は  上告裁判所 若しくは控訴裁判所である  高等裁判所 の判例)と  相反 する判断がある  事件 その他の法令の  解釈 に関する重要な  事項 を含むものと認められる事件について、  申立 てにより、決定で、  上告審 として事件を  受理 することができる。

    前項 の申立て(  以下 「上告受理の  申立 て」という。)においては、第三百十二条第一項及び  第二項 に規定する  事由 を理由とすることができない。

    第一項 の場合において、  最高裁判所 は、上告受理の  申立 ての理由中に  重要 でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。

    第一項 の決定があった  場合 には、上告があったものとみなす。この  場合 においては、第三百二十条の  規定 の適用については、  上告受理 の申立ての  理由中前項 の規定により  排除 されたもの以外のものを  上告 の理由とみなす。

    第三百十三条 から第三百十五条まで及び  第三百十六条第一項 の規定は、  上告受理 の申立てについて  準用 する。

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第三百十九条 (口頭弁論を経ない上告の棄却)

   上告裁判所 は、上告状、  上告理由書 、答弁書その他の  書類 により、上告を  理由 がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、  判決 で、上告を  棄却 することができる。

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第三百二十条 (調査の範囲)

   上告裁判所 は、上告の  理由 に基づき、不服の  申立 てがあった限度においてのみ  調査 をする。

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第三百二十一条 (原判決の確定した事実の拘束)

   原判決 において適法に  確定 した事実は、  上告裁判所 を拘束する。

    第三百十一条第二項 の規定による  上告 があった場合には、  上告裁判所 は、原判決における  事実 の確定が  法律 に違反したことを  理由 として、その判決を  破棄 することができない。

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第三百二十二条 (職権調査事項についての適用除外)

   前二条 の規定は、  裁判所 が職権で  調査 すべき事項には、  適用 しない。

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第三百二十三条 (仮執行の宣言)

   上告裁判所 は、原判決について  不服 の申立てがない  部分 に限り、申立てにより、  決定 で、仮執行の  宣言 をすることができる。

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第三百二十四条 (最高裁判所への移送)

   上告裁判所 である高等裁判所は、  最高裁判所規則 で定める事由があるときは、  決定 で、事件を  最高裁判所 に移送しなければならない。

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第三百二十五条 (破棄差戻し等)

   第三百十二条第一項 又は第二項に  規定 する事由があるときは、  上告裁判所 は、原判決を  破棄 し、次条の  場合 を除き、事件を  原裁判所 に差し戻し、又はこれと同等の他の  裁判所 に移送しなければならない。  高等裁判所 が上告裁判所である  場合 において、判決に  影響 を及ぼすことが明らかな法令の  違反 があるときも、同様とする。

    上告裁判所 である最高裁判所は、  第三百十二条第一項 又は第二項に  規定 する事由がない  場合 であっても、判決に  影響 を及ぼすことが明らかな法令の  違反 があるときは、原判決を  破棄 し、次条の  場合 を除き、事件を  原裁判所 に差し戻し、又はこれと同等の他の  裁判所 に移送することができる。

    前二項 の規定により  差戻 し又は移送を受けた  裁判所 は、新たな口頭弁論に基づき  裁判 をしなければならない。この場合において、  上告裁判所 が破棄の  理由 とした事実上及び  法律上 の判断は、  差戻 し又は移送を受けた  裁判所 を拘束する。

    原判決 に関与した  裁判官 は、前項の  裁判 に関与することができない。

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第三百二十六条 (破棄自判)

   次 に掲げる場合には、  上告裁判所 は、事件について  裁判 をしなければならない。

    確定 した事実について  憲法 その他の法令の  適用 を誤ったことを  理由 として判決を  破棄 する場合において、  事件 がその事実に基づき  裁判 をするのに熟するとき。

    事件 が裁判所の  権限 に属しないことを理由として  判決 を破棄するとき。

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第三百二十七条 (特別上告)

   高等裁判所 が上告審としてした  終局判決 に対しては、その判決に  憲法 の解釈の誤りがあることその  他憲法 の違反があることを  理由 とするときに限り、最高裁判所に更に  上告 をすることができる。

    前項 の上告及びその  上告審 の訴訟手続には、その  性質 に反しない限り、第二審又は  第一審 の終局判決に対する  上告 及びその上告審の  訴訟手続 に関する規定を  準用 する。この場合において、  第三百二十一条第一項中 「原判決」とあるのは、「  地方裁判所 が第二審としてした  終局判決 (第三百十一条第二項の  規定 による上告があった  場合 にあっては、簡易裁判所の  終局判決 )」と読み替えるものとする。

   第三章 抗告

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第三百二十八条 (抗告をすることができる裁判)

   口頭弁論 を経ないで訴訟手続に関する  申立 てを却下した  決定 又は命令に対しては、  抗告 をすることができる。

    決定 又は命令により  裁判 をすることができない事項について  決定 又は命令がされたときは、これに対して  抗告 をすることができる。

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第三百二十九条 (受命裁判官等の裁判に対する不服申立て)

   受命裁判官 又は受託裁判官の  裁判 に対して不服がある  当事者 は、受訴裁判所に  異議 の申立てをすることができる。ただし、その  裁判 が受訴裁判所の  裁判 であるとした場合に  抗告 をすることができるものであるときに限る。

    抗告 は、前項の  申立 てについての裁判に対してすることができる。

    最高裁判所 又は高等裁判所が  受訴裁判所 である場合における  第一項 の規定の  適用 については、同項ただし  書中 「受訴裁判所」とあるのは、「  地方裁判所 」とする。

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第三百三十条 (再抗告)

   抗告裁判所 の決定に対しては、その  決定 に憲法の  解釈 の誤りがあることその他憲法の  違反 があること、又は決定に  影響 を及ぼすことが明らかな法令の  違反 があることを理由とするときに限り、更に  抗告 をすることができる。

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第三百三十一条 (控訴又は上告の規定の準用)

   抗告 及び抗告裁判所の  訴訟手続 には、その性質に反しない限り、  第一章 の規定を  準用 する。ただし、前条の  抗告 及びこれに関する訴訟手続には、  前章 の規定中第二審又は  第一審 の終局判決に対する  上告 及びその上告審の  訴訟手続 に関する規定を  準用 する。

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第三百三十二条 (即時抗告期間)

   即時抗告 は、裁判の  告知 を受けた日から一週間の  不変期間内 にしなければならない。

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第三百三十三条 (原裁判所等による更正)

   原裁判 をした裁判所又は  裁判長 は、抗告を  理由 があると認めるときは、その裁判を  更正 しなければならない。

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第三百三十四条 (原裁判の執行停止)

   抗告 は、即時抗告に限り、  執行停止 の効力を有する。

    抗告裁判所 又は原裁判をした  裁判所 若しくは裁判官は、  抗告 について決定があるまで、  原裁判 の執行の  停止 その他必要な  処分 を命ずることができる。

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第三百三十五条 (口頭弁論に代わる審尋)

   抗告裁判所 は、抗告について  口頭弁論 をしない場合には、  抗告人 その他の利害関係人を  審尋 することができる。

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第三百三十六条 (特別抗告)

   地方裁判所 及び簡易裁判所の  決定 及び命令で  不服 を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の  決定 及び命令に対しては、その  裁判 に憲法の  解釈 の誤りがあることその他憲法の  違反 があることを理由とするときに、  最高裁判所 に特に抗告をすることができる。

    前項 の抗告は、  裁判 の告知を受けた日から  五日 の不変期間内にしなければならない。

    第一項 の抗告及びこれに関する  訴訟手続 には、その性質に反しない限り、  第三百二十七条第一項 の上告及びその  上告審 の訴訟手続に関する  規定並 びに第三百三十四条第二項の  規定 を準用する。

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第三百三十七条 (許可抗告)

   高等裁判所 の決定及び  命令 (第三百三十条の  抗告 及び次項の  申立 てについての決定及び  命令 を除く。)に対しては、前条第一項の  規定 による場合のほか、その  高等裁判所 が次項の  規定 により許可したときに限り、  最高裁判所 に特に抗告をすることができる。ただし、その  裁判 が地方裁判所の  裁判 であるとした場合に  抗告 をすることができるものであるときに限る。

    前項 の高等裁判所は、  同項 の裁判について、  最高裁判所 の判例(これがない  場合 にあっては、大審院又は  上告裁判所 若しくは抗告裁判所である  高等裁判所 の判例)と  相反 する判断がある  場合 その他の法令の  解釈 に関する重要な  事項 を含むと認められる場合には、  申立 てにより、決定で、  抗告 を許可しなければならない。

    前項 の申立てにおいては、  前条第一項 に規定する  事由 を理由とすることはできない。

    第二項 の規定による  許可 があった場合には、  第一項 の抗告があったものとみなす。

    最高裁判所 は、裁判に  影響 を及ぼすことが明らかな法令の  違反 があるときは、原裁判を  破棄 することができる。

    第三百十三条 、第三百十五条及び  前条第二項 の規定は  第二項 の申立てについて、  第三百十八条第三項 の規定は  第二項 の規定による  許可 をする場合について、  同条第四項後段 及び前条第三項の  規定 は第二項の  規定 による許可があった  場合 について準用する。

  第四編 再審

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第三百三十八条 (再審の事由)

   次 に掲げる事由がある  場合 には、確定した  終局判決 に対し、再審の訴えをもって、  不服 を申し立てることができる。ただし、当事者が  控訴 若しくは上告によりその  事由 を主張したとき、又はこれを知りながら  主張 しなかったときは、この限りでない。

    法律 に従って  判決裁判所 を構成しなかったこと。

    法律 により判決に  関与 することができない裁判官が  判決 に関与したこと。

    法定代理権 、訴訟代理権又は  代理人 が訴訟行為をするのに  必要 な授権を欠いたこと。

    判決 に関与した  裁判官 が事件について  職務 に関する罪を犯したこと。

    刑事上罰 すべき他人の  行為 により、自白をするに  至っ たこと又は判決に  影響 を及ぼすべき攻撃若しくは  防御 の方法を  提出 することを妨げられたこと。

    判決 の証拠となった  文書 その他の物件が  偽造 又は変造されたものであったこと。

    証人 、鑑定人、  通訳人 又は宣誓した  当事者 若しくは法定代理人の  虚偽 の陳述が  判決 の証拠となったこと。

    判決 の基礎となった  民事 若しくは刑事の  判決 その他の裁判又は  行政処分 が後の裁判又は  行政処分 により変更されたこと。

    判決 に影響を及ぼすべき  重要 な事項について  判断 の遺脱があったこと。

    不服 の申立てに係る  判決 が前に確定した  判決 と抵触すること。

    前項第四号 から第七号までに掲げる  事由 がある場合においては、罰すべき  行為 について、有罪の  判決 若しくは過料の  裁判 が確定したとき、又は  証拠 がないという理由以外の  理由 により有罪の  確定判決 若しくは過料の  確定裁判 を得ることができないときに限り、再審の訴えを  提起 することができる。

    控訴審 において事件につき  本案判決 をしたときは、第一審の  判決 に対し再審の訴えを  提起 することができない。

第三百三十九条

   判決 の基本となる  裁判 について前条第一項に  規定 する事由がある  場合 (同項第四号から  第七号 までに掲げる事由がある  場合 にあっては、同条第二項に  規定 する場合に限る。)には、その  裁判 に対し独立した  不服申立 ての方法を定めているときにおいても、その  事由 を判決に対する  再審 の理由とすることができる。

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第三百四十条 (管轄裁判所)

   再審 の訴えは、不服の  申立 てに係る判決をした  裁判所 の管轄に  専属 する。

    審級 を異にする裁判所が  同一 の事件についてした  判決 に対する再審の訴えは、  上級 の裁判所が併せて  管轄 する。

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第三百四十一条 (再審の訴訟手続)

   再審 の訴訟手続には、その  性質 に反しない限り、各審級における  訴訟手続 に関する規定を  準用 する。

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第三百四十二条 (再審期間)

   再審 の訴えは、当事者が  判決 の確定した  後再審 の事由を  知っ た日から三十日の  不変期間内 に提起しなければならない。

    判決 が確定した日(  再審 の事由が  判決 の確定した後に生じた  場合 にあっては、その事由が  発生 した日)から五年を  経過 したときは、再審の訴えを  提起 することができない。

    前二項 の規定は、  第三百三十八条第一項第三号 に掲げる事由のうち  代理権 を欠いたこと及び同項第十号に掲げる  事由 を理由とする  再審 の訴えには、適用しない。

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第三百四十三条 (再審の訴状の記載事項)

   再審 の訴状には、次に掲げる  事項 を記載しなければならない。

    当事者 及び法定代理人

    不服 の申立てに係る  判決 の表示及びその  判決 に対して再審を求める旨

    不服 の理由

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第三百四十四条 (不服の理由の変更)

   再審 の訴えを提起した  当事者 は、不服の  理由 を変更することができる。

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第三百四十五条 (再審の訴えの却下等)

   裁判所 は、再審の訴えが  不適法 である場合には、  決定 で、これを却下しなければならない。

    裁判所 は、再審の  事由 がない場合には、  決定 で、再審の  請求 を棄却しなければならない。

    前項 の決定が  確定 したときは、同一の  事由 を不服の  理由 として、更に再審の訴えを  提起 することができない。

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第三百四十六条 (再審開始の決定)

   裁判所 は、再審の  事由 がある場合には、  再審開始 の決定をしなければならない。

    裁判所 は、前項の  決定 をする場合には、  相手方 を審尋しなければならない。

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第三百四十七条 (即時抗告)

   第三百四十五条第一項 及び第二項並びに  前条第一項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第三百四十八条 (本案の審理及び裁判)

   裁判所 は、再審開始の  決定 が確定した  場合 には、不服申立ての  限度 で、本案の  審理 及び裁判をする。

    裁判所 は、前項の  場合 において、判決を  正当 とするときは、再審の  請求 を棄却しなければならない。

    裁判所 は、前項の  場合 を除き、判決を取り消した上、更に  裁判 をしなければならない。

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第三百四十九条 (決定又は命令に対する再審)

   即時抗告 をもって不服を申し立てることができる  決定 又は命令で  確定 したものに対しては、再審の  申立 てをすることができる。

    第三百三十八条 から前条までの  規定 は、前項の  申立 てについて準用する。

  第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則

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第三百五十条 (手形訴訟の要件)

   手形 による金銭の  支払 の請求及びこれに  附帯 する法定利率による  損害賠償 の請求を  目的 とする訴えについては、手形訴訟による  審理 及び裁判を求めることができる。

    手形訴訟 による審理及び  裁判 を求める旨の申述は、  訴状 に記載してしなければならない。

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第三百五十一条 (反訴の禁止)

   手形訴訟 においては、反訴を  提起 することができない。

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第三百五十二条 (証拠調べの制限)

   手形訴訟 においては、証拠調べは、  書証 に限りすることができる。

    文書 の提出の  命令 又は送付の  嘱託 は、することができない。対照の用に供すべき  筆跡 又は印影を備える  物件 の提出の  命令 又は送付の  嘱託 についても、同様とする。

    文書 の成立の  真否 又は手形の  提示 に関する事実については、  申立 てにより、当事者本人を  尋問 することができる。

    証拠調 べの嘱託は、することができない。  第百八十六条 の規定による  調査 の嘱託についても、  同様 とする。

    前各項 の規定は、  裁判所 が職権で  調査 すべき事項には、  適用 しない。

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第三百五十三条 (通常の手続への移行)

   原告 は、口頭弁論の  終結 に至るまで、被告の  承諾 を要しないで、訴訟を  通常 の手続に  移行 させる旨の申述をすることができる。

    訴訟 は、前項の  申述 があった時に、通常の  手続 に移行する。

    前項 の場合には、  裁判所 は、直ちに、訴訟が  通常 の手続に  移行 した旨を記載した  書面 を被告に  送付 しなければならない。ただし、第一項の  申述 が被告の  出頭 した期日において  口頭 でされたものであるときは、その送付をすることを要しない。

    第二項 の場合には、  手形訴訟 のため既に指定した  期日 は、通常の  手続 のために指定したものとみなす。

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第三百五十四条 (口頭弁論の終結)

   裁判所 は、被告が  口頭弁論 において原告が  主張 した事実を争わず、その  他何 らの防御の  方法 をも提出しない  場合 には、前条第三項の  規定 による書面の  送付前 であっても、口頭弁論を  終結 することができる。

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第三百五十五条 (口頭弁論を経ない訴えの却下)

   請求 の全部又は  一部 が手形訴訟による  審理 及び裁判をすることができないものであるときは、  裁判所 は、口頭弁論を経ないで、  判決 で、訴えの全部又は  一部 を却下することができる。

    前項 の場合において、  原告 が判決書の  送達 を受けた日から二週間以内に  同項 の請求について  通常 の手続により訴えを  提起 したときは、第百四十七条の  規定 の適用については、その訴えの  提起 は、前の訴えの提起の時にしたものとみなす。

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第三百五十六条 (控訴の禁止)

   手形訴訟 の終局判決に対しては、  控訴 をすることができない。ただし、前条第一項の  判決 を除き、訴えを却下した  判決 に対しては、この限りでない。

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第三百五十七条 (異議の申立て)

   手形訴訟 の終局判決に対しては、訴えを  却下 した判決を除き、  判決書 又は第二百五十四条第二項の  調書 の送達を受けた日から  二週間 の不変期間内に、その  判決 をした裁判所に  異議 を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた  異議 の効力を妨げない。

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第三百五十八条 (異議申立権の放棄)

   異議 を申し立てる権利は、その  申立 て前に限り、放棄することができる。

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第三百五十九条 (口頭弁論を経ない異議の却下)

   異議 が不適法でその  不備 を補正することができないときは、  裁判所 は、口頭弁論を経ないで、  判決 で、異議を  却下 することができる。

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第三百六十条 (異議の取下げ)

   異議 は、通常の  手続 による第一審の  終局判決 があるまで、取り下げることができる。

    異議 の取下げは、  相手方 の同意を得なければ、その  効力 を生じない。

    第二百六十一条第三項 から第五項まで、  第二百六十二条第一項 及び第二百六十三条の  規定 は、異議の  取下 げについて準用する。

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第三百六十一条 (異議後の手続)

   適法 な異議があったときは、  訴訟 は、口頭弁論の  終結前 の程度に復する。この  場合 においては、通常の  手続 によりその審理及び  裁判 をする。

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第三百六十二条 (異議後の判決)

   前条 の規定によってすべき  判決 が手形訴訟の  判決 と符合するときは、  裁判所 は、手形訴訟の  判決 を認可しなければならない。ただし、  手形訴訟 の判決の  手続 が法律に  違反 したものであるときは、この限りでない。

    前項 の規定により  手形訴訟 の判決を  認可 する場合を除き、  前条 の規定によってすべき  判決 においては、手形訴訟の  判決 を取り消さなければならない。

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第三百六十三条 (異議後の判決における訴訟費用)

   異議 を却下し、又は  手形訴訟 においてした訴訟費用の  負担 の裁判を  認可 する場合には、  裁判所 は、異議の  申立 てがあった後の訴訟費用の  負担 について裁判をしなければならない。

    第二百五十八条第四項 の規定は、  手形訴訟 の判決に対し  適法 な異議の  申立 てがあった場合について  準用 する。

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第三百六十四条 (事件の差戻し)

   控訴裁判所 は、異議を  不適法 として却下した  第一審判決 を取り消す場合には、  事件 を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、  事件 につき更に弁論をする  必要 がないときは、この限りでない。

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第三百六十五条 (訴え提起前の和解の手続から手形訴訟への移行)

   第二百七十五条第二項後段 の規定により  提起 があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による  審理 及び裁判を求める旨の  申述 は、同項前段の  申立 ての際にしなければならない。

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第三百六十六条 (督促手続から手形訴訟への移行)

   第三百九十五条 又は第三百九十八条第一項(  第四百二条第二項 において準用する  場合 を含む。)の規定により  提起 があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による  審理 及び裁判を求める旨の  申述 は、支払督促の  申立 ての際にしなければならない。

    第三百九十一条第一項 の規定による  仮執行 の宣言があったときは、  前項 の申述は、なかったものとみなす。

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第三百六十七条 (小切手訴訟)

   小切手 による金銭の  支払 の請求及びこれに  附帯 する法定利率による  損害賠償 の請求を  目的 とする訴えについては、小切手訴訟による  審理 及び裁判を求めることができる。

    第三百五十条第二項 及び第三百五十一条から  前条 までの規定は、  小切手訴訟 に関して準用する。

  第六編 少額訴訟に関する特則

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第三百六十八条 (少額訴訟の要件等)

   簡易裁判所 においては、訴訟の  目的 の価額が  六十万円以下 の金銭の  支払 の請求を  目的 とする訴えについて、少額訴訟による  審理 及び裁判を求めることができる。ただし、  同一 の簡易裁判所において  同一 の年に最高裁判所規則で定める  回数 を超えてこれを求めることができない。

    少額訴訟 による審理及び  裁判 を求める旨の申述は、訴えの  提起 の際にしなければならない。

    前項 の申述をするには、  当該訴 えを提起する  簡易裁判所 においてその年に少額訴訟による  審理 及び裁判を求めた  回数 を届け出なければならない。

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第三百六十九条 (反訴の禁止)

   少額訴訟 においては、反訴を  提起 することができない。

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第三百七十条 (一期日審理の原則)

   少額訴訟 においては、特別の  事情 がある場合を除き、  最初 にすべき口頭弁論の  期日 において、審理を  完了 しなければならない。

    当事者 は、前項の  期日前 又はその期日において、すべての  攻撃 又は防御の  方法 を提出しなければならない。ただし、  口頭弁論 が続行されたときは、この限りでない。

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第三百七十一条 (証拠調べの制限)

   証拠調 べは、即時に取り調べることができる  証拠 に限りすることができる。

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第三百七十二条 (証人等の尋問)

   証人 の尋問は、  宣誓 をさせないですることができる。

    証人 又は当事者本人の  尋問 は、裁判官が  相当 と認める順序でする。

    裁判所 は、相当と認めるときは、  最高裁判所規則 で定めるところにより、裁判所及び  当事者双方 と証人とが  音声 の送受信により  同時 に通話をすることができる  方法 によって、証人を  尋問 することができる。

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第三百七十三条 (通常の手続への移行)

   被告 は、訴訟を  通常 の手続に  移行 させる旨の申述をすることができる。ただし、  被告 が最初にすべき  口頭弁論 の期日において  弁論 をし、又はその期日が  終了 した後は、この限りでない。

    訴訟 は、前項の  申述 があった時に、通常の  手続 に移行する。

    次 に掲げる場合には、  裁判所 は、訴訟を  通常 の手続により  審理 及び裁判をする旨の  決定 をしなければならない。

    第三百六十八条第一項 の規定に  違反 して少額訴訟による  審理 及び裁判を求めたとき。

    第三百六十八条第三項 の規定によってすべき  届出 を相当の  期間 を定めて命じた場合において、その  届出 がないとき。

    公示送達 によらなければ被告に対する  最初 にすべき口頭弁論の  期日 の呼出しをすることができないとき。

    少額訴訟 により審理及び  裁判 をするのを相当でないと認めるとき。

    前項 の決定に対しては、  不服 を申し立てることができない。

    訴訟 が通常の  手続 に移行したときは、  少額訴訟 のため既に指定した  期日 は、通常の  手続 のために指定したものとみなす。

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第三百七十四条 (判決の言渡し)

   判決 の言渡しは、  相当 でないと認める場合を除き、  口頭弁論 の終結後直ちにする。

    前項 の場合には、  判決 の言渡しは、  判決書 の原本に基づかないですることができる。この  場合 においては、第二百五十四条第二項及び  第二百五十五条 の規定を  準用 する。

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第三百七十五条 (判決による支払の猶予)

   裁判所 は、請求を  認容 する判決をする  場合 において、被告の  資力 その他の事情を  考慮 して特に必要があると認めるときは、  判決 の言渡しの日から  三年 を超えない範囲内において、  認容 する請求に係る  金銭 の支払について、その  時期 の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その  時期 の定めに従い支払をしたとき、若しくはその  分割払 の定めによる期限の  利益 を次項の  規定 による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え  提起後 の遅延損害金の  支払義務 を免除する旨の定めをすることができる。

    前項 の分割払の定めをするときは、  被告 が支払を  怠っ た場合における  期限 の利益の  喪失 についての定めをしなければならない。

    前二項 の規定による定めに関する  裁判 に対しては、不服を申し立てることができない。

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第三百七十六条 (仮執行の宣言)

   請求 を認容する  判決 については、裁判所は、  職権 で、担保を立てて、又は立てないで  仮執行 をすることができることを宣言しなければならない。

    第七十六条 、第七十七条、  第七十九条 及び第八十条の  規定 は、前項の  担保 について準用する。

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第三百七十七条 (控訴の禁止)

   少額訴訟 の終局判決に対しては、  控訴 をすることができない。

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第三百七十八条 (異議)

   少額訴訟 の終局判決に対しては、  判決書 又は第二百五十四条第二項(  第三百七十四条第二項 において準用する  場合 を含む。)の調書の  送達 を受けた日から二週間の  不変期間内 に、その判決をした  裁判所 に異議を申し立てることができる。ただし、その  期間前 に申し立てた異議の  効力 を妨げない。

    第三百五十八条 から第三百六十条までの  規定 は、前項の  異議 について準用する。

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第三百七十九条 (異議後の審理及び裁判)

   適法 な異議があったときは、  訴訟 は、口頭弁論の  終結前 の程度に復する。この  場合 においては、通常の  手続 によりその審理及び  裁判 をする。

    第三百六十二条 、第三百六十三条、  第三百六十九条 、第三百七十二条第二項及び  第三百七十五条 の規定は、  前項 の審理及び  裁判 について準用する。

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第三百八十条 (異議後の判決に対する不服申立て)

   第三百七十八条第二項 において準用する  第三百五十九条 又は前条第一項の  規定 によってした終局判決に対しては、  控訴 をすることができない。

    第三百二十七条 の規定は、  前項 の終局判決について  準用 する。

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第三百八十一条 (過料)

   少額訴訟 による審理及び  裁判 を求めた者が第三百六十八条第三項の  回数 について虚偽の  届出 をしたときは、裁判所は、  決定 で、十万円以下の  過料 に処する。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

    第百八十九条 の規定は、  第一項 の規定による  過料 の裁判について  準用 する。

  第七編 督促手続

   第一章 総則 -------------------------------------------------

第三百八十二条 (支払督促の要件)

   金銭 その他の代替物又は  有価証券 の一定の  数量 の給付を  目的 とする請求については、  裁判所書記官 は、債権者の  申立 てにより、支払督促を発することができる。ただし、  日本 において公示送達によらないでこれを  送達 することができる場合に限る。

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第三百八十三条 (支払督促の申立て)

   支払督促 の申立ては、  債務者 の普通裁判籍の  所在地 を管轄する  簡易裁判所 の裁判所書記官に対してする。

    次 の各号に掲げる  請求 についての支払督促の  申立 ては、それぞれ当該各号に定める地を  管轄 する簡易裁判所の  裁判所書記官 に対してもすることができる。

    事務所 又は営業所を有する者に対する  請求 でその事務所又は  営業所 における業務に関するもの

       当該事務所 又は営業所の所在地

    手形 又は小切手による  金銭 の支払の  請求 及びこれに附帯する請求

       手形 又は小切手の支払地

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第三百八十四条 (訴えに関する規定の準用)

   支払督促 の申立てには、その  性質 に反しない限り、訴えに関する規定を  準用 する。

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第三百八十五条 (申立ての却下)

   支払督促 の申立てが  第三百八十二条 若しくは第三百八十三条の  規定 に違反するとき、又は  申立 ての趣旨から  請求 に理由がないことが明らかなときは、その  申立 てを却下しなければならない。  請求 の一部につき  支払督促 を発することができない場合におけるその  一部 についても、同様とする。

    前項 の規定による  処分 は、相当と認める  方法 で告知することによって、その  効力 を生ずる。

    前項 の処分に対する  異議 の申立ては、その  告知 を受けた日から一週間の  不変期間内 にしなければならない。

    前項 の異議の  申立 てについての裁判に対しては、  不服 を申し立てることができない。

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第三百八十六条 (支払督促の発付等)

   支払督促 は、債務者を  審尋 しないで発する。

    債務者 は、支払督促に対し、これを発した  裁判所書記官 の所属する  簡易裁判所 に督促異議の  申立 てをすることができる。

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第三百八十七条 (支払督促の記載事項)

   支払督促 には、次に掲げる事項を  記載 し、かつ、債務者が  支払督促 の送達を受けた日から  二週間以内 に督促異議の  申立 てをしないときは債権者の  申立 てにより仮執行の  宣言 をする旨を付記しなければならない。

    第三百八十二条 の給付を命ずる旨

    請求 の趣旨及び原因

    当事者 及び法定代理人

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第三百八十八条 (支払督促の送達)

   支払督促 は、債務者に  送達 しなければならない。

    支払督促 の効力は、  債務者 に送達された時に生ずる。

    債権者 が申し出た場所に  債務者 の住所、  居所 、営業所若しくは  事務所 又は就業場所がないため、  支払督促 を送達することができないときは、  裁判所書記官 は、その旨を債権者に  通知 しなければならない。この場合において、  債権者 が通知を受けた日から  二月 の不変期間内にその  申出 に係る場所以外の  送達 をすべき場所の  申出 をしないときは、支払督促の  申立 てを取り下げたものとみなす。

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第三百八十九条 (支払督促の更正)

   第七十四条第一項 及び第二項の  規定 は、支払督促について  準用 する。

    仮執行 の宣言後に  適法 な督促異議の  申立 てがあったときは、前項において  準用 する第七十四条第一項の  規定 による更正の  処分 に対する異議の  申立 ては、することができない。

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第三百九十条 (仮執行の宣言前の督促異議)

   仮執行 の宣言前に  適法 な督促異議の  申立 てがあったときは、支払督促は、その  督促異議 の限度で  効力 を失う。

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第三百九十一条 (仮執行の宣言)

   債務者 が支払督促の  送達 を受けた日から二週間以内に  督促異議 の申立てをしないときは、  裁判所書記官 は、債権者の  申立 てにより、支払督促に  手続 の費用額を  付記 して仮執行の  宣言 をしなければならない。ただし、その宣言前に  督促異議 の申立てがあったときは、この限りでない。

    仮執行 の宣言は、  支払督促 に記載し、これを  当事者 に送達しなければならない。ただし、  債権者 の同意があるときは、  当該債権者 に対しては、当該記載をした  支払督促 を送付することをもって、  送達 に代えることができる。

    第三百八十五条第二項 及び第三項の  規定 は、第一項の  申立 てを却下する  処分 及びこれに対する異議の  申立 てについて準用する。

    前項 の異議の  申立 てについての裁判に対しては、  即時抗告 をすることができる。

    第二百六十条 及び第三百八十八条第二項の  規定 は、第一項の  仮執行 の宣言について  準用 する。

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第三百九十二条 (期間の徒過による支払督促の失効)

   債権者 が仮執行の  宣言 の申立てをすることができる時から  三十日以内 にその申立てをしないときは、  支払督促 は、その効力を失う。

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第三百九十三条 (仮執行の宣言後の督促異議)

   仮執行 の宣言を付した  支払督促 の送達を受けた日から  二週間 の不変期間を  経過 したときは、債務者は、その  支払督促 に対し、督促異議の  申立 てをすることができない。

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第三百九十四条 (督促異議の却下)

   簡易裁判所 は、督促異議を  不適法 であると認めるときは、督促異議に係る  請求 が地方裁判所の  管轄 に属する場合においても、  決定 で、その督促異議を  却下 しなければならない。

    前項 の決定に対しては、  即時抗告 をすることができる。

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第三百九十五条 (督促異議の申立てによる訴訟への移行)

   適法 な督促異議の  申立 てがあったときは、督促異議に係る  請求 については、その目的の  価額 に従い、支払督促の  申立 ての時に、支払督促を発した  裁判所書記官 の所属する  簡易裁判所 又はその所在地を  管轄 する地方裁判所に訴えの  提起 があったものとみなす。この場合においては、  督促手続 の費用は、  訴訟費用 の一部とする。

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第三百九十六条 (支払督促の効力)

   仮執行 の宣言を付した  支払督促 に対し督促異議の  申立 てがないとき、又は督促異議の  申立 てを却下する  決定 が確定したときは、  支払督促 は、確定判決と  同一 の効力を有する。

   第二章 電子情報処理組織による督促手続の特則

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第三百九十七条 (電子情報処理組織による支払督促の申立て)

   電子情報処理組織 を用いて督促手続を取り扱う  裁判所 として最高裁判所規則で定める  簡易裁判所 (以下この章において「  指定簡易裁判所 」という。)の裁判所書記官に対しては、  第三百八十三条 の規定による  場合 のほか、同条に  規定 する簡易裁判所が別に  最高裁判所規則 で定める簡易裁判所である  場合 にも、最高裁判所規則で定めるところにより、  電子情報処理組織 を用いて支払督促の  申立 てをすることができる。

第三百九十八条

   第百三十二条 の十第一項本文の  規定 により電子情報処理組織を用いてされた  支払督促 の申立てに係る  督促手続 における支払督促に対し  適法 な督促異議の  申立 てがあったときは、督促異議に係る  請求 については、その目的の  価額 に従い、当該支払督促の  申立 ての時に、第三百八十三条に  規定 する簡易裁判所で  支払督促 を発した裁判所書記官の  所属 するもの若しくは前条の別に  最高裁判所規則 で定める簡易裁判所又はその  所在地 を管轄する  地方裁判所 に訴えの提起があったものとみなす。

    前項 の場合において、  同項 に規定する  簡易裁判所 又は地方裁判所が  二以上 あるときは、督促異議に係る  請求 については、これらの裁判所中に  第三百八十三条第一項 に規定する  簡易裁判所 又はその所在地を  管轄 する地方裁判所がある  場合 にはその裁判所に、その  裁判所 がない場合には  同条第二項第一号 に定める地を管轄する  簡易裁判所 又はその所在地を  管轄 する地方裁判所に訴えの  提起 があったものとみなす。

    前項 の規定にかかわらず、  債権者 が、最高裁判所規則で定めるところにより、  第一項 に規定する  簡易裁判所 又は地方裁判所のうち、一の  簡易裁判所 又は地方裁判所を  指定 したときは、その裁判所に訴えの  提起 があったものとみなす。

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第三百九十九条 (電子情報処理組織による処分の告知)

   第百三十二条 の十第一項本文の  規定 により電子情報処理組織を用いてされた  支払督促 の申立てに係る  督促手続 に関する指定簡易裁判所の  裁判所書記官 の処分の  告知 のうち、当該処分の  告知 に関するこの法律その他の  法令 の規定により  書面等 をもってするものとされているものについては、当該法令の  規定 にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、  電子情報処理組織 を用いてすることができる。

    第百三十二条 の十第二項から  第四項 までの規定は、  前項 の規定により  指定簡易裁判所 の裁判所書記官がする  処分 の告知について  準用 する。

    前項 において準用する  第百三十二条 の十第三項の  規定 にかかわらず、第一項の  規定 による処分の  告知 を受けるべき債権者の  同意 があるときは、当該処分の  告知 は、裁判所の  使用 に係る電子計算機に備えられたファイルに  当該処分 に係る情報が  最高裁判所規則 で定めるところにより記録され、かつ、その  記録 に関する通知が  当該債権者 に対して発せられた時に、当該債権者に  到達 したものとみなす。

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第四百条 (電磁的記録による作成等)

   指定簡易裁判所 の裁判所書記官は、  第百三十二条 の十第一項本文の  規定 により電子情報処理組織を用いてされた  支払督促 の申立てに係る  督促手続 に関し、この法律その他の  法令 の規定により  裁判所書記官 が書面等の  作成等 (作成又は  保管 をいう。以下この条及び  次条第一項 において同じ。)をすることとされているものについては、当該法令の  規定 にかかわらず、書面等の  作成等 に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、  当該書面等 に係る電磁的記録の  作成等 をすることができる。

    第百三十二条 の十第二項及び  第四項 の規定は、  前項 の規定により  指定簡易裁判所 の裁判所書記官がする  電磁的記録 の作成等について  準用 する。

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第四百一条 (電磁的記録に係る訴訟記録の取扱い)

   督促手続 に係る訴訟記録のうち、  第百三十二条 の十第一項本文の  規定 により電子情報処理組織を用いてされた  申立 て等に係る部分又は  前条第一項 の規定により  電磁的記録 の作成等がされた  部分 (以下この条において「  電磁的記録部分 」と総称する。)について、  第九十一条第一項 又は第三項の  規定 による訴訟記録の  閲覧等 の請求があったときは、  指定簡易裁判所 の裁判所書記官は、  当該指定簡易裁判所 の使用に係る  電子計算機 に備えられたファイルに記録された  電磁的記録部分 の内容を  書面 に出力した上、  当該訴訟記録 の閲覧等を  当該書面 をもってするものとする。電磁的記録の  作成等 に係る書類の  送達 又は送付も、  同様 とする。

    第百三十二条 の十第一項本文の  規定 により電子情報処理組織を用いてされた  支払督促 の申立てに係る  督促手続 における支払督促に対し  適法 な督促異議の  申立 てがあったときは、第三百九十八条の  規定 により訴えの提起があったものとみなされる  裁判所 は、電磁的記録部分の  内容 を書面に  出力 した上、当該訴訟記録の  閲覧等 を当該書面をもってするものとする。

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第四百二条 (電子情報処理組織による督促手続における所定の方式の書面による支払督促の申立て)

   電子情報処理組織 (裁判所の  使用 に係る複数の  電子計算機 を相互に  電気通信回線 で接続した  電子情報処理組織 をいう。)を用いて督促手続を取り扱う  裁判所 として最高裁判所規則で定める  簡易裁判所 の裁判所書記官に対しては、  第三百八十三条 の規定による  場合 のほか、同条に  規定 する簡易裁判所が別に  最高裁判所規則 で定める簡易裁判所である  場合 にも、最高裁判所規則で定める  方式 に適合する  方式 により記載された  書面 をもって支払督促の  申立 てをすることができる。

    第三百九十八条 の規定は、  前項 に規定する  方式 により記載された  書面 をもってされた支払督促の  申立 てに係る督促手続における  支払督促 に対し適法な  督促異議 の申立てがあったときについて  準用 する。

  第八編 執行停止

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第四百三条 (執行停止の裁判)

   次 に掲げる場合には、  裁判所 は、申立てにより、  決定 で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで  強制執行 の一時の  停止 を命じ、又はこれとともに、担保を立てて  強制執行 の開始若しくは  続行 をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした  執行処分 の取消しを命ずることができる。ただし、  強制執行 の開始又は  続行 をすべき旨の命令は、  第三号 から第六号までに掲げる  場合 に限り、することができる。

    第三百二十七条第一項 (第三百八十条第二項において  準用 する場合を含む。  次条 において同じ。)の上告又は  再審 の訴えの提起があった  場合 において、不服の  理由 として主張した  事情 が法律上理由があるとみえ、  事実上 の点につき疎明があり、かつ、  執行 により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき  疎明 があったとき。

    仮執行 の宣言を付した  判決 に対する上告の  提起 又は上告受理の  申立 てがあった場合において、  原判決 の破棄の  原因 となるべき事情及び  執行 により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき  疎明 があったとき。

    仮執行 の宣言を付した  判決 に対する控訴の  提起 又は仮執行の  宣言 を付した支払督促に対する  督促異議 の申立て(  次号 の控訴の  提起 及び督促異議の  申立 てを除く。)があった場合において、  原判決 若しくは支払督促の  取消 し若しくは変更の  原因 となるべき事情がないとはいえないこと又は  執行 により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき  疎明 があったとき。

    手形 又は小切手による  金銭 の支払の  請求 及びこれに附帯する  法定利率 による損害賠償の  請求 について、仮執行の  宣言 を付した判決に対する  控訴 の提起又は  仮執行 の宣言を付した  支払督促 に対する督促異議の  申立 てがあった場合において、  原判決 又は支払督促の  取消 し又は変更の  原因 となるべき事情につき  疎明 があったとき。

    仮執行 の宣言を付した  手形訴訟 若しくは小切手訴訟の  判決 に対する異議の  申立 て又は仮執行の  宣言 を付した少額訴訟の  判決 に対する異議の  申立 てがあった場合において、  原判決 の取消し又は  変更 の原因となるべき  事情 につき疎明があったとき。

    第百十七条第一項 の訴えの提起があった  場合 において、変更のため  主張 した事情が  法律上理由 があるとみえ、かつ、事実上の点につき  疎明 があったとき。

    前項 に規定する  申立 てについての裁判に対しては、  不服 を申し立てることができない。

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第四百四条 (原裁判所による裁判)

   第三百二十七条第一項 の上告の  提起 、仮執行の  宣言 を付した判決に対する  上告 の提起若しくは  上告受理 の申立て又は  仮執行 の宣言を付した  判決 に対する控訴の  提起 があった場合において、  訴訟記録 が原裁判所に存するときは、その  裁判所 が、前条第一項に  規定 する申立てについての  裁判 をする。

    前項 の規定は、  仮執行 の宣言を付した  支払督促 に対する督促異議の  申立 てがあった場合について  準用 する。

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第四百五条 (担保の提供)

    この編の規定により  担保 を立てる場合において、  供託 をするには、担保を立てるべきことを命じた  裁判所 又は執行裁判所の  所在地 を管轄する  地方裁判所 の管轄区域内の  供託所 にしなければならない。

    第七十六条 、第七十七条、  第七十九条 及び第八十条の  規定 は、前項の  担保 について準用する。

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